―――Side 狂骨―――
太公望との修行を終え、やっと新たな外史に降り立った狂骨
狂骨「とりあえず、ここは・・・どこだ?」
盗賊「よう、兄ちゃん いいもの持ってんな?」
どこからとも無く現れた三人組が、狂骨に因縁をつけてきた
狂骨「(多分、陳留の近くだと思うんだが・・・)」
盗賊2「聞いてんのか!」
盗賊1「やっちまえ!」
??「待てい!」
考え中で、反応が無い狂骨に斬りかかろうとした三人 しかし、突然聞こえた声のする方に目を向ける
星「一人によってたかって・・・なんと卑劣な奴ら―――」
しかし、長ったらしい口上を述べている星に唖然としている
盗賊1「・・・ほっとけ「うるせぇ」ゲフッ!」
考え中だった狂骨が覚醒し、あっという間に三人をのしてしまった
星「―――であるから「星ちゃん、星ちゃん」・・・ん?なんだ、風よ?まだ、途中なのだが」
横から話しかけてきた少女に、そんな事をつぶやく星
凛「あの人、どこか行きますよ?」
もう一人のメガネをかけた少女に言われ、前を見るとさっきまでいた盗賊がボコボコにされ、囲まれていた男はどこかへ行こうとしていた
星「え!?・・・ちょ、ちょっとお待ちくだされ!」
慌てて呼び止める星
狂骨「ん?何か?」
そういい、振り向く狂骨 普通なら、狂骨も平然といられないはずだ 仮にも、以前の外史で恋人だったのだから しかし、狂骨もすでに主観で500年以上生きている だから、外史が違えば別人である事を承知していた
星「いえ・・・お一人で倒したのですか?」
狂骨「そうだが・・・君たちは、旅人かい?」
風「はい」
狂骨「では、ここら辺で『太平要術の書』という本 もしくは、『玄崩』という男を知らないか?」
凛「いえ・・・聞いたことありませんが」
狂骨「そうか・・・すまんな」
そういって、狂骨は歩いていった
星「・・・なんだったんだ?」
風「さ~?」
三人から、遠ざかっていた狂骨は、考え事をしながら歩いていた
狂骨「ふう・・・まさか、この外史の星に会うとはな~・・・ま、どうせ別人だ 気にする事はないか で、俺がすること・・・」
狂骨が、この外史ですることは、『太平要術の書』の回収若しくは消滅 そして、刑天と同じく罪人『玄崩』の討伐だった 太平要術の書の回収は、太公望の上司の太上老君より頼まれたものだ
そのときのやり取り
太上老君「狂骨、少しいいか?」
狂骨「何でしょう?」
太上老君「次の外史で、太平要術の書を回収、それが叶わんときは消滅を頼みたい」
狂骨「・・・理由を聞いてもよろしいでしょうか?」
太上老君「実は、ぬしが行く外史の太平要術の書は何者かが作った粗悪な模造品でな 使用すると、所有者の命を奪いかねん・・・なので、もし手遅れになっていた場合は、これを飲ませろ」
そういって、太上老君は狂骨にビンに入った液体を渡した
狂骨「御意」
そんなやり取りがあった
狂骨「さ~て、とりあえずは・・・ん?」
大きな街に行き、情報を集めようと思っていたら、前方で十人ほどの男たちに囲まれている三人の少女を見つけた
狂骨「・・・助けないのも、夢見が悪いな・・・行くか」
―――Side ??―――
盗賊1「ほれ・・・俺らといいことしようぜ?」
少女1「い、いやです!」
少女2「どっか、行け!」
盗賊2「とっととやっちまおう!」
少女1「ひっ!」
盗賊1「それでは~「死んでおけ」へ?」
―――Side 狂骨―――
少女に、手をかけようとしていた盗賊を跳び回し蹴り(クワガタライダーの技)で吹き飛ばし、三人を背にする形で割って入った狂骨
盗賊2「なんだ!てめえは!?」
