ルークが男に戻って男子制服で登校すると、男子がまた取り囲みます。
「ルーク!男に戻ってる?ずっと女のままでいれば良かったのに…残念だ」
「やっと元に戻れたよ?残念だったな!」
「て言うかなんでお前、女の時と同じローズの香りのシャンプー使ってんだよ!男から良い匂いが漂ってくるとぶっちゃけキモいぞ?」
「家の風呂場にあるシャンプーだから、お父さんも使ってるけど?お母さんが買って来たやつだし…」
「ああ、この香りで毎晩妄想してたのに…。今日から何を楽しみに生きて行けば良いんだ?」
「他にいくらだって楽しみはあるだろ?」
体術訓練場に行くとあの先輩が寄って来ます。
「ルークお姉様…。男に戻ってしまわれたんですか?」
「君は僕が男になったら興味はなくなったんだろう?」
「いえ、ルーク君も嫌いじゃないですよ?美しい姿を眺めるのが好きなので!」
「君はローラとはちょっと違う気がするよ…」
ローラは真面目に打ち込みをしていましたが、先輩はすぐにサボろうとします。男子部員も建物の向かい側で同じような打ち込みをしていますが、女子より迫力がありました。フォンの息子が黙々と打ち込みをしているのを、ジュリーが熱い眼差しで見つめています。
「もしかしてヴィッキーに用があるの?ジュリー」
「私、強い男が好きなんだけど、ヴィッキーがルーク君と対決したところを見てみたいわー」
「ふーん、多分僕が負けると思うけど、ジュリーを賭けて試合する?って言ったら、ヴィッキーは本気出しそうだね」
ルークが果たし状をヴィッキーに書いて渡しました。試合に勝った方がジュリーと付き合うと書いてあります。ヴィッキーは果たし状を読んで鼻息を荒くしていました。
「俺がルークに勝ったら、ジュリーと…つ、付き合えるのか?」
「うん!マルヴェール闘技場をおじさんに頼んでレンタルしてもらうよ?」
「絶対にお前に勝つ!ジュリーは俺のものだ」
「本気でやってよ?僕が手加減してると思われたら困るから…」
「お前も本気で来い!手加減なんかしたら許さないぞ?男と男の真剣勝負だからな」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第67話。