澪は三階に来ていた。
A子の発言から澪の推測を広げると、三階に住んでいるのは違左無(いさな) ドラゴ。半点郷にて数年前に男をやめ、女になったらしい。
澪「ドラゴーーーーー!!!」
澪は大声でこの家の主の名を呼ぶ。
トラップが発動するのも悠々と回避し、澪は三階奥へと進んで行く。
ドラゴ「何ですか。その態度は?お客人。」
澪「いや、このくらい堂々としててもいいと思ってね。」
澪「君がどらごね。僕の名前は幼夢 澪よ!」
ド「あなたは・・・お客人ではないらしい。」
カチリと音がして、さっきまで澪がいた場所が爆発する。避けたのだ。
澪「不意打ちとは卑近な主人よ。この家の者ははっきり言って異常者しかいないわね。」
澪「”クレイモアズショット”。能力を開放したわ。」
ド「死をお承り下さい。」
澪を見下したようなそうでないような台詞を合図にカチリという音が複数する。
ドラゴのいるエリア以外が爆発する。そのはずだったが・・・。
ド「ん?一つ足りませんでした。」
澪「クレイモアズショットは標的を確実に破壊する能力よ。スイッチを一つ破壊したわ。」
ド「先程の宣誓はそのクレイモアズショットでしたか・・・。」
澪「今度は君がやっつけられる番よ。(やっつけられてない)」
ド「私にはゴリ押しが可能ですが、あなたには身動きすら不自由でしょう?
先に詰むのはあなたの方ですね。」
戦闘が始まる。単発のショットと爆発が交差する。
澪「戦闘中も喋っていいわよ?」
ド「では聞きますが、どうやってこの場所を突き止めたのでしょうか?」
澪「天魔楼の図書館で、よ。」
ド「!! 図書館でですか・・・・怖いですね。」
ドラゴが人形のように整った顔の眉をハの字に曲げる。
ド「この場所がその図書館に記録されていると言うのでしょうか?」
澪「もちろん。でも、内部の住人の名前くらいしか載ってなかったわよ。」
澪「あと、僕は口が固いから、内部の出来事は話さないように務めるわ。」
ド「約束は出来ませんのね?」
澪「もちろん、話さない保証はないわよ。この僕の言葉だけだからね。」
ド「負けです。もうスイッチがありません。」
澪「よしよし、僕は降伏者には優しいのよ。」
ド「エイ子とミスカは・・・?」
澪「介抱はしてあるけどね。今だに目覚めないみたいよ。まだ夜だからね。」
澪「それで。あと、ステイだけれど・・・・。」
澪「頭を打っているけど、大丈夫そうね。多分起きたようだからよ。」
ド「・・・・・・・????」
曖昧な答えに言葉を無くすドラゴ。
本当は、ステイを知らないだけなのだが、それは別の話。
夜はやがて更け、家を白く照らし出すのだった。
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幻想郷内での出来事。オリジナルです。