No.987558

聖ビーストテイマー・ナタ289

リュートさん

一応、新シリーズだけど本編の第3部・第289話。

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2019-03-18 10:10:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:108   閲覧ユーザー数:108

ルークの姿のマキャヴェリのそばに赤ん坊のゲイザーが近付いて来ると、こう言います。

 

「人間は生まれた時の顔が一番美しいのです。整形を繰り返したあなたの顔は、まるで化け物のように醜くなってしまっているのでしょう」

 

「美形に生まれた奴に不細工の気持ちがわかるもんか!金で言いなりにしないと女も抱けないんだ…」

 

「アウローラも自分の顔が気に入らないといつも言ってますが、私には一番美しい顔に見えるのです。おそらくルークも同じ感覚で見ている事でしょう」

 

「エレンは金でも言いなりにならなかったのにルークには簡単に堕とせちまったんだ…」

 

「金で言いなりにしても心までは動かせませんよ」

 

「メイドもみんな辞めて行っちまう。昔は良かったのに今はセクハラだなんだで訴えられちまうし…」

 

「セクハラ防止法は私が進言してテオドールに作らせた法案でしたが、昔はメイドは何をされても文句すら言えなかった」

 

「文句言わないメイドもいるんだ!俺の事ずっと慰めてくれてた…。エレンにフラれた時も」

 

「ではそのメイドさんを大事にしてあげてください。大事にしていれば愛されます」

 

「メイドとは本気になるなって父上に言われてるんだよ?貧しい生まれの女が多いし…」

 

「ふむ、あなたも可哀想な人なんですね。父親の言いなりになって生きるのは辛いでしょう?私は二十歳で父上に反抗して家を出ましたよ」

 

「お前、どう見たって赤ん坊だろうが!」

 

「おっと、そうでしたね。こう見えても前世は五十七歳のおじさんだったんですよ」

 

「勇者ゲイザー、そろそろ記憶を消す準備を始めましょうか?」

 

「ええ、よろしくお願いします。ミカエル様」

 

ゲイザーはベビーベッドに横になります。ミカエルはゲイザーの体の上に手をかざしました。

 

「これで前世の記憶は消えたはずですよ」

 

「えっ、たったこれだけで終わり?本当にお父さんの記憶、消えてるのかな…」

 

「あなたの記憶も必要ならば消せますが、どうしますか?アウローラ」

 

…つづく


 
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