ルークは自分のした事の愚かさに、やっと気づいたようでした。
「公演の後にファンとの交流があるだろう?あれを目的にしたチケットの争奪戦があるんだ」
「でも僕、ファンとはあまりちゃんと交流してないから大丈夫じゃないかな?」
「ハグくらいはサービスでしてやった方がリピーターになってくれるんだけどね。ナタの機嫌が悪くなるから、僕もファンサービスはやめてしまったよ」
「それがアイドルをやめた本当の理由なの?」
「議員の仕事が忙しくてやってる暇がない…」
「議員の仕事ってそんなに忙しいんだ?」
「議長になればラクになるかと思ってトーナメント戦で優勝してみたが、余計に忙しくなってナタとデートする暇もないから、四年後のトーナメント戦は辞退したよ?」
「お父さんがトーナメント戦に出なくなったのは、強すぎてオッズが下がるからって噂聞いてたんだけど、そんな理由だったの?」
「ゲイザーが女王補佐官より良い役職の話を、全て蹴ってるのも似たような理由だよ?テオドール国王よりも上の地位である、大司教の地位も蹴ったからな」
「地位が高くなれば、お金がたくさんもらえるのにどうして?」
「給料が高いのはそれ相応の代償が伴うからだよ?僕だって第一級魔術師連盟の総帥の話が来ていたが蹴った」
「僕なら総帥になっちゃうと思うなぁ。給料が高そう」
「面倒な事が起きたら全て僕に丸投げする為だろう。三億もらったって割に合わない…」
ナタが帰って来たので、ルークに俳優を辞めさせる件について話し合いました。
「公演を中止にするなんてダメよ?」
「どうしてダメなんだ?この台本を読んでも同じ事が言えるのか!未成年者にやらせる内容とは思えない」
「今日だってアカデミーに呼び出される前までは美容室で仕事してたんだけど、明日の公演の為に気合い入れてオシャレしてる子もいたの」
「そんなのルークには関係ないじゃないか?」
「関係あるわよ!俳優は夢を売る仕事なの。夢を壊したらダメに決まってるでしょ」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第39話。