やってしまった・・・・・・。
いや。別にやってしまったこと自体を嘆いているわけではない。
あいつはああ見えて仕事もできるし、将来、伴侶とするならばあやつがいいとは思っていた。
思ってはいたが・・・・・・
まさか、こんなに早く抱かれてしまうとは・・・・・・・・
雪蓮が山賊狩りに行き、興奮が最高潮になって帰ってきた。
そこまでは何も問題なかった。いつものことだ。
しかし、その後が問題だった。
今回は北郷を差し出そうと思っていたが、あろうことか雪蓮は北郷とともに私の腕までつかんだ。
(お、おい雪蓮。今回は北郷を相手にするのではないか!?)
と心の中で叫んだが、雪蓮が放つあの異様な雰囲気に、そんなことは言えなかった。
そして、そこで言えなかったことが、いけなかった。
そのまま雪蓮の部屋に連れて行かれ、雪蓮は北郷を襲い。そのままなぜか私と北郷が結ばれるように持っていかれてしまった。
私も、それを拒否しなかったのは認めるが・・・・・
はぁ~。今さらそんなことを言っても仕方ないか。
とにかく、北郷と関係を持ってしまったという事実は今さら変えようがない。
事実が変えようがないのなら、これからは、北郷を私の伴侶たり得るように育て上げるしかないか。
そう思っていた矢先に、雪蓮が死んだ。
曹操のもとにいた許貢の残党の放った毒矢によって雪蓮が死んだ。
雪蓮が襲われたその場にいた北郷は、自分が雪蓮を助けられなかったことを深く嘆いていた。
昼間などは蓮華様や小蓮様などを慰め、その他の者たちに対しても気丈に振舞っていた。
しかし、夜、北郷の部屋の前を通ると、声を押し殺して泣く北郷の嗚咽が、かすかに聞こえてきていた。
そうした日々が数日続いた。
しかし、いつまでも嘆いてばかりは居られない。
時は乱世だ。わずかでも隙を見せれば、すぐにでも他国に国を奪われてしまう。
蓮華様を中心として国を立て直すために、早急にとりかからねばならない仕事が山ほどあった。
私は雪蓮との約束を守るために、蓮華様たちを支え、孫呉を守るために、仕事に没頭していた。
毎日、起きている間はとにかく仕事をした。
そうしていないと、すぐにでも泣いてしまいそうだった。
そんな私を北郷は「あんまり無理しすぎないでくれよ?」とそれとなく心配してくれていが、私はその心使いに「あぁ。わかっている。」と答えるだけだった。
それに、仕事や蓮華様たちのことを考えている方がよっぽど楽だった。
国内の反乱の鎮圧など、仕事はいくらでもあったし、呉の王としてこれから様々な重圧に耐えていかなければならない王としての蓮華様や、女性として北郷に恋心を寄せている蓮華様を支えていくことの方が気が紛れた。
自分の体のことなど、どうでもいいように思っていた。
しかし、そう思っていたのもつかの間、私の体が悲鳴をあげた。
頭痛が収まらず、きちんと睡眠ととっても眠気が取れなかった。
食欲がわかず、仮に食事がのどを通ったとしても、すぐに吐いてしまうことが度々あった。
時には、食べ物の匂いを嗅いだだけで、吐きそうになることもあった。
こうした変化は、最近の多忙故かと思っていた。
そうした体調不良を蓮華様たちに見せては、いらぬ心配を招くと思い、私は極力そうしたそぶりを見せないように心掛けた。
しかし、北郷の眼だけはごまかせなかった。
国内の反乱が起きたあたりから、私の体調を気にかけていた北郷は、私の異変をいち早く気づき、ある軍議の後に私に声をかけて来た。
「冥琳。最近顔色悪いけど、大丈夫か??」
そう心配そうな顔をする北郷に、私は出来るだけ明るい顔で答えた。
「あぁ。反乱鎮圧の処理などで、最近は仕事が立て込んでいたからな。少し疲れがたまってるのかもしれん。少し休めばすぐによくなるだろう。」
そう答える私に、北郷は少し悲しそうな顔をした。
「冥琳・・・・・。ホントはそれだけじゃないんだろう?反乱鎮圧の時もかなり無理してるみたいだったけど、今回はそれ以上につらそうだ。俺じゃ頼りないかもしれないけど、たまには頼ってくれないか?」
北郷の悲しそうな顔を見ているのはつらかったが、それでも今、体の変調を皆に悟られるわけにはいかない。そう思った。
「本当に大丈夫だ。明日は休みをもらっているし、1日ゆっくり休めば、すぐによくなる。」
明日休みをもらっているのは本当だが、1日丸々休む気はなかった。だが、ここでこうでも言っておかなければ、北郷からは隠し通せないと思った。
「でも・・・・」
そう言って食い下がろうとする北郷の肩に、私はそっと手を置いた。
「大丈夫だ。本当にお前が気にするほどのことではない。・・・だが、お前が気にかけてくれたことは、本当にうれしく思うぞ。北郷。」
出来るだけ穏やかにそう言うと、北郷は本当に心配そうな瞳で私を見ていたが、それ以上食い下がろうとはしなかった。
(すまんな、北郷。ここで休むわけには・・・・・ッ!)
