No.97062

真剣で私に恋しなさい! ラストルートアフターIFストーリー中編『あの女が武器を構えた!?』

MiTiさん

え~、連休最終日。その深夜に投稿です。
本当ならもっと投稿したかったのに…
ネタ張を紛失してしまうと言う失態を犯してしまい実現できなかった…OTZ
とにかく、これだけでも!と言う思い出完成させました。

2009-09-24 01:12:47 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:24378   閲覧ユーザー数:21002

「…………………」(×8

 

川神学園グラウンド。そこには8人の美女達が己の獲物を持って互いににらみ合っていた。

 

グラウンドに立つ全員が、誰もが美女であると評するほどの美貌であり、

 

そんな彼女達が一箇所に集まるのであればかなり注目を浴びる。

 

だが、彼女達を見て皆固まってしまった…

 

その相手を貫かんばかりの眼光に、一般人であっても分るほどにあふれ出している闘気に…

 

そんな中でも平然としている人物、川神学園学園長が、

 

8人から少し離れた所にある朝礼用の壇上への階段を上っていく。

 

「ゥオッホン!え~…これより、『恋する乙女の大乱闘』を始めるぞい」

 

いつもらなば盛り上がりはしゃぐ生徒達も、闘気に当てられて口を開くことが出来ていない。

 

「ルールは簡単じゃ。ここにいる8人全員で戦い合い、最後までたっていたものが勝者じゃ。

 ダウンの場合10数える間に復帰すればセーフ。出来なければ脱落。

 武器は刃・鏃を潰してあればなんでもよし。制限時間はなし

 まぁ、こんなところじゃろ」

 

気軽に言ってのけるが、ルールを聞いていた観客は驚愕した。

制限時間なし=誰か一人が残るまでやれ…

聞いたものが皆こう解釈した。間違ってはいないのだが…

 

一方当事者たる8人はこれを聞いて…更にやる気を出していた…

全員が武器を構えて、更に闘気があふれ出し、僅かに殺気のようなものまで上乗せされる。

それを感じ取りながら、学園長は不適に笑いながら宣言する。

 

「では…乱闘、開始!!」

 

今ここに、学園最強の名を決める、一人の男を賭けた戦いが始まった…

 

 

何故こんな状況になったのか?

 

直江大和は簀巻きにされ賞品というプラカードを下げられた状態で思い出していた…

 

 

 

数十分前…

 

「それじゃぁ大和君、よろしくね~」

 

そう言いながらしな垂れかかってこようとする辰子だが、それを阻む者達がいた。

 

「おーっと辰子、おまえは大和に半径1m以内に近づくことを禁止するぞー」

 

辰子と大和の間に入ってきたのは百代だ。ちなみに、付き添いを買って出たのはこれが主目的だったりする。

 

「え~…百(もも)姉ずる~い…私だって大和君と仲良くしたいのに~」

 

「そんなことが許されるか!大和を拉致監禁していたときに何をしていたのか、それ思い出したら信用できるわけが無い」

 

かなりの形相で百代の後ろに京が立って、片手で辰子を指差し、もう片方で大和の頭を胸に抱えながら言う。

 

周囲の男子はこの光景を見て大和に向けて羨望と嫉妬の視線を向ける。

男女両方とも、彼女が板垣であることに引いていることはなくなっていた。

これはある意味良かったかな?などと大和はちょっと思っていた。

だが、そこで安心できるほど人生甘くはなかった…

 

「そうよそうよ!一緒にご飯を食べてるまでは良かったけどその後からが問題あるのよ!!」

 

「ああ。『無事だ仲良くしている』という文を読んで安心したいなのに、

 添付していた写真を見てみたら…あ、あああああんなは、破廉恥な///」

 

無邪気でマスコットな一子やお嬢で純情なクリスまでもが百代や京の言うことに賛同する。

そんな様子を見てクラス全員が同じことを考えた…『一体どんなことを!?』

流石に空気が悪くなってきたのを感じ取って大和は止めようとするが、胸に埋められて口が開けずにいる。

 

「ああ。耳を甘噛とかは百先輩がやってるから慣れてはいたがな」

 

「うん。口周りのゴハン粒をなめ取るとか京でもめったにしたことなかったしね」

 

「乳首をなめてることなんかなかったしな」

 

