ルークの説明は講義をしている教授よりわかりやすくて、教科書を読んでも理解できなかった事でも、ローラには理解できるようになりました。
「魔術の弱点は詠唱中に隙ができる事なんだ。剣はリーチが長いけど振りかざす時にモーションが大きいから魔術に弱くなる。その点、体術は懐に踏み込むスピードが速ければ、詠唱中に攻撃可能だよ?」
「スピードが大事なんだね。体術はストロングの方が大事なのかと思ってたわ」
「両方必要だよ。魔術は逆にスピードは必要ないから僕のスピードのステはかなり低い」
「魔術にはストロングも必要なさそうだけど」
「僕は魔剣士だからストロングもそこそこ鍛えてるよ。ただ剣士ほど重い武器は持てないね」
「魔剣士だったの?なんか強そう…」
「剣士ほど物理攻撃は強くないし、魔術師ほど魔法攻撃が強くないから、中途半端ではあるけどね。魔術に苦手な体術の相手には少しだけ有利になるよ」
「ルークお姉様の魔剣はカッコ良かったです」
「相手が弱かったから勝てただけだよ?」
「同時に五人の男を一気に薙ぎ払ってたお姿は見てるだけで痺れました!」
「電撃魔法が空気を伝わって痺れたんじゃないかな?」
「なんかビビビッときました!」
「それきっと感電したんだよ?」
ルークはローラと二人で話したいのに、この先輩に邪魔されてイライラしていました。かと言って廊下に結界を張って、ローラを袋小路へ連れて行くと嫌われてしまいます。
「僕はローラと二人だけで話がしたいんだ…」
「先輩とも話したら良いじゃない?」
「ううっ…女の子になってローラの気持ちが少しだけわかるようになって来たんだ」
「何がわかって来たって言うのよ?」
「好きでもない男にキスされたらすごく嫌なんだって事とか…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第50話。