アークは大きな溜息をつきながら言いました。
「と言うかお前は剣士向きのステではないぞ?なぜ剣士をやっていたんだ」
「父上に騎士団に入れと言われて仕方なく…」
「インテリとラックが高いからな、どちらかと言うと魔術師向きなのに、無理して剣術をやっていたから、才能が伸びなかっただけだ」
「魔術師に憧れた事もありましたが、まさか自分に魔術師の素質があったとは知りませんでした」
「親のエゴでやりたくない事をやっていて、才能を潰されたとはもったいない」
「私の子供にはやりたい事をやらせようと思っています。剣術がやりたくないなら無理強いするつもりはありません」
「僕の子供もそう言う風に育てるつもりだが、僕には甘やかし過ぎてしまう癖があるからゲイザーの子育てを見て参考にさせてもらうよ?」
フラウとナタは同じ日に産気づきました。一緒に大きな病院へ連れて行きます。先にナタの子供が産まれました。看護師が赤ん坊を抱き抱えてアークのそばにやって来ます。
「ルシファー様、おめでとうございます!元気な男の子ですよー?どうぞ抱いてあげてください」
「男の子か…。娘の方が良かったのにな」
フラウは難産だったようで時間がかかっています。ゲイザーがフラウの手を握って励ましていました。
「痛い…!苦しい…!もう死ぬ…!」
「ううっ…!私がフラウと代わってやりたい」
壮絶な苦痛と戦っているフラウを、ただ見ている事しか出来ないゲイザーは、この場を逃げ出したいのを堪えていました。
「ゲイザー様、おめでとうございます!可愛い女の子ですよー?でも今は抱くのはやめておきましょうか…。赤ちゃんの状態があまり良くないですので」
「わかりました。少し大きくなってから抱けるのを楽しみにしておきます」
フラウの産んだ赤ん坊はガラス張りの小さなベッドで、特殊な魔法治療を受けています。ゲイザーはフラウの寝かされているベッドのそばに行きました。
「私の赤ちゃん…どうだった?」
「大丈夫、今は別のところにいるけど、特殊な魔法治療を受けてるそうだ」
「助からなかったらどうしよう…?」
「必ず助かるよ?だから心配せずに、今はゆっくり休んでください…」
「せっかく苦労して授かったのに…怖い」
聖ビーストテイマー・ナタへ、つづく…。
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パラレルワールド最終話。繋ぎ方が下手ですいません。