なんとか北郷を説得出来たと思ったそのときだった。
遠くからかすかに食事の匂いがしてきた。
時刻は日が沈み始めたころであるから、おそらく城の調理場で夕餉の準備が行われているのだろう。
体が変調をきたす前なら、その香りは食欲をくすぐるいい香りであったが、今も私には吐き気を誘う香りに他ならなかった。
(くッ!・・・・こんな時に・・・・・!!)
たいして中身が入っているわけではないが、私の胃が中身を出そうと動き始めた。
私は慌てて口元を手で塞ぎ、廁に向かおうとした。
「め、冥琳!?どうしたんだ!!?」
どうにか納得させられそうだった北郷が、私の行動に慌ててそう聞いてきた。
「な・・・・・何でも・・・・」
なんとか、そこまでは言葉にできたが、それ以上言うと胃の中身も一緒に出て来そうだった。
「冥琳?吐き気がするのか??・・・とりあえず、外へ出よう!!」
そう言って、私の肩を抱き外へと誘導する北郷に抗えず、私はそのまま城内の庭に連れていかれた。
「ウッ・・・・・・・」
庭の隅で北郷に背中をさすられながら、私は胃液を吐きだした。
先ほどの会議室まで漂ってきていた食事の匂いは、庭までは届いていないようだ。
一通り胃液を吐き終えると、吐き気はおさまった。
「・・・・・・・・・・」
ずっと黙って私の背中をさすってくれている北郷の服に、木々の合間から差し込む夕日の赤い日差しが反射していた。
「・・・・・・北郷。このことは蓮華様たちには・・・・」
そう言いかけると、北郷がそっと手巾を差し出した。
「あ、あぁ。ありがとう・・・・・。」
私が北郷の手巾で口元を拭くと、北郷がすっと立ち上がり、私に手を差し伸べた。
「ほ、北郷・・・・・。」
このことを他の者たちに伝えられては、私は強制的に休まされるかもしれない。
これからの孫呉にとって一番重要なこの時期に、悠長に休んでなどいられない。
ここで立ち止まってしまっては、雪蓮とみた夢が淡く消えてしまう。
私は北郷の手にすがるように掴まった。
「頼む北郷・・・・・・、みなには、みなにはこのことを言わないでくれ・・・・」
私の手は震えていただろうか。北郷は私の手をしっかりつかむと、静かに私の前にしゃがんだ。
「・・・・冥琳。君がなぜそこまで一人で頑張ろうとするのか、俺には少ししか分からない。でも雪蓮のこと、これからの呉のこと、他にもいろいろあるけど、そられらすべてを一人で背負おうとしているのは分かる。」
北郷は静かに、子供に語りかけるように続けた。
「そんな冥琳の力に少しでもなりたいって、俺も、みんなも、そう思ってるってことだけは忘れないで。雪蓮が死んで、この上冥琳まで死んでしまったら、俺はどうすればいいの?愛した人が2人も死んでしまったら、俺はどうすればいいの?」
「お、お前には蓮華様たちが・・・・・」
私がそう言いかけたのを、北郷は首を振って止めた。
「蓮華たちも愛してるよ。でもね。蓮華と冥琳は違う人でしょ?冥琳が死んでしまった悲しみは、他の誰にもいやせないんだ。雪蓮が死んでしまった悲しみを、他の誰にもいやせないようにね。」
沈みかけていた太陽が完全に山の陰に隠れ、空は茜色から濃い群青へと変わっていた。
