休日明け、ルークが魔術師連盟の秘密結社に出勤すると、美人の魔女が話しかけてきました。
「ルーク・マルヴェールですね。あなたのパートナーになるようにとウィルス様から仰せ使っております」
「あれ?体術サークル女子部顧問の先生ですよね…。顔を整形されたんですか」
「い、いえ!違います…。なぜそう思われましたか?」
「オーラの色が同じだったので…。先生は行方不明になっておられて、教授たちにも質問したんですが寿退職されたと聞いてます」
「それでは寿退職されたと言う、その女性とは人違いではありませんか?私は未婚ですので」
「それが不審な点がいくつかあって、最初は先生の体調が悪くて入院していると言うんです。見舞いに行きたいと言っても個人情報だと言って教えてくれなくて…」
「アカデミーの個人情報は厳重に保護されていますからね」
「そうこうしていると卒業式を迎えて、卒業式の日に再び教授を問い詰めると寿退職だとやっと知らされて、それならなぜもっと早く教えてくれなかったのかな?と…」
「色々と事情があったのでしょう。詮索するのはよくありませんよ?」
「いえ、先生は仕事熱心で真面目な女性でしたので、僕も慕っていましたからご結婚されたなら、お祝いの一言でもと思っただけなんです」
「生徒からそんな風に思われていたと知ったら先生も喜ばれると思いますよ?」
魔女はまんざらでもなさそうな表情を浮かべています。
「そうですか…。仕事のパートナーならば、今日のランチを一緒にどうです?」
「それは口説いていらっしゃるのかしら?年上をからかわないでください」
「あなたの美貌なら口説かれる事も多いでしょう?体も引き締まっているので歳を感じませんし、体術をやっておられるように見受けられます」
「整形した事は認めます。この顔になってから男たちが掌を返したように口説いてくるので、うんざりしていたのです…」
「なるほど、でも体の方は以前のままのようですね?」
「あなたの目は欺けそうにありませんね」
「なぜ顔を変えたのか、ランチでゆっくり話を聞かせてもらえませんか?」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第235話。