「フェイトちゃんもう行っちゃうんだね」
3ヶ月ぶりに家に帰ってこれたが昨日の晩。今度は1週間ぐらいのんびり出来そうだと嬉しそうに話していた。
でも、今朝になって緊急の通信が入った。辺境世界でロストロギアを使用した犯罪が発生したらしく、休日返上で出勤となった。
フェイトちゃんとの久しぶりに休日を楽しみにして計画を立てていたのに、いつもこうなっちゃう。
「ごめんね、なのは。スグに終わらせて帰ってくるから・・・」
フェイトちゃんが悪いわけではないのに・・・どうしてこうなっちゃうのかな?
1つ前の事件だってすぐに帰ってくるよって言って出かけていった。ただ、犯人が犯罪組織に繋がっている事が分かった為、長引いてしまった。結果としては組織は壊滅し、当面の危険は無くなった。
執務官であるフェイトちゃん、その補佐官であるシャーリーとティアナは功績を認められ昇進の話まで出ているらしい。
「ふふ・・・なのはは寂しがり屋さんだね」
フェイトちゃんの微笑みは昔から変わる事無く、私に微笑みと安心を分けてくれる。
「良いよ、寂しがり屋さんで・・・それでフェイトちゃんが早く把握帰ってこれるなら、大声で叫んで回っても良いよ」
だから、甘えたくなっちゃう。
だから、ちょっとでも離れるのが嫌なんだ。
ぷうっと膨れた私のほっぺたをつつきながら微笑むフェイトちゃん。
その表情がちょっと寂しそうで可哀想かなと思ったけど、私だって寂しいんだからお相子だよね?
「なのは・・・ありがとう。でも、やっぱり行かなくちゃ行けないんだ」
分かってるよ。それがフェイトちゃんだもんね。
「私の力は誰かを守れる。それを教えてくれた彼女と肩を並べるためにも、一緒に空を飛ぶためにも、私は頑張るからね」
「うん、頑張ってね」
その微笑みはすごく綺麗で、私の心をじんわりと暖めてくれた。
「だからね、せめてなのはが寂しくないようにプレゼントを残していくね」
首筋に顔をうずめ強く吸ってくるフェイトちゃん。
「あっ・・・フェ、フェイトちゃん。そんなに強くすっちゃダメ」
離れていた分を埋めるかのように愛し合った昨晩の事が思い出されるような強いキス。それに、見えにくい場所だけどそんなに強くしたら跡が残っちゃうよ。
「ごめんね、なのは。でも、私は必ず帰ってくるから・・・このキスマークが消える前に帰ってくるから待っててね」
「えっ?」
フェイトちゃんが呼び出されるほどの事件。それに危険性がとっても高いロストロギアらしいし、もしかしたら・・・
「大丈夫、約束するよ。私、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは愛する人の下に必ず帰ってくるって・・・。そして帰ってきたら一緒にピクニックに行くって。
ゆっくりの話していたせいか、既におきてしまっているヴィヴィオと一緒にお見送り。
「なのは、ヴィヴィオ。行ってくるね」
「いってらっしゃい、フェイトママ」
いつだって世界はこんなはずじゃない事ばかり、一緒にいたいと願っても叶わず、私は待っていることしか出来ない。でも、私は彼女の為にたった一つだけ出来る事があるから・・・フェイトちゃんの帰りを待ち続ける事が出来るから。
とびっきりの笑顔で見送ってあげるんだ。
フェイトちゃん、いってらっしゃい―――
Tweet |
|
|
2
|
0
|
追加するフォルダを選択
魔法少女リリカルなのはシリーズより
【なのは×フェイト 19歳.ver】です。
過去の作品を引っ張ってきましたので、見苦しい箇所があるとは思いますが、ご容赦ください。
愛する者とは離れたくありませんね
続きを表示