No.92630

恋姫無双異聞録~第2話~

鴉丸さん

第二話投稿ですw

2009-08-31 15:30:55 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:4243   閲覧ユーザー数:3370

 

 

部屋の中は暗かった いつもの出撃と侮っていたのが不味かったのか、美蓮が重症を負ってしまった 刑天は、前線で指揮を取っていたので後方にいた美蓮の援護に向かえなかった 祭も、自分に群がっていた敵により動きを止められ、目の前で美蓮が斬られるのを見てしまった

 

 

美蓮「・・・情けない、わね・・・」

 

 

小蓮「かあさま!」

 

 

小蓮が泣きながら美蓮に近づくが、必死に涙を流すのを我慢している雪蓮に止められる 蓮華も、寝台にしがみついて泣いている

 

 

祭「・・・美蓮」

 

 

美蓮「気に・・・しないで 祭・・・私が油断していたのが悪いから」

 

 

自分を責めている祭を優しい笑みで、慰める美蓮

 

 

雪蓮「・・・刑天は?」

 

 

祭「・・・まだ、戦場だ」

 

 

刑天は、祭に美蓮をすぐに戻らせるように言うと、浮き足立った兵を怒鳴りつけ撤退する時間を稼ぐために敵陣に突貫していった

 

 

美蓮「いや・・・いいんだ あいつには、死に顔を見られたくないから」

 

 

短い時間とはいえ、刑天に女としての感情を抱いていた美蓮 愛する男に最後を見られたくは無い、そう思っていた

 

 

美蓮「皆・・・これから、大変だと思うけど・・・力を合わせて・・・頑張りなさい」

 

 

全員、泣きながら頷く そして―――

 

 

刑天「今戻った・・・」

 

 

刑天が部屋に入ってきた

 

 

 

 

美蓮「刑天・・・」

 

 

刑天「すまないが、二人にしてくれないか?」

 

 

祭が、事情を察し三人に、最後の別れをさせ部屋の外に促す

 

 

刑天「美蓮・・・」

 

 

美蓮「なんで・・・?あなたに、死に顔は見られたくないのに・・・」

 

 

泣きながら、そう呟く美蓮 しかし―――

 

 

刑天「・・・仮にも、惚れた女の最後を見ない男がどこにいる?」

 

 

優しくそう呟いた刑天

 

 

美蓮「刑天・・・」

 

 

刑天「俺には、お前を生かす術はない・・・だが、こうやって傍にいる事はできる 最後のその時まで傍にいる」

 

 

美蓮「・・・そっか・・・ねえ、後の事任せてもいいかしら?」

 

 

刑天「ああ」

 

 

美蓮「そして、あの子達の思いにも答えてあげて・・・」

 

 

刑天「そのときがくれば、な」

 

 

美蓮「なら、安心ね・・・最後に、お願いいい?」

 

 

刑天「言ってみろ・・・」

 

 

美蓮「・・・口付けして」

 

 

刑天「ああ」

 

 

美蓮「・・・んっ・・・」

 

 

それは短い、しかし、たくさんの思いをこめた口付け

 

 

美蓮「・・・ありがとう・・・愛していたわ、刑天・・・」

 

 

そして、美蓮は目を閉じた

 

 

刑天「・・・俺もだ、美蓮」

 

 

そして、刑天は美蓮の手を取りそう呟いた

 

 

 

 

―――数ヵ月後―――

 

 

美蓮の国葬も終わり、少し落ち着いた呉 呉は雪蓮を王として、冥琳や思春や穏といった新しい将も入り新たに動き始めた 

 

 

祭「刑天!雪蓮殿が!」

 

 

刑天「どうした?」

 

 

この二人は、雪蓮の後見人として呉にいた さらに、刑天は軍だけでなく内政や外交にも力を入れていた

 

 

祭に呼ばれ、向かった先には―――

 

 

冥琳「やめろ、雪蓮!」

 

 

蓮華「姉さま!」

 

 

訓練場で、無茶な訓練をしている雪蓮とそれを止める冥琳たちがいた

 

 

刑天「・・・何事だ?」

 

 

思春「刑天様・・・その、実は―――」

 

 

傍にいた思春から事情を聞いた刑天 その内容は、要約すると「強くなって、美蓮の夢である天下統一を叶える」というものだった

 

 

刑天「・・・」

 

 

それを聞いた刑天は、雪蓮に近づいていった それに気づき動きを止める面々

 

 

雪蓮「・・・刑天」

 

 

刑天「やめろ・・・お前のしている事は、間違っている」

 

 

雪蓮「っ!何がよ!母さまの夢を叶えるのが間違っているって言うの!?」

 

 

激昂して、刑天に掴み掛かる雪蓮 他の将は立ち入る事もできずに、成り行きを見ている

 

 

雪蓮「強くならなきゃ・・・死ぬ気で今より強くならなきゃ、母様の夢を叶えられないのよ!・・・だから、私は[パンッ]・・・え?」

 

