No.985778

聖ビーストテイマー・ナタ185

リュートさん

一応、新シリーズだけど本編の第3部・第185話。

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2019-03-02 11:56:50 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:102   閲覧ユーザー数:102

ヴィッキーとジュリーが結婚して家を出て行ったので、ゲイザー邸はガランとしてしまいました。

 

「リリムが残ってくれて良かったわ。私一人になると塞ぎ込んでしまってたと思う」

 

「他に行く宛てもないしぃ。魔界の洞窟に一人ぼっちで暮らすのもやだぁ」

 

「アークの家に行く気はないの?あなたの実の父親でしょ」

 

「パパは放任主義だから、あまり構ってくれないのよねぇ」

 

「ゲイザー様はリリムの事も実の娘みたいに思ってたみたいよ?血の繋がりのないナターシャちゃんの事も我が子同然に扱っていらっしゃったし…」

 

「なんとなくそれはわかってたのぉ。パパより私を愛してくれてる気がしてたわぁ」

 

「ゲイザー様は全ての人を平等に愛せる人なのよ。私だけ特別扱いして欲しいって考えた事もあったけど、それはワガママだから」

 

「あーあ、次に良い男を見つけるのは何百年かかるのかしら?勇者様を見つけるのに二千年もかかったのにぃ」

 

その頃、天界にいるゲイザーはミカエルの執務室で話をしていました。

 

「勇者ゲイザー。天界で幹部の座に就く件は考えておいてくれましたか?」

 

「はい、随分と悩みましたが、漸く決心が付きました。私はもう一度、人間に転生したいのです」

 

「そうですか…。天界にいてくださればいつでもお話できたのですが、残念ですね」

 

「ところで質問なのですが転生先は指定できるのでしょうか?」

 

「ええ、転生先について望みがあるなら聞けますよ?」

 

「アウローラの子供に転生させてください。アウローラのそばにいたいのです」

 

「それは良い考えですね。あなたがそばにいれば、ルークが暴走するのを食い止められるかもしれません」

 

「転生すれば今残っている記憶も、全て消えてなくなるのですよね?」

 

「ええ、前世の記憶は全て消えます。ルシファーは辛い記憶が残っているようですが、前世の記憶は消えた方が幸せなんですよ…」

 

「そうですね。私の記憶も消してください。アウローラの子供として、一からやり直します」

 

…つづく


 
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