全ての印が彫り終わる頃、日が沈みかけていました。学生たちは皆下校してしまい、見回りの男が数名校内を徘徊しています。
「パパ、来たわよぉ?私は何すれば良いのぉ」
「あの見回りの男たちを連れ出してくれ」
「ウフ、それくらいお安い御用よぉ」
リリムに誘われると見回りの男たちはいなくなりました。アークが目配せしたのでルークは結界を発動します。
「これで中に誰も入れないし、外にも出られないな?」
「学校を封鎖して一体、何するつもりなの?」
「少し暴れるかもしれないが、人間には危害を加えなければミカエルも文句は言うまい」
アークはカバンからカードを取り出して一気に召喚しました。魔物たちがゾロゾロ現れます。
「なんだ、ここは…。俺たちビーストカードに閉じ込められてたはずじゃなかったか?」
「お前たちを自由にしてやるから魔界に帰れ」
「魔界に帰れだと?なんでそんな事、しなきゃなんねぇんだ…」
「ここにいてもお前らの居場所なんかないからさ?人間に危害を加えられても困る」
「人間どもが勝手にのさばってるだけじゃねぇか?ここに俺たちの新世界を作る!お前も手伝ってくれよ」
「僕も人間など守りたくはないんだがね。妻はこの世界が気に入ってるようだから、壊したくないだけだよ?」
「お前の事は噂に聞いてるぜ?人間の女にうつつを抜かして、人間に成り下がったって有名な元魔王様だろう」
「そんな噂が立っていたとは…心外だな」
「魔王様も落ちぶれたもんだなぁ。体が鈍ってんじゃねぇか?」
「そうだな。たまには思いっきり暴れてみたいよ」
「俺たちが相手してやろうか?魔王様よ」
「息子のルークと一緒に、お前ら全員を相手にしてやろう」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第220話。