狂骨「・・・別に?ただの旅人だ・・・お前ら、走れるか?」
そういって、後ろの三人に振り返る狂骨
少女3「え?あ、はい」
メガネをかけた少女が、返事をした
狂骨「なら・・・走れ ここは、引き受けた」
少女2「で、でも!」
その言葉に、声を上げる三人
狂骨「この程度、物の数ではない・・・行け」
そういわれ、逃げる事を選択した三人の少女
少女1「あ、あの・・・お名前は!?」
走りながら、名前を尋ねる少女
狂骨「・・・狂骨 ま、縁があったらまた会おう・・・」
少女1「はい!」
そして、少女たちは、走り去っていった
盗賊2「てめえ!やっちまえ!」
せっかくの、獲物に逃げられせめて、目の前の男を殺して鬱憤を少しでも晴らそうと、突撃していく盗賊たち しかし―――
狂骨「さて、卑弥呼からもらった『童子切安綱』・・・貴様らで、試し斬りをさせてもらう」
それは、修行中に突然現れた卑弥呼から激しい戦闘訓練(若干、貞操の危機あり)の末に譲り受けた狂骨の新しい武器 鬼の王である酒呑童子を斬り、その血を吸い妖刀に変化した名刀 盗賊ごときの鎧では、太刀打ちできないのは必然である
盗賊1「う、嘘だろ・・・」
狂骨「ふむ・・・なかなかいいな」
試し斬りを終え、刀の様子を確かめていると前を三人組が走り去っていった
狂骨「ん?・・・食い逃げか?」
そんな、的外れな事を呟いていると後ろから、結構な数の軍人たちがやってきた
狂骨「あれは・・・曹操、夏候惇、夏候淵、か」
そして、囲まれ剣を突きつけられる狂骨
狂骨「何か用か?いきなり、剣を突きつけられる覚えは無いが?」
春蘭「・・・黙れ!」
秋蘭「姉者、落ち着け・・・失礼した しかし、こちらにも事情があってな」
とりあえず、事情を聞くことにした狂骨 そして、その結果今さっき前を通り過ぎた三人組が、探していた太平要術の書を盗んだやつらだということが分かった
狂骨「くそっ!俺としたことが!」
華琳「え~と・・・秋蘭」
突然、叫びだした狂骨に驚いた華琳
秋蘭「はあ・・・それで、狂骨・・・だったか?お前の目的は、我らと同じだ どうだ?協力しないか」
狂骨「・・・それは、俺に配下につけ・・・と言う事か?」
華琳「まあ、そういうところね」
少し考えて、狂骨は―――
狂骨「ふ~む・・・魅力的な提案ではあるが・・・今は遠慮しておこう」
華琳「あら・・・どうしてかしら?」
いい返事が返ってくると思っていた華琳は、驚いたがそれを悟られないように聞き返した
狂骨「俺は、仙人なんだが、お前らからすれば妖術使いと変わりないのでな・・・それを懐に入れておく事はできんだろ?」
三人「「「!」」」
狂骨のその言葉と鋭い眼光を受け、息を呑む三人
狂骨「ま、縁が会ったらどこかで会うだろ・・・じゃ~な」
そういって、狂骨は走り去って行った
―――Side 華琳―――
華琳「仙人・・・本当かしら・・・」
秋蘭「しかし、あの目は並みの者には出せません」
春蘭「・・・」
華琳「とりあえず、あいつ・・・狂骨だったかしら?奴も、太平要術の書を追っているから、いずれ会うでしょう そのときに、もう一度勧誘してみましょう」
春蘭「華琳様!?」
華琳の言葉に秋蘭以上に驚く、春蘭
秋蘭「あの男を引き入れるのですか?」
華琳「ええ・・・あの男・・・欲しいわ」
普段なら、ありえない感情「なんとしても、あの男が欲しい」華琳の中には、その感情があった
―――Side 狂骨―――
狂骨「っ!・・・なんか寒気がしたような・・・」
さっそく、覇王様にロックオンされた狂骨の明日はどっちだ!