「だから、たとえ孫呉が天下を手に入れても、冥琳が死んでしまうんだったら、俺はそんな天下いらないんだ。たぶん、他のみんなも・・・・天国の雪蓮もそう思ってると思う。」
北郷は少し間をおいてから、やさしい声で続けた。
「雪蓮が言ってたよ。『本当は天下統一なんてどうでもいい。呉の民たちが、そして仲間たちが笑って過ごせる時代が来ればいいんだ』ってね。冥琳は、雪蓮が1番に笑ってほしかった人なんじゃないの?」
北郷の問いかけで、私の頭の中に、いつもの笑顔で微笑む雪蓮の顔が浮かんだ。
「し、しかし、今私が休むわけにはいかぬのだ。今は孫呉にとって最も重要な時期。この時期に休んでなどいては「冥琳!!!!」・・・・」
雪蓮の笑顔を振り払い、なんとか絞り出した言葉を北郷が遮った。
「冥琳。いい加減にしないと、本気で怒るぞ!冥琳が体を壊してまで仕事をしようとするのなら、このこと、蓮華を始め呉の文官・武官すべてに伝えて、これ以上仕事をできなくするからな!!」
その言葉は、私にとっての死刑宣告を突きつけられたようなものだった。
「た、頼む北郷!それだけは・・・・・、それだけはやめてくれ!私は・・・・・、私は・・・・・・・・」
(雪蓮が残した孫呉を、蓮華様たちを支えていかなければ、この乱世を乗り越えていかなければならないのだ・・・・・!!)
その思いは言葉にならなかった。ただ思いが涙となって頬をつたっていた。
雪蓮が残したものを、雪蓮が守ろうとしたものを、雪蓮が叶えようとした夢を、私が支えなければ、私が守らなければ、私が叶えなければならないと思っていた。
少なくともこのときは、そう思うことが私を支えていた。
頬を伝った涙が、地面へと落ちて行く。
その滴一つひとつが、それまで私の中で誰にも見せることのなかった雪蓮への思いのような気がした。
ふと北郷が私の頬に触れた。
その手は優しく、暖かく、私はゆっくりと視線を上げた。
「ごめんな。冥琳がつらい時に何もできなくて・・・」
北郷はとても悲しそうに、ただし、その中に深い優しさがあるような、そんな顔をしていた。
「ごめんな、気づいてやれなくて。冥琳も雪蓮がいなくなって悲しかったんだよな。人一倍雪蓮との距離が近かったから、人一倍悲しかったんだよな。だから、人一倍頑張って雪蓮の残したものを守ろうと、雪蓮の夢を実現させようとしたんだよな。」
北郷はゆっくりと私の涙をぬぐった。
「でも、これからは俺にも手伝わせてくれ。まだまだ勉強不足だし、そんなに役に立たないかもしれないけど。でも、冥琳が一人で背負おうとしてるものを、少しでも軽くできるように頑張るから。」
北郷はそう言うと、悲しそうな顔をふっと緩めて、やさしく微笑んだ。
「・・・・・・・・・」
私はすぐに返事をすることができなかった。
涙となって溢れ出ていた雪蓮への思いも、一緒に背負ってくれそうなその微笑みが、どこか頼りなさそうで、少し眩しくて。
(雪蓮が言っていたな、『ヌケてるところが、一刀の可愛いところだ』と。このどこか頼りないところも、雪蓮が言う可愛いところなのだろうか・・・・・・。)
先ほどまで張りつめていた緊張の糸が、スッと緩んだような気がした。
「・・・・・・・・・・・北郷では、・・・・・・・・確かに力不足だな。」
自然と表情が緩んでいた。
