巨人は人間よりも寿命が長いので、ハーフエルフのアプリィよりも長生き出来ます。
「アプリィ、今日も良い天気だな。一緒に散歩に行くか?」
「ええ、アレクス。誘ってくれてありがとう」
アレクスはアプリィをてのひらの上に乗せて肩の上に座らせると森の中を散策しました。
「あの樹が小人の国なのよ」
「あそこに小人が住んでたんだな。知らなかったよ?」
「私もショーンに逢うまで知らなかったの…」
「俺はこの森の事ならなんでも知ってる気になってたけど知らない事がたくさんあるんだな」
「大きな巨人には見えない物が、小人には見えていたのかもしれないわね」
「アプリィは俺より小さいけど、俺より物知りだからなぁ」
「私の知らない事をアレクスが知ってて、私はたくさん学んでいるわ」
「アプリィと話してると俺、賢くなった気がするんだよ?」
「私もあなたのおかげで賢くなれてるわ」
「ショーンも賢い奴だったな…」
「ええ、ショーンは私よりずっと賢い人だったわ」
「俺もショーンがいなくなって悲しくなってきた」
「死んでしまった時に誰にも泣いてもらえないのが一番悲しい事なのかもしれないわね」
「あのばあさんはアプリィや俺が悲しんでるって知ったら喜ぶかな?」
「きっとおばあさんも喜んでるわね」
「悲しいのに喜ぶって不思議だけど、喜んでるのなら悲しむのも良かったのかもしれないな」
おしまい
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昔、初投稿して落選した黒歴史の作品、最終話。