No.987391

聖ビーストテイマー・ナタ270

リュートさん

一応、新シリーズだけど本編の第3部・第270話。

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2019-03-17 00:06:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:128   閲覧ユーザー数:128

ルークは総帥の部屋から出て、下っ端の魔術師の机が並んでいるオフィスに来ました。ここにいるのは実力的には第三級魔術師がほとんどです。ルークのパートナーの女性は魔女の服を着ていますが、魔力はほとんど感じられません。

 

「髪の毛をもらってくるようにウィルス様に仰せ使っています」

 

「その件なんですが父と相談して、お断りする事に決めました」

 

「えっ、なぜですか?髪の毛を持って行かないと叱られてしまいます」

 

「僕はまだ三級の資格しか持っていないのに、本来なら二級の試験を受ける日に、替え玉で一級の試験を受けるなんておかしいでしょう?」

 

「確かに変な話だなとは思って聞いておりました」

 

「このオフィスにいる魔術師も一級の金バッヂを付けているけど、三級の銅バッヂの僕の魔力の十分の一しかありません」

 

「金バッヂさえあれば一目置かれますからね」

 

「金メッキが剥がれれば銅バッヂになりますけどね。僕は今年、二級に上がってやっと銀バッヂがもらえます」

 

「私は四級以下なので銅バッヂすらもらえませんが…」

 

「あなたも学生時代に勉強する暇さえあれば、三級くらいなら取れたと思いますけどね」

 

「私には魔術の才能はなかったんです…」

 

「第一級魔術師連盟なんて看板に偽りありだなぁ」

 

「ところで三級の試験と二級の試験と一級の試験って、どれくらい難しさが違うのですか?」

 

「三級はぶっちゃけバカでも通れます。合格ラインが三十点だったかな?二級は合格ラインが六十点ですし、一級は一応八十点以上と言う事になってます。実質上、五十点満点テストのようですが…」

 

「五十点満点で五十点が取れないと通らないって仰ってましたよね…」

 

「一問一点ではなく、一問二点のテストで百点満点取れ!って言ってるようなものですよ?」

 

「それなら最初から百点満点を合格ラインにすれば良いのに…」

 

「そこが姑息なところなんです。合格ラインを調整する為のフェイク問題のせいで、どんなに頑張っても通らない人もいる事になる…」

 

…つづく


 
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