アークはルークに話しかける時のように、諭すような話し方に変えました。
「僕は息子のルークにいつもこう言うんだ。好きな子に相手にされなくても、好きな子が哀しむ事をしてはいけないってね。余計に嫌われてしまうからさ?僕をクビにしたらミッシェルはなんて言うかな…。冷静になって考えてみなさい」
「どうせ嫌われてるから、もうどうだって良いよ?お前がいなくなれば、母上だって昔みたいに優しくなるはずだ…」
「いつからあんな風になってしまったんだろうね」
「王宮に入ってから太りだしたって言ってた。ダイエットしだしてから母上はイライラしてるようだ」
「きっと栄養が足りていないんだな…。ちゃんと食べていればイライラしなくなる」
「お前が悪いんだ!母上はお前が相手にしてくれないからダイエットに必死になって…」
「容姿しか見ていない者ほど自分の容姿にこだわるからな…。僕は妻が太っても愛が冷める事はないんだ。リズ様が痩せたって相手にする気はないよ?」
「お前に何がわかるんだ!顔が良く産まれたから、お前はどうせ女で苦労した事なんてないんだろ?」
「僕が妻を堕とすのにどれだけ苦労したのか知らないようだな…。まあ息子のルークにしか話していないけどね。赤の他人に話せるような内容じゃないよ?」
「嘘をつけ!お前が本気で口説いたら女は誰でも簡単に堕ちるって父上も言ってた」
「顔のおかげで何も苦労してないと言われるのは一番嫌なんだけどね」
「僕だってもっと顔が良ければ…ミッシェルだって!」
「顔で堕とせると思ってる奴は自分も顔でしか相手を判断してない奴だけだよ?ミッシェルを顔以外でどこか判断しているのかな」
「僕はミッシェルの全てが好きなんだ…。顔だけじゃない!性格も好きだ。でもミッシェルは顔しか見てくれてない」
「顔しか見ていない女は性格が良いとは言えないよ?」
「うるさい!お前にミッシェルの何がわかるって言うんだよ?ミッシェルの事、何も知らない癖に…」
「その言葉はそっくりそのまま君に返すよ。君に僕の何がわかるんだ?何も知らない癖に…」
「ミッシェルは…ミッシェルは…本当に良い子なんだよ…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第87話。