ゲイザーはベビーベッドの柵の隙間から、二人の様子をじっと見ています。
「ローラは僕の事を信頼してないんだね。僕が最低の人間だと思ってるから相談してくれないんだ…」
「そうじゃないよ?ルークの事は信頼してる」
「悩みの相談も出来ない相手を信頼してるって言えるの?筋が通ってないよ…」
「ルークの事で悩んでる時はルーク以外の人に相談した方が良いでしょ?」
「僕が原因なら僕に解決出来る場合もあるんだから、僕に言うべきだと思わない?」
「もしそれでその子をルークが嫌いになったりしたらその子が可哀想でしょ?」
「ああ、もう!なんでわかんないのかな?僕はその子の事なんか最初から好きじゃないんだ」
「その子の良いところをルークが見ようとしてないだけじゃない?ルークが付き合ってた子、すごく良い子もたくさんいたのにみんなフッちゃって」
「だから僕は最初から付き合いたくないって言ってたじゃないか!それなのに君が付き合ってあげてとか言うから、傷付ける事になったんだろ?僕のせいにしないでよ」
「ルークも私に不満があったんじゃない?どこも嫌なところがないって嘘だったんだね」
「はぁ…、なんでこんな些細な事で言い争ってるんだろう?どちらも悪くないのに、お互いを責めてもしょうがないだろ」
「多分、悪いのは私の方だよ?ルークがフッた子の方が良い子だったと思う。その方がお互いに幸せになれたんじゃないかな」
「つまり君はこう言いたいわけだね?僕がジュリーと結婚して、君はヴィッキーと結婚するべきだったと」
「その方が上手く行った気はするよ。周りも何も言わなかったと思う」
「でもそれは誰も幸せになれない選択だ。僕はジュリーを愛してないから、ジュリーも幸せになれないし、ヴィッキーは幸せかもしれないけど、君はどうなんだ?」
「ヴィッキーはジュリーと結婚した方が幸せだと思うよ。私は…幸せになるかどうかわからない」
「ヴィッキーはジュリーの次に君が好きだったんだから幸せだと思うよ?君は誰が一番好きだったの」
「わかんないの…。多分ルークが一番好きなんだけど、一番好きだから結婚したいって思えなくて、ずっとお母さんを見てたから、一番好きな人とは結婚したくないって思ってたんだ…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第258話。