そこへ空から天使が舞い降りて来ました。
「ミカエルも来たか…。光属性に戻っている」
「勇者ゲイザーから神通力が届いたのです。カードの中にいましたが、封印を無理やり解除して出て来ました」
「やはりいつでもカードから出られたのだな?お前ほどの者が呪いもかけられてないカードから出られないわけがない…」
「カードの中だと感覚はないのですが、勇者ゲイザーの懐のぬくもりを感じる気がしたので、居心地は悪くなかったですよ?」
「カードの中に好き好んでいたがる奴がいるとはな…」
「ふふ、あなただっていつでもナターシャとの主従関係の契約は解除できるのにしないじゃないですか?」
「解除する必要がないからだ。結婚の契約の書類だって同じだろう?ただの紙切れだから、カードの拘束力より弱い」
「そうですね。勇者ゲイザーもおそらくは気づいていたのでしょう。カードを金庫ではなく、机の上に置いてくださってたので、余計な手間が省けました。脱出の際に金庫を破壊するとなると少し骨が折れますし…」
「お前なら造作もない事だろう?人間界の物質など破壊して再構築するなんて、一瞬で出来る癖に…」
「そんな事より…勇者ゲイザーの居所は掴めそうですか?」
「お前にも居所がわからないのか?」
「ええ、勇者ゲイザーは天界の監視対象から外されてしまってますので、下級天使が付いていなくて…。あなたのような危険人物なら監視対象から外されないのですけどね」
「もしかして僕も監視対象なのかな?見張られてるなんて嫌だなぁ…」
「ルークも監視対象になってますね…。アウローラは危険はないと見做されて監視対象から外されていて、今回はそれが仇となりましたね」
「むしろ僕よりローラの監視をして欲しかったよ?そしたらこんな事にならなかったんじゃないか!」
「おじさんのいる酒場は樽がたくさんある場所みたいね。店の前は袋小路になっていると言ってたわ」
「樽のたくさん置いてある袋小路を探してみるよ」
「私も一緒に行きます」
コウモリの翼のアークと天使の姿に戻ったミカエルは、上空高く舞い上がりました。
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第129話。