ヴィッキーはいきりたちました。
「ふざけるな!真剣勝負で八百長試合をするとは漢の恥だぞ?」
「手加減はしないって言ったろ?僕が勝ってしまわないようにせいぜい頑張れよ!」
「ルーク!頑張ってー」
ローラも手を挙げて応援しています。
「ほら?ローラも見てるから、僕もカッコ悪いところは見せたくないんだ」
「俺は…俺はジュリーに本気なんだ!お前が遊びで女と付き合って、一発やったら次々にポイ捨てしてるって、噂は知ってるんだぞ?」
「あっ…!それは誤解なんだけど?」
「ジュリーを弄んで捨てるなんて、俺は絶対に許さねぇ!」
尾ひれが付いて噂が一人歩きしている事を、ルークはすっかり忘れていましたが、ヴィッキーは噂を鵜呑みにしています。
「ジュリーとは本当に何もないんだ!」
「お前が女とやりまくってるってのは、前から噂で聞いて知っていたが、まさかジュリーにまで手を出すとは…。ボコボコにしてやるよ!」
「まだキスもしてない!ジュリーに聞いてみりゃわかるさ?僕は何もやってない…」
「ジュリーに聞けるわけないだろ?バカめ!」
怒涛の連撃で結界がダメージを受けて、ミシミシと音を立てています。
「物理攻撃を僕の最大ライフ分耐える結界だから、それが壊れるって事は僕は一回死んでるダメージだな」
「死ね!この女の敵め!!」
結界が破られてルークに向かって拳が飛んで来ました。すんでのところで躱しましたが、拳圧だけでも場外まで吹っ飛ばされてしまいます。
「ヴィクトール選手!先取ポイント獲得」
「あんな化け物にどうやって勝てと言うんだ?元マルヴェール国王のフォン様を超えてる強さなんじゃ…」
「三回戦まであるんだ。あと二回死ぬ気でかかってこい?」
「勝てる気はしないけど、一回くらい勝たないとカッコ付かないな…」
「カッコ付けるより中身を磨け!漢なら見た目より心意気だぞ?チャラチャラしやがって…」
…つづく
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
一応、新シリーズだけど本編の第3部・第69話。