ルークは護身用のフルーレを腰から引き抜きました。フルーレは電撃をパチパチと発しています。
「前の結界じゃとわしにも突破は難しいのぉ」
「僕は魔剣士なので前の結界は破れそうになかったけど、この結界なら簡単に破れそうです」
「わしは剣は苦手でな。わしには破れそうにないわい」
「へぇ、ユリアーノ様でも苦手な物があるんですね?」
ルークはテントの結界を破って、棚のガラスの結界もあっさり破りました。
「このガラスの結界は物理攻撃に強くて魔法攻撃に弱い結界じゃな。確か図書館の資料室にある結界もこれと同じ結界じゃったよ」
「重力魔法で壊しました。簡単ですよ?」
「お主は結界を破る事に関してスペシャリストなのかな?」
「攻撃魔法があまり好きではなかったので、それ以外で特性のあった魔法ばかりを取得してたら、こんな風になりました」
「結界は本来は敵の攻撃から身を守る為に使う物じゃからのぉ。お主の父親は殺戮を繰り返す為に使っておったが…」
「父のようにはなるな!と母からキツく言われて育ってますので、僕はそうなりませんよ?」
「うむ、今のお主なら心配はないとわしも思っておるよ?」
棚のビーストカードを搔き集めるとテントの外に出てルークは他の魔物たちを召喚しました。
「皆さん遠くへ逃げてください」
「この子はあのビーストテイマーと同じ匂いがするな」
「もしかして僕の母のナターシャの匂いでしょうか?」
「ナターシャには感謝している。あのネズミも言っておったが、あんなに心の綺麗なビーストテイマーは今まで見た事がない」
「ビーストテイマーって自分は戦わずに魔物に頼ってる癖に、自分は強いと勘違いしてる奴が多いですからね」
「この恩は忘れないと伝えてくれ…」
「おい、待てよ?なんで俺たちが逃げなきゃなんねぇんだ」
「逃げないとまたカードに封印されてしまうかもしれんだろ?」
…つづく
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どうしても書きたくて書いた裏の続き、第62話。