フラウは驚いたようにナタに聞き返しました。
「えっ?アークが魔王ってどう言う事…。説明してちょうだい!ナターシャちゃん」
「うーん、なんかね。最近、アークから魔王の波動が出てる時があって…」
「やっぱりあいつは悪い奴だったの?ママの事は助けてくれたけど、レジスタンスのおじさんたちは命乞いしてるのに、みんな殺されちゃったし…」
「あれってアークの仕業だったの?謎の怪事件って雑誌にもよく特集が組まれてるみたいだけど、全員心臓を一突きで串刺しにされて即死だったみたいよ?しかも凶器と思われるものがどこにも見当たらなくて、迷宮入りしてるらしいわ」
「多分、獣人の王様が部下の不祥事を揉み消したんじゃない?アークがやったってバレたら、人間たちが怖がるから…。大人はそう言うのよくやるよー」
「僕見てたから知ってるー。素手で心臓を掴んで倒してた」
「素手って…。かなり鋭利な刃物であると推定されていたはずだけど…。あれだけの人数を斬った後じゃ刃こぼれしてるから、研磨師のところに現れるって騎士団が張り込みしてるっぽくて…。あっ!これは機密情報だから内緒ね?」
「アークを怒らせるとヤバイって事だけはわかったわ」
「僕もあれくらい強くなりたいなぁ」
「ところでおばさまは副業してるって聞いたんだけど、何かヤバイ事に手を染めたりしてないよね?」
「ええ、ちゃんと合法よ?薬剤師のアルバイトしてただけ」
「なんだ、そっちかー。私はてっきりバニーガールでもやってるのかと…」
「ふふ、その方が儲かるからやってみようかしら?うさ耳も可愛いわよね」
「前におじさんがうさ耳は男のロマンだって言ってたよ?」
「えっ!そんな情報、ゲイザー様が生きてる時に知りたかったわ。ゲイザー様はうさ耳が好きだったなんて…」
「まさかおじさんの為にうさ耳付けてあげるつもりなの?」
「どうしましょう…。うさ耳がものすごく付けたくなってきちゃった」
「別にうさ耳は良いと思うんだけど、お客さんにお尻撫でられたりしたら、おばさまは回し蹴りでノックアウトしちゃいそうだわ」
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第81話。