「そ、それはそうかもしれないけど・・・・・・」
北郷は少し困ったような顔をして、言葉を探っているようだった。
(ふふ。これが可愛いということか?雪蓮・・・・)
ふとそんなことを思った後に、まだ困ったような顔をしている北郷がすごく愛おしく感じて、私は静かに北郷を抱きよせた。
「っ!・・・・め、冥琳!?」
すこし驚いたような北郷を抱きしめたまま、私は北郷の耳元で囁いた。
「ありがとう、北郷。お前がいてくれて、本当によかった・・・・・・・。」
そう私が言い終えると、北郷が少し戸惑いながら優しく私を抱き返してきた。
「冥琳。君が言ってほしくないって言うのなら、今回のことは誰にも言わない・・・・・。」
北郷はそうゆっくりと言ったあと、私の肩を持って、向かい合うように私の顔を見た。
「ただし!」
北郷は一呼吸おいてから、しっかりとした口調で言った。
「医者には行ってもらうからな。これは絶対だ。他の人にはバレないようにするから、絶対医者に行くこと!あと、仕事をするなとは言わないから、出来るだけ無理はしないでくれ。この2つは、約束してくれ。いいかい??」
そう真剣に言う北郷の眼差しに、私は少し顔を赤らめてしまっていた。
「あ、あぁ・・・・・・・。」
私がそう答えると、北郷はニコッと笑い、私の前に小指を出してきた。
「・・・・・・??なんだ?小指などを出して、何をする気だ??」
私がそう聞くと、北郷は答えた。
「俺のいた国で約束するときにする儀式だ。さぁ。冥琳も小指出して!」
北郷に促されるまま、私は北郷の前に小指を出した。
すると、北郷は自分の小指と私の小指を絡め、それを上下に動かしながら唱え始めた。
「指きりげんまん、嘘ついたら、針千本の~ます。指切った!」
唱え終えると、北郷はパッと指を離した。
「な、なかなか、恐ろしい儀式だな・・・・。」
私がそう言うと、北郷は微笑んだあと少し真面目な顔をして
「いい?冥琳。約束破っちゃだめだからね!?」
といった。
「あ、あぁ。わかっている・・・・・。」
私がそう答えるのを聞くと、北郷はスッと立ち上がり、私に手を差し出した。
「立てる?」
そうやさしげに言う北郷の手に掴まり、私は立ち上がった。
空を見上げれば、数多の星々とともに、半分に欠けた月が、辺りを照らすように光り輝いていた。
「さてと、・・・・・冥琳は明日、お休みなんだよね?」
ふと、北郷がそう聞いてきた。
「そうだが?」
私が答えると、北郷はふっと微笑んだ。
「それじゃあ、明日のお昼ぐらいに迎えに行くから、部屋で待っててね。」
「お、おい。迎えに来るのはいいが、どこに行くというのだ?」
突然の北郷の言葉に少し慌てた私は、そう聞いた。
「さっき、約束したでしょ??」
そうやさしげに言う北郷の顔は、いたずらを成功させた時の雪蓮に少し似ているような気がした。
「なっ!・・・・・だからと言って、そんなに急に行くことはないだろう!?」
私がそう言うと、北郷は少し空を見上げながら言った。
「あぁ~。なんか急に蓮華たちとお酒を飲みたくなってきたなぁ。お酒飲んだら、言っちゃいけないことまで言っちゃいそうだなぁ・・・・・」
(くっ・・・・・・何でこんな時に限って、軍師らしい駆け引きをしてくるのだ!)