風間ファミリー男組みも、ただ女組みの言うことに賛同して例を挙げるのだが、

それは大和を地獄に一歩近づける行為であった。

クラスの男子の視線が一層強くなり殺気までもが…

 

流石にこの場にいては自分のみが危険だと判断した大和はこの場から即時逃亡を考える。

 

「ふが~ふがふが(あ~京?)」

 

「あ…や、大和/// そんなところで話さないで、か、感じちゃう///」

 

「…っぷは!お前が放してくれなかったんだろ…まぁいいや。俺ちょっと保健室行きたいんだが?」

 

「ん、保健室?どっか痛むのか?」

 

「ああ。さっきの梅先生の鞭がな…なんだか今頃になって痛み出してきたんだ」

 

「ああ、なるほど。あの技は後から痛み出してくる奴だったからな。

 距離感がずれたせいで痛み出すタイミングも違ってきたんだろう」

 

そんな攻撃の囮にさせるな、と反論したかったが、今はこの教室を脱出するのが先と思いだす。

 

「それじゃぁ、行ってくるよ」

 

「ああ。辰子のことは私達に任せろ」

 

百代の言葉に頷いて大和は教室を後にする。

 

 

「あ~…改めてみてみると叩かれた所真っ赤になってるよ」

 

ボタンを外して鞭が当たった所を見てみると、何かで叩かれた様に(実際叩かれたが)赤くなっていた。

改めて自身の担任の強さを見た大和は、その百代も認める強さに感心しながら保健室の扉を開ける。

 

 

ガラガラガラ

 

「はぁい、いらっしゃぁい」

 

ガラガラガラ、パタン…

 

 

開いた途端、保健室にいた人物を見て反射的に扉を閉めてしまった…

 

「(ど、どういうことだ?何故に…何故に亜巳さんが白衣を着て保健室に!?)」

 

余りにも予想外の人物に驚き混乱する。

だが、考えてみれば、次女である辰子がいるのならば、他の二人がいてもおかしくないのか?

そう考えて一度深呼吸してから、再度保健室の扉を開けにかかる。

 

 

ガラガラガラ

 

「よう!久しぶりだな、坊主」

 

ガラ、ピシャ!!

 

 

信じられない、と言うか信じたくない光景を目の当たりにして、思わず腰の捻りを加えて思いっきり閉めてしまった。

だが、強すぎたために反動で少しだけ扉が開いてしまった。

慌ててちゃんと閉めようとするが、その隙間に4本の太い指が差し出されて出来なかった。

閉めようとする力をものともせず、4本の指の主は扉を開け放つ。

 

「おいおい、人の顔見るなりいきなりそれはないだろ」

 

扉から頭だけを出して、その常にニヤリとした口の表情をしている釈迦堂刑部の顔面が目の前にあった。

 

「な、なんであんたがここに?」

 

「あぁ、聞いてないねぇのか?俺も今年から体育の教師として赴任したからな」

 

驚愕の事実…その言葉はとてもあの事件に賛同し協力していた者と同じとは思えないものだった。

 

「じぃさんの命令でな…まぁ、川神院に戻ってから俺達も丸くなったんだ。

 今更悪ぃことをやろうなんて考えは無いから安心しな」

 

「…ああ。って俺達って、もしかして…」

 

「おう。タツは坊主と同じクラスなんだってな。そんでもって亜巳は年齢的にな…保険医ってことで」

 

「……医術の心得があったのか?」

 

「ああ、何でも女王やってる時にいろいろと覚えたらしいな。その技術を川神院に入って更に伸ばしたのな」

 

「そうなんだ…」

 

「ま、こんなところでくっちゃべってるのもなんだ。見たところ怪我かなんかしたから来たんだろ」

 

「ああ…」

 

「だったらこんな所で突っ立ってないでさっさと入んな」

 

「ソッチの用事は終わったのか?」

 

「おう、俺は単なる様子見できただけだからな。そんじゃまたな」

 

言いながら釈迦堂は去っていく。

予想外のことで気にならなかった傷みが今になって痛み出したので、しぶしぶと保健室に入っていく。

 

 

「久しぶりだね、直江大和」

 

「…ああ。SM女王はもう卒業したのか?」

 

「まぁね、川神院に保護してもらってから私等も変わったのさ」

 

「みたいだね」

 

