ローラが立ち去ろうとすると、ルークは手を掴んで離しませんでした。
「離してって言ってるでしょ!本当に嫌いになりそうだわ」
「最後に聞かせて…。ローラの好きな人の名前を」
「それを聞いたら付き纏うのやめてくれる?」
「誰なのかわからなくてモヤモヤしてるんだ。もし誰なのかわかったら、そいつと仲良くしてローラに好かれる秘訣を探るよ」
「私が好きなのはジュリーよ?」
「えっ…?ジュリーって女の子だよね…」
「そうよ?私は女の子が好きなの!」
「ちょ、ちょっと待って!どう言う事?」
「わからないの?私はレズビアンなの!」
「嘘だよね?そんなの信じない…。きっと僕を傷付けずにフル為に考えた嘘なんだ」
「嘘じゃないわ。前からずっと男子なんか全然興味なくて、女子と一緒にいる方がドキドキしてたの。ジュリーと一緒にお風呂に入っててもドキドキしたわ」
「それって…僕がローラとお風呂に入ってるのと同じ感覚になるって事?」
「多分そうじゃない?でも私は男子みたいにエッチな事考えたりしてないけど」
ローラが去って行った後にルークは頭を抱えていました。ライバルが女性だとは思っていなかったからです。とりあえず図書館に行くと、性転換魔法について調べまくっています。しかしかなり難易度の高い魔法でした。
「難しい…。でも僕が女の子に変身すれば、ローラに好きになってもらえるかもしれない…」
ユリアーノの塔に行くと、ユリアーノの死後、結界がなくなっており、塔の中は荒らされていました。使い魔も術者が死亡したら、自由の身になるからです。
「確か隠し書庫に貴重な魔導書が、たくさんあったはずだけど、無事に残ってるかな?」
塔の中は盗賊に荒らされていましたが、金目の物だけ持ち去った形跡はあったのですが、魔導書の隠し扉は開けられた形跡もなく、本棚には埃が溜まっていました。
「良かった…。これ魔法屋に売ったら何億にもなると思うけど、盗賊は知らないんだな」
禁書と呼ばれる発禁の魔導書もたくさん遺されており、遺言書にも『魔導書は全て弟子のナターシャに譲る』と記されていて、鍵はナタが持っていたのです。
「性転換魔法のやり方が詳しく載ってる魔導書はと…」
背表紙を見ながら探して何冊か手に取って読んでみると、気になる記述を見つけました。
「惚れ薬の作り方だ!これさえあれば…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第30話。