ミッシェルに案内されて家まで来ました。集合住宅の一室までやって来て、合鍵でミッシェルがドアを開けると、母親が出迎えてくれます。
「いらっしゃい、サルバドール君。お久しぶりね」
「お久しぶりです!おばさん、相変わらず美味しそうな髪型をしてますねー?」
「あら?美味しそうってどう言う意味かしら」
「キノコみたいな髪型だから!」
母親は苦笑いしていました。ご婦人がよくしているお団子ヘアがキノコみたいに見えたようです。
「この子は…もしかして前に言ってたルーク君じゃないでしょうね?」
「よくわかりましたね」
「顔がアークにそっくりだわ。でもミッシェルが食事をご馳走になったと聞いたから、てっきり大人の男性を想像してたのよ」
「えっと…それはその…私の説明が悪かったのよね?」
「このお姉さんにお願いして大事な資料を見せてもらったんだけど、お姉さんが館長さんに怒られちゃったから、お詫びにお小遣いでお姉さんにケーキを食べさせてあげようと思って…」
「まあ、よく出来たお子さんなのね」
「うん、でもこんな小さな子に奢らせるなんて悪かったわ。あとでお金はお返しするわね?」
「いえ、僕の気持ちなのであれは奢らせてください。祖父に怒られますし」
「お祖父様の躾が厳しいみたいね。こんな小さな子なら反乱軍の密偵ではなさそう」
「反乱軍の密偵って?」
「クーデターを起こそうと考えてるみたいよ?その為にアーク様の情報を集めてたらしいわ」
「そんな情報は初耳です。ありがとうございます。義母のフラウ・マルヴェールに伝えておきますね」
「この子、まだアカデミーに入る前のお子さんに見えるのだけど、しっかりしてるわね」
「僕がここに来たのはお父さんの事を知りたくて、ルシファーの…アークの情報をなんでも良いから教えてください」
…つづく
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
どうしても書きたくて書いた裏の続き、第19話。