多くの戦士達が乱闘をし、生活をし、暮らしていく「この世界」――争いの世界。
そこは、マスターハンドとクレイジーハンドにより創造され、
多種多様な生物や存在が共存し、絶妙なバランスで平和が保たれていた。
だが、「この世界」は1つだけではない事をご存じだろうか。
乱闘しなくてもいい世界。
乱闘しなければ生きていけない世界。
人間しか存在しない世界。
人間が存在しない世界。
それらは「パラレルワールド」と呼ばれ、この平行線上にいくつも存在している。
だが、パラレルワールド自体は戦士達の故郷と異なり、互いに干渉し合う事はない。
「この世界」の住人が、異世界の存在は知っても、パラレルワールドの存在を知らないのは当然である。
――はずだった。
「……自然の歌が、聞こえない……」
どこかのパラレルワールドにて、一人の女性が悲しそうな声でそう言った。
彼女は、愛していた自然が、失われてしまった事を嘆いているのだ。
「……この世界も、もう終わりかも入れない……。だけど、終わりは来てほしくない……」
女性はこの荒廃した世界を終わらせたくないという意志を持っていた。
しかし、彼女の周りに他の人間はいなかった。
「このまま、終わりを先延ばしにするか、早く終わりが来るのか……」
そう言うと、女性の目から涙がこぼれた。
「……いいえ、どちらの結末にもしたくないわ。何としてでも、この世界を救いたい……!」
女性が持っていた杖を掲げると、空に白い亀裂が走った。
「この世界自体が弱まってきているから、これ以上空間を開けたくはない。
だけど、この世界のためだったら……!」
女性は精神を集中させ、さらに杖に力を込める。
すると、白い亀裂は徐々に大きくなっていった。
ある程度亀裂が大きくなったところで、女性はぺたりと座り込んだ。
「……正史世界と繋げておいたわ。ここから、みんなが来ればいい」
……どうか、この世界を、救って。
女性は最後にそう言い、希望を託すのであった。
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スマブラ二次創作長編です。
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