ジュリーは今まで猫を被っていたようで、突然豹変して本性を現しました。
「あなたのパパ、ルーク君のパパと顔立ちが似てるのよ?黒髪で地味だから目立たないけど、私はメサイアのアークよりダーク派だわ。あのダンディーボイスで愛を囁かれたら、女はすぐに堕ちると思うけど、あれだけ甘いマスクで浮気してないわけないじゃない…」
「うーん、お父さんは浮気できるような人じゃないと思うんだけど…。お母さんは浮気を疑ってるみたい」
「私のママもパパの浮気をずっと疑ってたわ。パパは若返りの桃を食べて若返ってからモテまくってて、心配で仕方ないとぼやいてたもの」
「確かにジュリーのお父さんもイケメンだったよね…」
「ルーク君の一途さを見てて好きになっちゃった。あの顔なら他に女はいくらでも寄って来るのにローラ一筋なんだもん。妬けちゃうわぁ」
「イケメンと付き合うと女は不幸になっちゃうんだね。ルークと付き合ったら、ジュリーも不幸にならないのかな?」
「浮気が怖いからイケメンとだけは付き合わない!って決めてたんだけど、ルーク君なら大丈夫よ?」
「そっかぁ。ルークは悪いところないもんね」
「あんなに非の打ち所がないイケメンは初めて見たわ」
「ジュリーもやっぱりイケメンが好きなんだ?意外…」
「イケメン嫌いな人なんているの?」
「うん、あんまりいないと思う」
「ローラはイケメンに興味なさそうよね」
「あっ、わかる?全然、興味ない!」
「じゃあヴィッキーが気が付いたら慰めてあげてね?」
プレジダンがカウントを取り始めました。
「残り十五秒で休憩終了です。カウントを取ります。五・四・三・二」
ヴィッキーの指がピクッと動いて、起き上がろうとしています。
「気が付いたようだな…。ヴィクトール選手、試合を続行しますか?」
「も、もちろんだ…。まだ終わっていない…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第72話。