「さて、そんなことはいいから傷を見せな」

 

「まぁ、そんな対したこともないんだk「いいから見せる」…ハイ」

 

少々きつめで命令されてしまったが、一応保険医としてちゃんと処置しようとしてるので素直に従う。

制服を脱ぎ、シャツも脱ぎ、上半身を見せる。

 

「全く…学校が始まって早々怪我をするなんざ、何をやってるんだか」

 

「…放っておいてくれ」

 

「まぁ、私にはどうだっていいけどね」

 

言いながらも、鞭に打たれただけの傷にしてはちょっと大げさなんじゃないかって感じの処置を施される。

曰く「こういう傷は初期措置によって後に残るか残らないかが変わる」そうだ。

取りあえず、その言葉を信じておとなしく受けることにする。んだが…

なんというか…手当てをする亜巳の様子がなんだかおかしくなってきた…

頬が若干赤くなり、呼吸も僅かにだが荒くなっている。

 

「あ、あの~…亜巳さん?」

 

「…それにしても、改めて見ると中々いい体しているじゃないか///」

 

「え、えええ?」

 

「その体にこんな赤い跡…なんだか昔を思い出してきちまうねぇ///」

 

「え、SM女王は卒業したんじゃないのか!?」

 

「ああ、それとは別…じゃないかもね。何というか、この赤い痣を見てるとなんだか疼いてきちゃってね///」

 

「ひぃっ!?」

 

痣を撫で回しながら迫ってくる亜巳に、若干どきどきしながらも、これ以上ここにいたらやばいと感じ、

大和は即座においてあった服をひったくって、着衣しながら出ようとする。

シャツを着て、制服に袖を通しながら扉を開けようとする。

その間も、亜巳は大和に密着しながら服の中に手を突っ込んで弄ってくる。

その感触にどぎまぎするも何とか扉までたどり着く、が…大和が扉に触れる前に勝手に開かれる。

 

「亜巳姉ー。遊びに来たz…おお!大和じゃんか!?」

 

開いた扉の向かい側には板垣天使がいた。

 

 

時間は少々さかのぼって、2年C組…

 

「本日転校し、このクラスの一員となりました板垣天使(エンジェル)さんです」

 

「よっろしく!え~エンジェルって名前にはノンタッチで…気にしてるからな…」

 

板垣の名に皆が驚く中、周りの様子を気にせずコンプレックスについて注意をしている。

全員が呆然とする中、いち早く立ち直った黛由紀江が話しかける。

 

「あの~、それでは何とお呼びしたらいいですか?」

 

「あん?おお、まゆっちじゃんか!ん~っと、ウチのことは天って呼んでくれりゃいいぜ」

 

「わかりました天さん」

 

「あの~、まゆっち、なんだか親しそうだけど天ちゃんのこと知ってるの?」

 

「はいイヨちゃん。天さんは川神院に入ってからは時々一緒に鍛錬試合もしてましたから」

 

「そうなんだ~」

 

二人の会話を聞いて板垣という苗字に対する恐怖も払拭されていった。

川神院で保護されてからこの場に立っているということは、ちゃんと更正されたのだろうと考えた。

 

「ふむ。なにやら親しげな様子…それでは黛さん、板垣さんのことをお願いしていいですか?」

 

「はい、分りました」

 

その後は2-Fと同様のやり取りが行われ、やがてHRが終わり各自自由となる。

 

「それじゃぁ天さん、学校を案内します」

 

「ああ、よろしく頼むぜ~」

 

用事があるということで先に帰宅した伊予を見送って由紀江は学校を案内していく。

いろんな教室を案内しながら、いろんなことを話した。中でも盛り上がった話題が大和について。

寮という一つ屋根の下で一緒に暮らしてどんな感じなのか…

普段学校ではどんなことをしてどんな人間関係を構築しているのか…

 

天は案内する場所の最後に保健室を指定した。

何でも長女である板垣亜巳が保険医として赴任したとのこと。

 

様子見をして仕事が終わったのであれば一緒に帰ろうと考えていた。

 

そして、目的の保健室にたどり着き扉を開け放つと、

 

「亜巳姉ー。遊びに来たz…おお!大和じゃんか!?」

 

そこには服が乱れた状態で、後ろから亜巳に羽交い絞めされている大和がいた。

 