 

雪蓮の言葉は、刑天の平手により強制的に切られた そして、唖然とする雪蓮や、見ていた面々

 

 

刑天「死ぬ気で、か・・・ふざけるな!自分の体をよく見てみろ!無茶な訓練で、傷だらけだ・・・周りを見ろ!お前の姿を見て全員が心配している!これでも、お前はこの訓練を続けるのか!」

 

 

どんなに、いたずらをしても怒る事はなかった刑天が怒っている事に、全員があっけに取られている そして、雪蓮はその姿に頭が冷めた

 

 

刑天「この国は、お前だけのものでは無い!蓮華の、シャオの、祭の、冥琳の、思春の、穏の、呉に住む奴ら全員の国だ!そして、美蓮が土台を作った国だ!お前が、美蓮の跡を継いだ時点でお前の命は、お前だけのものではない!」

 

 

雪蓮「刑・・・天・・・」

 

 

そして、優しい笑みをつくり―――

 

 

刑天「お前一人が強くなる必要はどこにも無い・・・俺たち全員で強くなればいい・・・違うか?だから、俺たちをもっと頼れ・・・」

 

 

雪蓮「・・・刑天・・・」

 

 

その言葉に、堪えきれずに刑天に抱きつき泣き出す雪蓮 

 

 

祭「刑天」

 

 

見ていた面々が近づいて来る

 

 

刑天「冥琳」

 

 

冥琳「は、はい!」

 

 

突然、話を向けられ返事をする冥琳

 

 

刑天「雪蓮を頼む・・・無茶したら止めてやれ」

 

 

冥琳「・・・もちろんです!」

 

 

刑天「よし・・・いい返事だ 祭、雪蓮を頼む」

 

 

そういって、雪蓮を祭に渡す刑天

 

 

祭「なんじゃ?」

 

 

その行動に、疑問を抱く祭と将たち

 

 

刑天「仮にも、王に手を上げたのでな・・・部屋で謹慎しておく ま、何かあったら侍女とかを通じて教えろ」

 

 

祭「・・・分かった」

 

 

雪蓮を止めるためとはいえ、最低限のけじめをつけなければならない 刑天のその思いを理解している祭は、何も言わなかった

 

 

雪蓮「刑天・・・」

 

 

部屋に向かい歩き出す刑天に向かい雪蓮が呼びかける

 

 

刑天「なんだ?」

 

 

雪蓮「ありがと・・・これからも、無茶しようとしたときは止めてくれる?」

 

 

その言葉に、刑天は振り返り笑みを浮かべ

 

 

刑天「当然だ・・・お前らを守るのが俺の仕事だからな」

 

 

そういった刑天に顔を紅くしながらも、雪蓮はもう一度礼を言った

 

 

そして、刑天が去った後

 

 

雪蓮「あの顔は反則よね~」

 

 

祭「まったく、なんというか」

 

 

苦笑しながら、二人はそう呟く 

 

 

蓮華・冥琳・思春「「「・・・」」」

 

 

顔を赤くして、刑天が去った方向を見ている三人

 

 

小蓮「む~・・・これは、行くしかない?」

 

 

穏「お供しましょうか~?」

 

 

なにやら、計画を立て始めた二人

 

 

雪蓮「とにかく、皆・・・力を貸してくれる?」

 

 

全員「「「御意!」」」

 

 

そして、確かにこの時に新生呉は動き始めた

 

 

 

 

―――数年後―――

 

 

美蓮がいなくなった事により、一時は滅亡の危機に陥った呉だったが、袁術に取り入りなんとか持ちこたえた そして―――

 

 

美羽「む~」

 

 

小蓮「う~」

 

 

七乃「負けちゃ駄目です!」

 

 

刑天「・・・あれ?こんなはずじゃ~」

 

 

最初は奴隷同然に扱われていたが、刑天が能力で作った蜂蜜水が気にいり、さらに美羽にいつの間にか懐かれちょくちょく七乃を連れて遊びに来て、今では、真名も許している関係です♪

 

 

刑天「どこで、間違った?」

 

 

そんな事を呟く刑天に、全員首を傾げる

 

 

美羽「刑天!蜂蜜水がほしいのじゃ!」

 

 

刑天「ん?・・・ほれ」

 

 

美羽「わ~い♪」

 

 

そして今では、刑天が美羽の教育をして結構いい子です シャオと喧嘩友達として仲良くやっています

 

 

刑天「(便宜上は、袁術軍客将だから、いいのかな?)」

 

 

まあいいだろうと言う事にして、思考を止めた刑天

 

 

―――数日後

 

 

刑天「遅い!」

 

 

思春「へ?・・・なっ!?」

 

 

思春が刑天に向かい剣を振り上げると、いきなり懐に潜り込んできた刑天により鳩尾に一撃をもらった

 

 

思春「ゲホッ・・・強いです」

 

