ジンを取り抑えていた盗賊が立ち上がって、リーダー格の男に言いました。
「もう我慢できねぇ!兄貴、そろそろオレと変わってくれよ?」
「今、良いところなんだ!邪魔するな。こう言うのを名器って言うのか?タマらねぇ…」
ルリはもう涙も枯れて無表情のままで、ただ終わるのを待っていました。抑えていた盗賊が離れて自由になったと言うのに、ジンには立ち上がる気力も起きません。
「俺があの時、助けとようともせずに見てた事をルリは恨んでるんだろ?」
「別に恨んでなんかないわよ?あんたが余計な事したら私もあんたも殺されてたし、大人しくしててくれてホッとしたわ」
「俺は女じゃないからレイプされてる時の気持ちはわかんないけど、俺が女なら死ぬよりも嫌だ」
「私だって嫌だけどしょうがないじゃない?それともあんた、もう私とはそう言う事したくないって思ってんの?穢れてしまったから」
「そんな事、思ってねぇよ!お前はクレスとやってるって噂立ってたし…」
「クレス先生はあんたらとは違うのよ?やる事しか考えてないから、あの盗賊と頭ん中は同じね」
「同じじゃねぇよ!俺は無理やり犯したりしない」
「私、もう吹っ切れたの…。全部やる事が片付いたら、女医の勉強の為にセルフィーユの魔法科に通うわ」
「俺も卒業後はセルフィーユに行くつもりだったから、あっちで会ったら仲良くしようぜ?」
「多分あんたしか知り合いはいないだろうし、あっちではよろしくね」
「一年遅くなるから、その間に変な虫が付かないか心配だよ?」
「あんたがその変な虫なんでしょ?自覚がないのね!」
「俺は女から誘われてもやってねぇし!」
「なんでやらないの?あんたの事、好きって言う子なら知ってるから紹介するわよ」
「俺には好きな女がいるんだよ」
「あんた顔は悪くないんだから、性格さえ直せばもっとモテるわよ?」
…つづく
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昔、知り合いが某少年漫画に持ち込みして、編集の人にこき下ろされまくった作者の原作の小説。復刻版の第17話です。