翌朝、ルシフェルが出勤すると地獄の王ヤマの執務室に呼ばれました。
「昨夜は酒場でひと騒動起こしたようだね。私のところへ通報がたくさん入っていたよ」
「申し訳ありません。処分は覚悟しています」
「いや、被害者はほとんどが無法者だったのでね。法による加護は受けられないのだよ」
「過去に罪を犯した者は殺されても文句を言えないと言う法律がありましたね」
「君には前科もないし、前科持ちを何人殺そうが罪には問われないよ」
「めちゃくちゃな法案だなと思いましたが、おかげで僕はお咎めなしですか…」
「君のように優秀な手駒を手放すほど私も愚かではないのでね」
「足を失った妻がいるので、収入がなくなるのは困ります。在宅介護サービスは高額ですし」
「金が必要ならもう少し上の地位も用意出来るのだがね?」
「地獄の沙汰も金次第ですか…。しかし帰りが遅くなると妻が寂しがりますし、今の仕事は残業もなくて休暇も取りやすいので、気に入ってるのです。このままでお願いします」
「そうか、まあ君にとって働きやすい環境が一番だからな。無理にとは言わんよ?」
「ありがとうございます。理解のある上司だと助かります」
仕事は手早くこなして定時に上がり、家に帰るとリリスとイチャイチャします。
「赤ちゃんがお腹を蹴ってるわ」
「そうか、お腹の子に良くないから、しばらく夫婦の営みは控えた方が良いかな?」
「でもルシフェルと…したいの」
「僕もリリスとしたいよ…」
「ウフ、仲良くしてる方が胎教にも良いはずだし」
「お腹の子に影響がないように気を付けてするからね」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第229話。