ナタがレッドドラゴンを召喚すると、アークが先導して妖精界へ向かいました。山一つ分はあろうかと言う巨大な樹が突然、目の前に現れます。
「あれが妖精界です。あの巨大な樹自体が妖精の国になります。頂上に妖精の王がおられますので、ご挨拶に上がりましょう」
「すっごくおっきな樹だね。あれが金のリンゴの樹なの?」
「いえ、あれは世界樹と呼ばれる不老不死の妙薬の材料にも使われると言う世界樹の葉の芽吹く樹ですよ」
「世界樹の葉って永遠の命の魔法関連の素材だね。確かあとは妖精の粉が必要だったかなぁ」
「あの樹は人間の目には見えないように隠されています。先ほどその結界を少し開きました」
「なるほど、簡単に入れたように見えましたがアーク殿がいなければ見つける事さえ困難だったのですね」
樹の真上にレッドドラゴンが到着すると、武装した妖精たちが大勢現れました。
「怪しい奴らだな!何をしに来た?」
「妖精の国の王にご挨拶に上がりました。御目通りをお願い致します」
「お前は天使族か?それに龍族の長まで…。なぜ人間と一緒にいる?」
「こちらにおられるのは勇者ゲイザー様と、ビーストテイマーのナターシャ様です」
「勇者ゲイザー?聞いた事ない名前だな」
「十年前に世界を救われた勇者なので、まだ名前を知らない方も多いかもしれませんね」
「うーん、妖精界まで知られてないって事は別に大したことしてないんだろ?」
「確かに大したことはしていませんね…」
「とにかく国王様にお伝えください。勇者ゲイザー御一行様が参った、と」
「うーん、国王様は人間がお嫌いだからなぁ」
「ふむ、いかがいたしましょう?ゲイザー様」
「国王様はなぜ人間がお嫌いなのですか?理由があればお聞かせ願いたいです」
「昔は仲良くしてたんだ。でも人間が長寿の薬を作る為に妖精を捕らえまくったから…」
「昔は仲良くしていた…と言う事は、嫌いになる以前は人間の事が好きだったと言う事でしょうか?」
「ん?お前、何言ってるんだ…。妖精が人間なんか好きなわけないだろ!」
…つづく
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第43話です。