No.987203

聖ビーストテイマー・ナタ255

リュートさん

一応、新シリーズだけど本編の第3部・第255話。

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2019-03-15 00:49:41 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:112   閲覧ユーザー数:112

ルークはいつもの優しい表情とは別人のように冷たい表情で言います。

 

「それは身の危険を感じてないからだよ。人間の記憶力は身の危険を感じた時に一番発揮される。僕は生まれたその時からずっと天界に監視されて命を狙われてる」

 

「前からそんな事を言ってたね。ルークは悪い事なんか絶対しないのに…」

 

「僕が悪い事しないのは、したら即殺されるからさ?自分の身の安全を確保する為にどうしたら良いか必死で考えた」

 

「身の安全を確保する為に、ルークは何を考えていたの?」

 

「普通の人間のフリをして生きるんだ。結婚して子供を作って幸せに暮らしてるフリをね。でも僕の地位や名声を利用しようと考える人間が寄ってくる。そいつらを遮断する為に頭の悪いフリもしたさ?リリム姉さんは相当賢いよ。バカなフリしてるだけだからな…」

 

「幸せに暮らすフリをする為に私が必要だったって事?それってルークがおままごとしてたんじゃない…」

 

「最初はそのつもりで相手を探してたんだ。僕を悪用しようと考えない従順な妻になれそうな相手をね…」

 

「私が思ってたのと違ったから怒ってるの?私に胸触らせてって言ってくる男子って、私が怒るとイメージと違う!って言って仲悪くなっちゃった」

 

「ううん、むしろ君は僕の理想通りの人だったんだ。そのせいで僕は他の男子と同じくらいバカになってしまった…」

 

「ルークが時々バカな事言うから変だなぁと思ってたの。さっきの話聞いて、あれも演技だったのかな?って思った」

 

「演技じゃないんだ…。そもそも僕のここは君以外の女性には反応しない」

 

「それがすごいなぁと思って。どうやってコントロールしてるの?私には多分無理」

 

「逆だよ?普段、ここは反応しないのが当たり前なんだ。コントロール不能に陥る事の方が誤算だった…」

 

「ルークのお父さんもナタお姉さんの前でだけコントロール不能になってるよね…」

 

「君を好きだと気付いてからはある意味、地獄だったけど幸せだなって思った。人は多分、本当に辛い思いをしてる時に幸せを感じる生き物なんだ」

 

「そっかぁ。私は辛い思いしてないから、幸せを感じられなかったんだね」

 

「おじさんやお父さんの時代は本当に辛かったみたいだけど、今の僕たちよりも幸せだったのかもしれないね」

 

「ルークは辛い思いしてるよね?死と隣り合わせで生きるなんて私には耐えられないと思う」

 

…つづく


 
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