 

訓練が終わったのか、その場に座り込みそう呟く思春

 

 

刑天「お前は、俺のように一撃必殺を狙うな お前は身が軽いから、それを生かしてみろ」

 

 

思春「あの・・・どういう意味でしょうか?」

 

 

意味が分からず、聞き返す思春

 

 

刑天「ま、簡単に言うとな とにかく、相手を翻弄して隙を見つけたら一撃を叩き込め」

 

 

思春「なるほど・・・」

 

 

思春を蓮華の護衛として、鍛えている刑天 もともと、素質があったのか、瞬く間に成長している思春に刑天はよりいっそう目をかける

 

 

明命「師父!できました!」

 

 

明命が、罠の設計図を描いて持ってきた

 

 

刑天「どれどれ・・・ふむ 前より良くなったが・・・ここに穴がある・・・やり直し」

 

 

明命「なんと!?・・・書き直してきます!」

 

 

新たに、明命・亞紗が参入し刑天の仕事が増えた 主に、育成方面で

 

 

思春「・・・大変ですね」

 

 

刑天「いや、お前らが成長するのはいいことだからな・・・」

 

 

思春「刑天様・・・」

 

 

そして、刑天は思春に蓮華の補佐を頼むと冥琳たちがいる部屋に向かった

 

 

刑天「やってるか~?」

 

 

冥琳「刑天殿!?」

 

 

穏「あ~いらっしゃいませ♪」

 

 

亞紗「先生」

 

 

刑天は、この三人にもいろいろ教えている 軍略や内政などとにかく文官として刑天が必要だと思うことを全て

 

 

刑天「冥琳、こいつらはどうだ?」

 

 

冥琳「はい・・・まだ、未熟なところはありますが、確実に成長しています」

 

 

その言葉を聞いて嬉しく思う刑天

 

 

刑天「そうか・・・少しでもいい 成長すればいいから・・・焦るなよ?」

 

 

三人「「「はい!」」」

 

 

 

 

そして、一通り全員の様子を見た後部屋に戻った刑天は―――

 

 

刑天「ん?・・・この感じは・・・来たか」

 

 

懐かしい感覚を覚え、獰猛な笑みを浮かべた

 

 

刑天「この外史では、敵・・・久しぶりに、全力で行かせてもらう」

 

 

それは、親友でもあり宿敵でもある男に向かって言った言葉 そして、それは届いていると確信している刑天だった

 

 

―――Side ??―――

 

 

??「ここが、新たな外史か・・・ん?刑天がいるな」

 

 

外史に降り立った男は、親友の気配と言葉を感じた

 

 

??「ああ・・・こっちも全力で行く・・・覚悟しておけ?」

 

 

そして、男は、この言葉が親友に届く事を確信していた

 

 

狂骨「さて・・・行くか?」

 

 

烈火の修羅が外史に降り立った

 

 

 

 

 

「あとがきコーナー」

 

 

狂骨「俺、最後しか・・・烈火の修羅って・・・」

 

 

まあ、いいじゃないw次はしばらく君が主役だしw「烈火の修羅」は二つ名ですよ?

 

 

刑天「俺の「不死の闘神」も?」

 

 

そうです

 

 

狂骨「一刀は?」

 

 

・・・種馬?

 

 

二人「「・・・」」

 

 

刑天「ところで今回、美蓮との恋愛描写が少しなかったか?」

 

 

まあ、この時代だし・・・いまさら、増えてもいいでしょう?

 

 

刑天「・・・聖たちに会うのが怖い・・・」

 

 

狂骨「というか、袁術の記述・・・」

 

 

駄目かな? 閑話で補完しようと思っているんだけど

 

 

刑天「それは、皆さんが決めるだろ」

 

 

ちなみに、刑天のみ拠点フェイズあるよw

 

 

刑天「なぜ!?」

 

 

リクエスト待ってま~すw

 

 

刑天「聞けよ!」

 

 

狂骨「ところで、俺の紹介はあるのか?」

 

 

いや、ちょっとしか出ていないから次回かな?

 

 

刑天「・・・ま、こんな感じで進んでいきます」

 

 

狂骨「次回お会いしましょう」

 

 

刑天「閑話や拠点フェイズのリクエストもお待ちしています」

 

 

 

 

刑天

 

武器:処刑刀『餓虎』

    

能力:斬ったものの命を喰らう(氣や火といった実体の無いものも可)

 

その他の能力:五行の『水』を操れるので、致命傷が致命傷にならない(気脈を乱されない限り)さらに、液体ならどんなものでも作成可能 さらに、毒とか酒とかは体内に入ったら中和されるので酔ったりとかは無い 

 

人物:太公望の、うっかりにより本来来るはずだった時代よりも前に来てしまい、いつの間にか呉の中枢にいる そして今では、呉のお父さんになっているw ちなみに、蜂蜜水を作れるようになった(美羽のお気に入り)

 


 
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