狂骨「知らねえよ・・・」
―――数週間後―――
狂骨「ふ~む・・・見つからんな・・・」
美影「ですね~」
狂骨は、とある街に立ち寄って情報収集を行っていた あれから、自分で探し回った結果太平要術の書は、あの三人組ではなく張角の手に渡ったということだ さらに、旅の途中にひょんなことから美影(司馬懿)を助けたのが切欠で行動を共にしていた
狂骨「(あの三人組は、生きていると言う つまり、術を使用しなかった だが、今の所有者である張角が、使わないとも限らない 黄巾党も活動し始めたようだし・・・ままならんな)」
そして、茶を啜っていると村人の悲鳴が聞こえた どうやら、黄巾党がこの街に攻めてきたようだ
美影「・・・ご主人様、行きますか?」
狂骨「ふ~・・・張角の居場所でも聞いてみるか」
そういって、お代を机において外に出た狂骨たち
―――Side 凪―――
凪「はあー!」
黄巾党が攻めてきたとの情報を知った凪たちは、義勇軍を組織して迎撃に当たっていた しかし、数はそこまで多くなく劣勢だった
真桜「どないする!?このままじゃ、まずいで!」
沙和「鬱陶しいの~!」
実質、黄巾兵はこの三人で、相手をしているようなものだった
凪「そうは言っても・・・くっ!」
沙和「あ!あれ!」
沙和がそう叫び、二人が見た先には「曹」の旗を掲げた軍団がこちらに向かってきた
凪「あれは・・・「陳留太守、曹操の軍だな」なっ、誰だ!?」
突然話しかけられ、振り向くと黒い外套を纏う男とそれに寄り添う女がいた
―――Side 狂骨―――
目の前には、黄巾兵に向かう楽進たちがいた さらに、少し先には曹操たちもいるようだ
狂骨「(う~む・・・ま、相手の頭に居場所を聞いてみるか)」
凪「誰だ、と聞いている!」
狂骨「狂骨・・・流れ者の仙人さ」
美影「私は、その部下の司馬懿と申します」
狂骨「美影・・・曹操たちに説明は頼む」
瑠璃「御意・・・ご主人様はいかがなさいますか?」
狂骨「決まっている・・・潰す!」
思考を戦闘状態に切り替えた狂骨 その、様子に楽進たちは、恐怖と美しさを感じた
―――Side 華琳―――
桂花「華琳様、見えました」
華琳「義勇軍が出ているようね・・・春蘭、秋蘭、季衣は援護に向かいなさい」
三人「「「御意!」」」
華琳たちは、領地の街が黄巾党の襲撃を受けているとの報を受け、討伐のために兵を進めていた
流々「華琳様!あれ!」
そして、流々が指をさした先で彼女たちは目撃する事となる 烈火の修羅の実力を
―――Side 狂骨―――
狂骨が立つのは、黄巾党の大軍が向かってくる最前線 しかし、狂骨は恐れるどころかその顔に、笑みを浮かべていた
狂骨「さて・・・この外史で初めての大規模な戦闘だ・・・推して参る!」
狂骨は、そう叫び懐から筒を右手の指の間に挟み、黄巾党に投げ発火させた
黄巾兵1「な、なんだ!?爆発した!?」
狂骨が投げたのは、いわゆるダイナマイトだった 太公望との修行中に、ボンバーマン(爆弾魔)として覚醒した狂骨 その威力は―――
狂骨「ふっ・・・人がゴミのようだ、ってか?」
次々と吹き飛ばされていく黄巾兵 それは、一方的な蹂躙だった 狂骨が、ひとしきりダイナマイトをばら撒き終え童子切を抜き、敵に走ったときには、大分敵の数は少なくなっていた しかし、狂骨の蹂躙は続く
狂骨「はあぁ!」
大きさは、掌ほど しかし、凪のそれより密度を持った氣弾が打ち出された
凪「・・・凄い」
沙和「凪ちゃんのより、強いの」
美影「当然ですよ・・・フフフ ご主人様、雄雄しい」
真桜「あんた、なんか怖いな~・・・」
美影「クスッ」
華琳「あなたたち、無事?」
援軍を連れた、華琳が四人の下にやってきた ほとんどの黄巾兵を狂骨により倒され、華琳たちはたいした邪魔も受けず、四人のところへやってきた
秋蘭「なんというか・・・」
流々「凄い、しか言えませんよ」
少し先では、春蘭と季衣の部隊が黄巾兵に戦闘を仕掛けているが狂骨一人に恐怖を覚えた黄巾兵は逃走をはじめている
