拠点√ 亞沙
「『先生』として、『男』として」
亞沙が、呉に来て雪蓮に仕えるようになり、もう1年が過ぎた
刑天「さて・・・亞紗 次の書状は?」
亞沙「・・・」
刑天「・・・亞紗?」
亞沙「・・・はい!?え、えっとなんでしょう!?」
ボーっとしていた亞沙は刑天に呼ばれ驚いた
刑天「いや、次の書状なんだが・・・疲れているなら休んでもいいぞ?」
亞沙が疲れていると思った刑天は、休むように言うが「だ、大丈夫です」と亞沙に言われてしまい、「無理するな?」と言うだけにとどめた
―――亞沙の部屋―――
亞沙「ああああ~またやってしまった・・・」
部屋に戻るやいないや、寝台に飛び込み頭を抱える亞沙
亞沙「はあ・・・先生・・・」
そして、亞沙は呉に来てはじめてやって来たときを思い出す
呉で初めて会ったのは刑天だった
亞沙「あの・・・」
刑天「ん?何か用か?」
亞沙「は、はい・・・その・・・そこの将兵募集の立て札を見てきたんですけど」
刑天「ああ・・・えっと、そこを入って―――」
最初は、一般兵と思っていた なぜなら、他の兵に混じって鎧磨きなどをしていたからだ しかし―――
雪蓮「へえ~貴女が、呂蒙?」
亞沙「はい!未熟ですけれど頑張って勉強して、呉の役に立ちたいんです!」
雪蓮「見たところ、文官ね・・・冥琳 お願いできる?」
冥琳「ああ・・・ところで、刑天殿を呼ばなくていいのか?」
雪蓮「・・・あ」
祭「刑天なら、思春が呼びに言っておるぞ」
そして、思春に連れられ刑天がやってきた
刑天「すまん 遅れた」
亞沙「あ!」
刑天「ん?・・・ああ、さっきの」
蓮華「知っているのか?」
お互いが知り合いらしいことに驚く面々
刑天「いやいや さっき、道を教えてやったんだよ」
刑天は、軽く言い雪蓮たちも納得していたが亞沙は驚いていた さっき紹介された甘寧に連れられやってきたのは、自分が一般兵と思っていた男だったから さらに、どう見ても孫策たちに信頼されている感じだった
雪蓮「あ、紹介するわ 孫呉最強の武将にして、最強の軍師、そして私たちの恋人の刑天よ」
刑天「恋人ね~・・・どっちかというと父親だがな・・・」
雪蓮「こっちは、そう思っていないのよw」
刑天「そうかい ま、改めて呉の武官兼文官の刑天だ 真名は無いので、刑天でいいぞ」
亞沙「あの・・・真名が無いとは?」
小蓮「刑天は、仙人なの!」
亞沙は、小蓮の言葉を信じる事ができなかった むしろ、小蓮たちが特殊なのだ この時代というか、ほとんどの時代で「仙人は存在しない」というのが『常識』だったから だが―――
刑天「『自分の見ている世界が全てと思うな』・・・ま、自分が見た事ないから存在しないとは思わないことだ」
亞沙はその言葉を聞いて、頭が冴えた 確かに、刑天の言うとおりだ 例えば、友人の祖母を見た事がないからといって、その祖母は存在しない訳ではない つまりはそういうことである
刑天「さて、俺はもういいか?そろそろ、兵の訓練なんだが・・・」
雪蓮「そうね・・・もういい「先生!」・・・へ?」
突然、、亞沙が叫び刑天の元に走ってきた
刑天「・・・何か?」
亞沙「お願いします!私に、いろいろ教えてください!」
亞沙の中には、この人の考えを知りたいと思う気持ちがあった この人に教えてもらうことができれば、『呉下の阿蒙』の名を撤回できると思った
刑天「ふむ・・・まあ、俺も忙しいのでいつでもという訳にはいかんが、時間があいたら教えてやる」
亞沙「ありがとうございます!」
雪蓮「う~・・・」
冥琳「これで、充実するな・・・って雪蓮?」
これが、亞沙が呉に入ったときの場面
亞沙「ん・・・あ、れ・・・寝てたんだ」
いつの間にか寝ていた亞沙 夢で見た刑天に弟子入りする場面を思い出す
亞沙「そういえば、あれからもう一年か・・・いろいろあったな~」
窓から見える月夜を眺めながら、一年を振り返る もちろん、いい事ばかりではなかった だが、自分が成長したのが分かる
亞沙「これも、先生のおかげかな・・・」
顔をほころばせ、そう呟く亞沙
亞沙「そういえば、発破をかけてくれたのも先生だったな・・・」
それは、刑天に弟子入りして数日後 最初のほうは、駄目駄目だった亞沙 そして、こんな言葉を呟いた
亞沙「やっぱり、私ってどれだけ頑張っても阿蒙なのかな・・・」
小さいころから言われてきた言葉 だが、刑天は亞沙を見据えこう言った
刑天「お前は今、自分の限界を決めた それ以上お前は、成長しない・・・いいか?自分で「私はこれくらいしかできない」とか勝手に決めるな お前が、「私はまだいける」と思えばどこまでだっていける 阿蒙と呼ばれるのがいやなら、これくらいの事で諦めるな お前が満足するまで、俺が教えてやる・・・だから、頑張れ」
その言葉は、今も亞沙の中に響いている
亞沙「自分で限界を決めるな・・・か」
亞沙は月夜を見ながら思う 自分はもっと上にいけると 孫呉を支える柱の一つとなる事を そして、敬愛する刑天の支えとなる事を
亞沙「先生・・・私は、頑張ります そして、いつか・・・先生の恋人になります!」
亞沙は月を見てそう誓った
