No.975400

新ビーストテイマー・ナタ34

リュートさん

書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第34話です。

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2018-12-02 05:44:54 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:69   閲覧ユーザー数:69

ゲイザーは眠気覚ましの紅茶を飲みながら言いました。

 

「話すと長くなるのでしょうか。朝まで付き合いますよ?」

 

「二千年前、私はミカエル様と同じセラフィムの地位に就いていました。神の次に偉い地位です」

 

「セラフィム?」

 

「はい、六枚の翼を持つ天界のヒエラルキーの上から二番目がセラフィムです」

 

「と言うことは…アーク殿は私より遥かに地位が上、と言うことになるのでしょうか?」

 

「いえ、現在の私の地位はアークエンジェル、天界のヒエラルキーの下から二番目です。ゲイザー様は勇者なので私より地位は上であられます」

 

「なんとなくですがアーク殿からは高貴な者の持つオーラのようなものを感じていましたが、今の話を聞いて納得しました。今後、私のことはゲイザー様ではなくゲイザーと呼び捨てにしてください」

 

「ナターシャ様にも呼び捨てにして欲しいと言われたのですが、私は私の意思でナターシャ様の使い魔になりましたので、呼び捨てにすることなどできないのです」

 

「ずっと違和感を抱いていたのです。なぜアーク殿は人間である私に対して目上の人のように接するのかが…」

 

「私はナターシャ様の前世であるリリスを不幸にしてしまいました。私のせいでリリスは足を切断されて天界を追放された。あとで知ったことですが、天界ではいじめを受けていたようです」

 

「足を切り落とすとは…随分と酷い仕打ちをしますね」

 

「私はゲイザー様の前世であるアダムに嫉妬していました。私の愛するリリスから愛されていたからです」

 

「えっ…私とナターシャは前世で夫婦だったのですか?意外ですね…」

 

「ええ、でも私が別れるように仕向けました。あの時見ていた小鳥がアダムの密偵なのはわかっていたのに、私はリリスにあんなことを…」

 

「浮気調査のようなものでしょうか?しかし小鳥が密偵だと私なら気付きませんね」

 

「私がリリスを誘惑したことは密偵もわかっていたと思います。でもなぜかリリスが私を誘惑したと、嘘の密告をしたようでした」

 

「ふむ、地位の高いセラフィムのゴシップはまずいので、地位の低いリリスになすりつけたわけか…」

 

「話を現在に戻しますが、ナターシャ様とお付き合いを始めてから、ナターシャ様のお部屋の掃除をしていると、ゴミ箱の中にくしゃくしゃに丸められた手紙を見つけました。開けて見るとナターシャ様の悪口が書かれていたのです」

 

「悪質なファンの仕業でしょう」

 

「目も当てられないような罵詈雑言の数々でナターシャ様を罵ってありました。なぜ私ではなくナターシャ様が傷付けられたのでしょうか?私にはわかりません…」

 

…つづく


 
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