 

天使の言葉を聞いて、そこに大和がいるのだとわかり由紀江は顔を綻ばせる。が…

 

「大和さん、保健室にいたんですk…な、な、ななななんという体勢を!?」

 

「お~ぅ、流石においらも予想外だぜ」

 

驚愕の余り松風までもが喋りだす。だが、真横にいる天使は平然としている。

 

「あれ~?亜巳姉、そんなに大和のこと気に入ってたっけ?」

 

「あぁ、というか本格的に気に入ったのはついさっきなんだけどね」

 

「そりゃまたなんで?」

 

「さっき大和の胸の鞭で叩かれた痣を見てたらねぇ…なんだか疼いてきちまったのさ」

 

言いながらも、大和の体を弄る手を止めることは無い。だんだん大和もヤバげになっている…

理由を聞いていた天は妙に納得が押していた。

 

「な~るほど、その痣見てたら昔のS気質が甦ちまったと?」

 

「そうだねぇ」

 

「そんじゃウチも混ざってもいいか?」

 

「ああ、もちろん。姉妹で獲た獲物は平等にってね♪」

 

「よっしゃー!そんじゃまゆっち、案内ありがとうな♪」

 

本人の意思とは関係なく話が進んで行き、大和は部屋の中へと連れて行かれる。

抵抗するも二人掛で引っ張られ、そのままベッドに押し倒されカーテンが閉じられようとする。

このままではいろんな意味でピンチ!と感じた大和は視線で入り口で目をナルトにしている由紀江に語る。

「助けてくれ、由紀江!!」と…

 

視線を受け取った由紀江は、やっと混乱から立ち直り大和を救出しようとカーテンに手を突っ込む。

 

「やややややや大和さんを襲っちゃダメですーーーー!!」

 

突っ込んだ両手は、ベッドに仰向けで押し倒された大和の両足を掴むことができた。

渾身の力で引っ張り出すと、上半身がはだけられた大和を取り出すことが出来た。

だが、力み過ぎたために由紀江は尻餅をつき、その上に大和が覆いかぶさってくる。

 

「「あっ!?」」

 

不慮の事故によって出来た二人の態勢を説明しよう!

顔…鼻先ぴったり、唇残りり数cmで接吻成立。

腕…床に手をつこうとした大和の両手が由紀江の両手に絡み合っている

胸…形が崩れない程度にぴったりくっついています

足…生足、ズボン、生足、ズボンの順番に並んでいます。

分りやすく言いますと…大和が由紀江を押し倒しているように見えちゃいますwww

 

横取りされた大和を奪還しようとカーテンを開け放った板垣姉妹にもそう見られちゃいました。

 

「あっ!?まゆっち、てめ襲っちゃダメとか言いながらなに大和に襲わせてんだよ!#」

 

「あ、あうあうあう~///」

 

言われて、改めて今の自分達の状況、体勢を認知して顔を真っ赤にする。

混乱した彼女が次にとった行動は…

 

「せ、戦略的撤退ーーーーー!!!///」

 

上半身半裸姿のままの大和を抱えながら一目散に逃げる。

 

「待ちやがれーーーーーーーーーー!!」

 

そして板垣姉妹も慌ててその後を追う。

彼女が逃げた先は…

 

 

廊下を駆ける、階段を跳び上る、障害物を飛び越える…

一階から三階へと一気に上り詰め、目的の場所、3-Fの教室。

 

由紀江一人、しかも大和がいては、板垣姉妹を抑えることが出来ないと判断し、

彼女の仲間、風間ファミリーがいるであろう教室まで走る。

 

そして、目的の教室にたどり着き、一気に扉を開け放つ。だが…それがいけなかった…

 

「みみみみみ皆さーん!ややや大和さんが大変な…こと、に…」

 

入った瞬間5対の視線が由紀江に向かって放たれた。

 

3-Fにいた風間ファミリー女性陣と板垣辰子は、皆闘気を醸し出し、

辰子に至っては瞳が緑色に光り、暴走モードにまでなっていた。

 

5対の視線を受けて、由紀江は改めて猛省する。

冷静を欠いていたとはいえ、どうして全員の気の変化を察知できなかったのかと…

 

入り口で固まっていると、追いついてきた二人が大和に飛びついてきた。

 

「よっしゃー!捕まえたぜー!!」

 