美影「あなたが、陳留太守である曹操殿ですか?」
華琳「ええ・・・あなたは?」
問いかけられ、相手の名を問う華琳
美影「私は、狂骨様の部下の司馬懿と申します 我が主、狂骨様より伝言です」
華琳「・・・なにかしら?「ま、早い話がこの前の返事を受けるという事だ」・・・あなた」
黄巾兵の駆逐を終え、春蘭たちと共に歩いてきた狂骨
華琳「返事を受けるって・・・私の下に来るってこと?」
華琳は、内心の嬉しさを感じられないように必死で抑えて問いかけた
狂骨「まあな、情報も手に入れられなかったし・・・そろそろ大きな所に身を寄せた方が良さそうなんでな」
桂花「な!?あんた何を「黙っていなさい、そこの」な!?」
桂花が反論しようと口を開くと、見下した目で自分を見る美影により中断された
美影「今は、ご主人様は曹操殿と話しをしているの あなたが、立ち入るところじゃないの」
桂花「なんですって!「やめなさい、桂花」華琳様」
狂骨「美影、お前もだ」
美影「はい♪」
さっきまでとは態度を一変させ、従順な態度の美影
狂骨「まあ、一回断っているが・・・構わんか?」
華琳「ええ あなたを扱う事ができるなら別にいいわよ?」
狂骨「そうか なら、これからよろしく頼む」
こうして、狂骨は華琳の元に身を寄せる事となった
「舞台裏」
作者改め太公望です!
狂骨「開き直ったな・・・」
刑天「今回は、狂骨が主役だったな」
狂骨「特筆すべきことは・・・オリキャラと俺が、ボンバーマンになっている事か」
ボンバーマンは・・・まあ、ギャグってことでw オリキャラは、司馬懿を出してみました
刑天「性格は?」
狂骨至上主義 狂骨に対してはどこまでも従順 それ以外には、S
狂骨「これ、雛里たちと絡めるときに苦労しないか?」
大丈夫wその時は、桂花と似たような感じになるから
刑天「それ駄目じゃん」
桂花との違いは、狂骨に依存しているところかな?
狂骨「それ怖えよ・・・」
刑天「なんか、ヤンデレになりそうな・・・」
そこらへんは、拠点でリクエストがあったら書くからw
狂骨「・・・こいつ まあいい、次なんだが、コメントの中に『刑天の傷が治る能力がどうして気配感知が苦手な理由につながるんですか』という質問が来ていたが・・・詳しくどうぞ」
えっと 作者は、気配感知とかは危険を回避するための能力と考えておりまして・・・刑天はどんな傷でも治るので、いちいち危険を回避する必要がないからそれが退化したというわけなんですが・・・どうでしょう?
刑天「とりあえず、皆さんが納得していただけたらOKだろう ところで、次で黄巾編終わりか?」
うん そのあと、両方の閑話とか拠点を書いて反董卓編に行くから
刑天「ていうか、『玄崩』は?」
それは、これから少しずつ出てくるよ まあ、この外史で決着がつくかは分からないけど
狂骨「そうか・・・とにかく、次回またお会いしましょう」
刑天「次ページに狂骨と美影の紹介があります ネタバレも含みますのでご注意を」
狂骨
武器:日本刀『童子切安綱』
能力:通常状態は、普通の日本刀 しかし、キーワードを唱える事により使用者の体を侵食し(右腕が、鬼の手っぽくなり刀身が5本の爪になる)バーサーカーモードになる
その他の能力:五行の『火』を操る それにより、火計が得意 両腕に、氣の伝導率が高い手甲をつけているが左腕に、火薬を無限に作り出す宝具が混ざっており様々な火薬を生成する事ができる 最近、ボンバーマン(爆弾魔)になってきた
司馬懿
真名:美影
武器:鉄扇『鳳凰』
その他:性格は、狂骨至上主義 狂骨に対してはどこまでも、従順 それ以外(自分が認めた奴以外)は排他的 狂骨に依存しているので、いずれヤン化するかもしれない 狂骨が仙人であることを知り、自分もどうにかして狂骨と共に生きようとしている(作者の都合でそうなるかもしれない)
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第3話ですw
とりあえず、外史到着から華琳との合流まで