アークは寝室のドアを何度も叩きましたが、ナタはドアを開けてくれませんでした。仕方なくドアの前でナタに話しかけています。
「ここを開けてくれ!ナタ」
「アーク様、ごめんなさい…。私のせいでナタちゃんを怒らせてしまって」
「ファンとハグしてるところなんて何度も見てただろう?なぜ今更怒るんだ…」
「ナタちゃん、ごめんね。許して…」
「別に怒ってなんかいないわよ?キスしたいならお好きにどうぞって言ってるの!」
「キスなんかするわけないだろう?」
いくら話しかけてもナタが返事をしないので、諦めてソファーに腰掛けて頭を抱えています。
「本当にすみません…。私のせいでアーク様がナタちゃんに叱られてしまって」
「謝らないでくれ。僕が全て悪いんだ…」
「いいえ、アーク様は悪くありません!」
「僕はナタを笑わせてあげたいのに泣かせてばかりいる。好きでもない女なら笑わせてやれるのに…」
「ナタちゃん私にはいつも笑いながら話してくれてますよ。アーク様の話や死んでしまったゲイザー様と言う人の話を…」
「僕は死人に勝てないんだ。死んでもゲイザーは僕よりナタに愛されている…」
「アーク様がゲイザー様に似てるって他のファンの子たちも言ってました」
「まだダメなんだ。完全にゲイザーをコピーしなければナタの愛は得られそうにない…」
翌日、アークが朝食を作っているとソファーで寝ていたサニーが目を醒ましました。風邪をひかないように毛布がかけてあります。
「体が冷えてるかもしれない。レモネードを作ったから飲んで…。体があったまるよ?」
「ありがとうございます!」
「ナタもレモネードが大好物なんだ」
「良いなぁ、ナタちゃん。いつもこんな風にアーク様から大事にされてて」
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第98話。