ゲイザーは犬語で話すジョルジュの昔話を聞いていました。
「すみません…!先程は父上に本当の事を言えず、嘘をついてしまいました…」
「構わん。オレには嫌われ者の気持ちがよくわかる。オレしかあの男を慰めてやれんからな」
「ジョルジュは父上の悩みを聞いてずっと励ましてくださっていたのですね。ありがとうございます」
「あれはオレが初めて人間の街に行った時の事だ…。ナタはまだ五歳だった。ユリアーノはオレを番犬の代わりにビーストカードに封印してナタに持たせていたのだが」
「まさかナターシャは人間の街で…ジョルジュを召喚してしまったのですか?」
「うむ、話すと長くなるが聞いてくれるか?」
「今日は休みなので、お付き合いしますよ?」
アラヴェスタの公園の砂場で五歳のナタは遊んでいました。
「一緒に遊ぼ!」
「うん!何して遊ぶ?」
ナタは人間の子供達とアスレチックが出来る遊具に登って遊びました。
「良い眺めー!」
「あのね、名犬・ジャッキーって知ってる?」
「名犬・ジャッキー?」
「すごく頭の良い犬なんだよー。演劇で観たんだ」
「ナタも犬飼ってるよ」
「ナタちゃんの犬は雑種?」
「うーん、雑種なのかな?」
「血統書付きの犬の方が賢いって、ママが言ってた!」
「血統書付きの犬じゃないと賢くないの?ナタの犬は血統書付きじゃないかも」
「雑種はダメだよー。血統書付きじゃないと」
「うーん、でもジョルジュはめっちゃ賢いよ」
「ジョルジュって言う犬なんだ?ナタちゃんの家の犬、見てみたいなぁ!」
「ジョルジュ、見せてあげようか?」
ナタはビーストカードをポケットから取り出して、ジョルジュを召喚しました。
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第112話です。