祭「フフフ」
刑天「ん?どうした?」
刑天の部屋で、刑天と大喬が政務をしている横で小喬に酌をさせている祭が、突然笑みをこぼした
祭「いや・・・お前が大変だな、と思ってな?」
刑天「ん~別に、大変じゃないぞ?この程度」
祭「そういうわけではないわw」
さすがは、呉の母親にして刑天のストッパーでもある祭 これから始まるであろう乙女の戦いに思いをはせる
拠点√ 華琳
「覇王の決意」
狂骨「で?これは一体・・・」
狂骨は、華琳の部屋に呼ばれたと思ったら、いきなり拘束された
華琳「いつぞやの、『ご褒美』よ」
華琳は、そういい狂骨の正面に座る
狂骨「まあいいが・・・何か用か?・・・いや、用があるから拘束しているんだよな」
華琳「まあそうね あなたの事を聞きたいのよ」
そういい、華琳は狂骨を見る
狂骨「・・・何を話せばいい?」
華琳「あなたは、人から仙人になったといったわね・・・なぜ?」
狂骨「俺の守りたいものを守るために力を求めて、いつしかこの体になった」
狂骨は、話す もう遠い過去の話を 刑天との死闘や、自分を支えてくれた雛里たちのこと そして、三人で交わした約束の事を
狂骨「―――と、そういうわけだな」
華琳「じゃあ、その崑崙山にあなたと刑天の恋人たちが居るの?」
狂骨「ああ 不老不死となれば同じ場所に長くとどまるわけには行かないからな」
華琳は、様々な話を聞いて思った
華琳「(たとえ、自分がどうなろうと守るべきものを優先する、か・・・)」
狂骨「どうした?」
華琳「ん?いえ・・・いい男だと思ってね」
その言葉に狂骨はキョトンとする
華琳「今まで、私の周りには駄目な男しか居なかった・・・だから、女も愛せるようになってしまったのだけど・・・でも、あなたのような男も居ると分かると気分がいいわね」
狂骨「・・・フッ お褒めに預かり恐悦至極」
華琳「帰っていいわ・・・でも、覚えておきなさい?」
部屋を出ようとしていた狂骨に向かい華琳ははっきりと言った
華琳「あなたを手放さないわ・・・不老不死になれる方法はいつになるか分からないけど・・・探し出すわ 覚悟してなさい?」
狂骨「・・・期待しないで待っておこうか?」
分からないと言っておきながら自信たっぷりにそう言う華琳を見て、微笑を浮かべながら狂骨はそう返した
―――狂骨が去ってから―――
華琳「フフッ・・・狂骨 あなたを手放すわけには行かないわ 私から逃れられると思わないことよ?」
それは、覇王が初めて見せた男に対する執着だった
華琳「私をここまで思わせておいて、どこかに行くのは許さない」
「暗躍するもの」
悲鳴が響く 家は焼け、男たちは向かっていく この惨状を作り出したものへ しかし―――
玄崩「ふむ・・・その心意気は買うが・・・駄目だなぁ」
まるで、紳士のように端正な笑みを浮かべる しかし、その目はどこまでも暗かった
玄崩「ん?」
玄崩は、家の中をのぞく 家の中には、母子がいた
母親「ひいっ!た、たすけ[ザシュ]かはっ・・・」
助けを乞おうとしたが、玄崩は構わず殺した
玄崩「ふむ・・・赤子、か」
それは、単なる気まぐれ ただそれだけ 赤子を殺すのが躊躇われたのではなく、ただの気まぐれ
玄崩「さて・・・呉、魏、幽州で同じことをしたが・・・呉と魏はやりにくいな さすがは、刑天と狂骨が居る国か・・・それに、曹操と孫策もなかなかに優秀だからな だが、劉備は・・・フッ」
そして、玄崩は村を立つ 次の場所を求めて
玄崩「そうだな・・・洛陽にでも行ってみるか」
そして、玄崩は洛陽に向かった
「舞台裏」
今回は、亞沙と華琳を書いてみました
刑天「いや・・・いいんじゃないか?」
狂骨「まあ、変な話じゃなかった分」
ひどっ!
狂骨「ま、次回は本編か」
刑天「今回、玄崩が動いたからな」
狂骨「つか、最後は・・・」
刑天「玄崩が完璧にBASARAの松永になってるな」
でも、松永よりダークにするよ?
狂骨「・・・俺ら生き残れるのか?」
さあ~?
刑天「おい!」
いや~だって、そのほうがおもしろ[ズン]・・・
狂骨「・・・どっから、こんなでかい岩が落ちてきた?」
刑天「ん?何か書いてある・・・」
『(ご主人様/旦那様 etc...)を困らせてはいけません』
狂骨・刑天「「あいつら・・・」」
『追伸:狂骨!刑天!卑弥呼に追われている!たすけ』
狂骨・刑天「「一刀ー!?」
「オマケ~第3話での狂骨の台詞を変えてみた」
狂骨「さて、この外史で初めての大規模な戦闘だ・・・推して参る!」
狂骨は、そう叫び懐から筒を右手の間に挟み、黄巾党に投げ発火させた
黄巾兵1「な、なんだ!?爆発した!?」
狂骨が投げたのは、いわゆるダイナマイトだった 太公望との修行中に、ボンバーマン(爆弾魔)として覚醒した狂骨 その威力は―――
狂骨「フハハハハハハ!粉砕!玉砕!大・喝・采!」
・・・いくらなんでもはっちゃけすぎ^^;
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閑話の5です
今回は、恋愛要素多め・・・かな?^^;
ちなみに、「奴」が動き出すw