そう心の中で、悪態をついても北郷に逆らう訳にはいかなかった。
「わ、わかった。明日の昼ごろだな。・・・・・・・・・はぁ~。」
こうして、次の日私は北郷に連れられて医者に診てもらうことになった。
医者と言っても、城内に居る城仕えの医者に診てもらったのでは、蓮華様たちに情報が漏れる可能性があったため、北郷が城下の町医者を探しておいてくれた。
そして、約束通り昼ごろに私も部屋に迎えに来た北郷に連れられ、私は医者のもとを訪れた。
その町医者は、好々爺といった風な老人だった。
北郷が先に事情を説明しておいてくれたのか、その町医者は始めに、私に診察したことや、その内容について誰にも話さないと誓ってくれた。
「・・・・では、そろそろ診察を始めます。まずは周瑜様のご容体をうかがいたいのですが・・・・」
そう医者に聞かれたので、私は最近の体の不調について話した。
「ふむ・・・・・・では、少し失礼して、脈を見させてもらいますぞ?」
そう言って、私の手首に指をおいて脈を調べている医者は、少し小難しいような顔をしていた。
「・・・・・ふむ。先ほど伺った体の不調が起こり始めたのはいつごろからですかな?」
「およそ、1ヵ月ほど前からだ。」
「ふ~む・・・・・・・」
医者はそう言って唸ると、また小難しいような顔をした。
「・・・・・先生。冥琳・・・・・周瑜の様態はどうなんでしょうか??」
小難しい顔に不安になったのか、北郷がそう医者に訪ねた。
「・・・・・・・。周瑜様、大変失礼なことを伺いますが、よろしいですかな?」
医者はそう私に訪ねた。
「あぁ。かまわない、聞いてくれ。」
何を聞かれるか分からなかったが、私の体のことに関することには違いないと思い、私はそう答えた。
「・・・・・・・3ヶ月ほど前に、男と同衾をなさいませんでしたか?」
「なっ!・・・・・・・・」
医者の聞いてきたことがあまりにも意外だったため、私は思わず声を上げてしまった。
「お、男との同衾と今回の不調に何か関係があるのか!?」
そう聞いた私に、医者は真剣なまなざしで答えた。
「はい。そのお返事によって、周瑜様の変調の原因が何であるか特定できます。」
あまりに真剣なまなざしだったため、私はしぶしぶ自分の記憶を探った。
体に変調を起したのが大体1ヵ月前、今から1ヵ月半前に国内反乱の鎮圧を行ったところだから、三ヵ月前というと、大体雪蓮が山賊狩りに行ったあたりか。
(・・・山賊狩り??確かあの時は、雪蓮にいつもの症状が出て、それで私と北郷を・・・・・・・)
「あぁー!!!!!」
私がいきなり大声を出したので、その場に居た他の二人が驚いていた。
「ど、どうされましたか!?」
慌てて医者が聞いてきた。
「い、いや。すまん、何でもない。」
「そうですか・・・・・・・」
「「「・・・・・・・・・・・・・」」」
しばらくの間、沈黙があたりを包んだ。
「さ、先ほどの質問だが・・・・」
意を決して、私は口を開いた。
「さ、3ヶ月ほど前に、ど、同衾を・・・・・・・した。」
私がそう告げると、医者は少しうれしそうに、
「そうですか。そうですか。」
と言って、笑顔でうなずいた。
恥ずかしさから私が少し黙っていると、医者がニコニコしながら話し始めた。
「周瑜様の最近の不調に関しましては、心配せずとも大丈夫ですよ。」
「「ほ、本当か(ですか)!?」」
私の声と、北郷の声が重なった。
「ふぉっふぉっふぉ。むしろお喜びください。周瑜様はご懐妊なさったのですよ。」
一瞬、言葉の意味が理解できなかった。
(懐妊?誰がだ??・・・・・・私か!?誰の子を!!?・・・・北郷の子か!!!!???)
「・・・・・・私が、妊娠した・・・・・だと??」
ニコニコとする好々爺と、まだ状況がうまく飲み込めていない北郷を見回しながら、私は天に向かってつぶやいた。
(雪蓮・・・・・私はどうすればいいのだ?)
続く
あとがき
どうもkomanariと申します。
前作に多くの閲覧・支援・コメントをしてくださった方々、本当にありがとうございました。
さて、今回は前作のコメントで、「冥琳を幸せに」というコメントを皆さまから頂いたので、そのリクエストにこたえるため、そして、冥琳さんへの謝罪の気持ちをこめて、精一杯冥琳を幸せにするために書き始めたお話です。
どうにかして、冥琳を幸せにしようといろいろ頑張っていたら、肝心の冥琳や一刀が若干キャラ崩壊してしまったような気がしています。
その辺が気になった方々いらっしゃいましたら、申し訳ありませんでした。
予定としては、前後編になるつもりなので、後編でどうにかして冥琳さんを幸せにします。
そんな感じで、がんばって書いたお話ですが、今回も閲覧していただきありがとうございました。
それでは、また後編で・・・・・
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前作で、冥琳を幸せにっというコメントをいただいたので頑張ってみました。
時間軸などは前作とは異なりますが、今回は何とかして冥琳を幸せにするために頑張って考えました。
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