「っふ、何を固まっていたんだか知らないが、こんな所で立ち止まるなんざ捕まえてと言っているよう…な、もの…」

 

乱入してきた板垣姉妹もその視線を受けて固まってしまった。

 

何故、大和がいない間に3-Fがこうなっていたかというと…

 

 

時間は大和が教室を出たところまでさかのぼり…

 

実は大和が保健室に向かおうとしていた所で、辰子も着いて行く気満々だった。が…

 

「だ~か~ら~、お前のことは私達が面倒を見るといっているだろうが」

 

首根っこを掴みながら百代が呆れ口調で話す。

 

「え~、保健室に行くなら誰かが付き添いでいかなくちゃ」

 

「あいつは自己管理が出来る奴だからな。小学生じゃあるまいし保健室くらい一人で行けるさ」

 

「とか言いながら~…大和君を独り占めずるい…」

 

むくれながら不満をぶつけるが、それに対する返答は…

 

「ああ。大和は私のだからな!辰子なんかにゃ渡さん」

 

「私の」の部分を聞いて、辰子の中で何かが切れかけた…

だが、それはこの場にいる者の中でも同じことがあった。

 

「百先輩、その「私の」というのは少々いただけないのだが…」

 

「ん?なんだクリス。大和は私の舎弟だぞ」

 

「百先輩の舎弟だからといって大和の全てが自分のものというのは…」

 

「そう!いいことを言ったクリス!大和は私の」

 

「ちょ!京のものでもないでしょうが!?」

 

クリスが参加し、やがて一子までもが加わってくる。

 

「なんだなんだ~。皆して大和がどうこう言って…そんなに大和が好きなのか?」

 

「「ああ(ええ)!!」」

 

「………………」(全

 

からかい半分の問いかけに、躊躇なく答えた。答えられた…

聞いていたほうも、答えたほうも呆然としてしまった。

 

「なんだ?クリ、大和に好意は持っていたがそんなにだったのか!?」

 

「…うっ…まぁ、今となってはもう隠す必要も無いな。

 そうだ!確かに納得できない所はあるが…

 大和が仲間の為に、私達の為に、私の為に本気で考えてくれるというのは分っている。

 そんな大和を私は好きになったんだ!!」

 

クリスは人前で、堂々と告白する。自分は誰が好きであるかを。

 

「私もね。大和は私達のために動いてくれる。私のことを想ってくれる!

 卑怯といわれようがせこいと言われようが自分を犠牲にしても助けてくれる!!

 だから私も大和が好き!!!」

 

声を張り上げながら、一子も告白する。

 

周りにいた風間ファミリー含む男子勢は呆然とし、女子達は拍手していた。

 

クラスメイトが感心するが、当事者達はそうではない。

 

「う~ん、全員の気持ちはよ~っくわかった。が!大和が私のものであることに揺らぎは無い!!」

 

「それは認められない!大和は私の!!」

 

「いいや!自分こそ大和にふさわしい!」

 

「いくらお姉さまでもこれだけは譲れないわ!!」

 

口頭での大和の取り合い。理由も無い、根拠も無い、ただの気持ちのぶつけ合い。

その横で、「私の大和」と連発され、終には辰子も…

 

「大和君は…大和君は、大和君は私の゛ーー!!#」

 

瞳を深緑に輝かせて闘気をぶちまけた。マジ切れモード発動!!

その気迫に全員が一瞬怯むが、譲れない想いが直ぐに立ち直させる。

 

そして再び、辰子を加えての不毛な言い争いが行われ…そこに大和たちが帰ってきたというわけだ…

 

 

「ほっほ~う…まゆまゆも大和が好きな口か?」

 

「え?え?ええええええええええええ!!///」

 

「天ちゃん…亜巳姉…二人もそうなの?」

 

「…た、タツ?」

 

「タツ姉?」

 

突然の、ある意味図星を突いた問いかけに一瞬パニックになるが、

教室にいるメンバーを確認してから大体の状況事情を読み取った由紀江は、直ぐに持ち直して答える。

 

「…はい。私は…私は大和さんが好きです!!

 こんな私でも…大和さんは親身になって私の相談に乗ってくれました。

 私のことを気遣ってくれました…想ってくれました!

 私は、そんな大和さんが好きです!!」

 

由紀江も告白する。それを横で見ていた二人も自分の思いを告げる。

 

「ま~、ウチはなんというか…男の中じゃ、いい男つったら大和しか思いうかばねぇし…

 でも、大和が好きだって気持ちに嘘はねぇ!!」

 

「私もね、天と同じく、男の中じゃ大和がいいからね。

 そんなわけで譲る気は無いね」

 

ついに…ついに全員が告白した…

 

 

気まずく重苦しい沈黙が長く続いた…

それを打ち破ったのは…百代だった。

 

「ふ~…埒が明かんな。ここは分りやすく、私達流でけりをつけるか!」

 

言いながら、卒業してもう着る必要は無いはずだった制服のワッペンを外して机に叩きつける。

 

「コク」(全

 

残る7人も頷き、ワッペンをその上に叩きつける。(亜巳はワッペンが無いので、代わりに名刺を)

 

「話は聞かせてもらったぞい」

 

そう言いながら出てきたのは学園長こと川神鉄心だ。

 

「なにやら羨ましいことになってるの?」

 

「…男冥利に尽きるといいたい所ですが…とても言えません」

 

「まぁ、そうじゃろうな。将来の伴侶はちゃんと自分から決めんとの」

 

「…みんなが魅力的過ぎて、まだ時間掛かりそうです」

 

「ふぉっふぉっふぉ、贅沢言いよって」

 

大和とそんな会話をした後、鉄心は8人のほうを向く。

 

「それでは、学園長の名の下に、直江大和をかけた勝負を許可しよう。

 種目は…武器使用でのガチンコで行こうか」

 

それを聞いてクラスメイトはざわつき、8人は不敵に笑う…

 

「勝負は10分後にグラウンドにて開催する。各々準備するように!」

 

言われた直後全員が動き出す。試合前の精神統一、準備運動…

やることは皆違ったが、やる気は全員満々だった。

 

「さって…直江大和。お主は逃げるでないぞ」

 

「…逃げられないでしょ?」

 

「まぁそうじゃな…それじゃ、もちっとやる気を出させてやろうかの?」

 

「…何をする気で?」

 

「ふっふっふっふっふ」(ニンマリ

 

 

「こういうことだったのか…」

 

7分後…グラウンドにある朝礼用の壇上の中心で、大和は簀巻きにされ「賞品」と書かれたプラカードを付けられていた。

 

「ふぉっふぉっふぉ、この方が観客も盛り上がるじゃろうてwww」

 

真横ではそんな暢気なことをおっしゃってくれる。

確かに、校舎のほうではかなりの盛り上がりを見せ、誰が勝つかなどの賭けまでされている。

 

そして9分後…8人がグラウンドにやってきた。

己のもっとも得意とする武器を手に…

 

拳を武器とする百代はいつもの格好で…

 

一子は薙刀を…

 

京は弓と、懐にはパチンコ、袖内にはもう1つの隠し武器を…

 

クリスはレイピアを…

 

由紀江は日本刀を…

 

天はゴルフパッドを…

 

亜巳は棍を…

 

辰子は…体育で使われる平均台を…

 

距離を置いて円形になり、全員が互いを睨みながら武器を構える。

 

そして、一人の男を賭けた死闘が今、

 

「では…乱闘、開始!!」

 

始まった…

 

to be continued...

 

 

中編『あの女が獲物を構えた!?』いかがでしたでしょうか?

 

いや~…自分で書いてなんですが、改めてこのような状況を想像してみると…

 

…ガクガクブルブルガクガクブルブル…

 

そして、辰子の武器…平均台…あれって何mあるんでしたっけ?

 

辰子の武器、学園内にあるもので彼女に最もあってるんじゃないかってのをいろいろ考えて、

 

箒…振るうどころか握っただけで使い物にならなくなる ×

 

ロッカー…中空洞、形としても武器として不適切 ×

 

投げ物としてチョーク…粉々に握りつぶされて戦闘にならない ×

 

麻呂…意外とありか?イヤ、なしだろう ×

 

平均台…太くて、長くて、それなりに丈夫で、辰子が振るってるところを想像してみると ◎

 

てな感じでなりましたwww

 

次回、後編はいよいよ決着!

 

だれが大和を勝ち取るのでしょうか!?

 

乞うご期待!!


 
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