「刑天くんの印象」
ここは、城の一室
一刀「なあ・・・刑天よ」
刑天「どうした?北郷?」
ここに居るのは、一刀・狂骨・刑天の男三人のみ 最近は、この三人でいる事が多くなった
一刀「お前・・・なんか性格っていうか・・・イメージっていうか・・・変わってない?」
狂骨「確かに・・・元幽州組は、「誰だ、こいつ?」な感じだしな・・・」
二人の意見はもっともだった 反董卓連合の折や対袁紹軍のときとは性格が180度違うのだ
刑天「う~ん・・・あの時は、まあ狂っていたというか・・・とにかく、聖たちのおかげで正常になったというか・・・」
一刀「そんな感じなの?」
狂骨「太公望に聞いたが、俺たち仙人は『強い意思』により変化した存在らしい・・・まあ、精神的なものらしいが だから、考え方とかが変われば性格とかも変わるんじゃないか?分からんが・・・」
刑天「まあ、性格が変わった事は自覚しているが・・・」
一刀「あんまり、考えると余計に分からなくなるからここまでにしておこう」
二人「「だな」」
「月と詠と刑天」
―――Side 刑天―――
俺がここに来て、2日がたった・・・汜水関からいた連中とまだ、溝がある気がするが仕方ないか・・・それでも、あいつらには言っておかなければならないことがある これはけじめだ・・・だから―――
刑天「月、詠いるか?」
―――Side 月―――
詠ちゃんと一緒に、部屋でゆっくりしていると突然刑天さんが尋ねてきました
詠「・・・何か用かしら?」
詠ちゃんは、不機嫌な態度を隠すこともなく刑天さんに応対しました
刑天「すまなかった」
月・詠「「!?」」
その言葉と共に、刑天さんは私たちに土下座をしました・・・
刑天「お前らを苦しめたのは、俺たちだ・・・俺たちが北郷を殺すためにお前たちを大罪人に仕立て上げ・・・お前たちの生活を壊した」
・・・
詠「だったら何なのよ!謝ってすむとでも思ってんの!?あんた達のせいで月は・・・住んでいた家も・・・家族も失ったのよ!」
刑天「謝ってすむとは思っていない・・・お前らの恨みも、怒りも、悲しみも全て背負う永遠に」
月「・・・どういうことですか?」
永遠にって・・・
刑天「俺は、死ぬことはない・・・だから、永遠に罪を償っていく」
詠「・・・償うって何するつもりよ?」
刑天「お前らを守る・・・何があろうと・・・例え、四肢を失くそうと・・・お前らから拒絶されたとしても」
強い意志を瞳に宿らせた刑天さんは私たちを見てそう言った
―――Side 刑天―――
詠「だったら何なのよ!謝ってすむとでも思ってんの!?あんた達のせいで月は・・・住んでいた家も・・・家族も失ったのよ!」
・・・確かにその通りだ 事実、月と詠の家族を殺したのは俺だ・・・狂っていたとはいえ俺がしたことに変わりはない だから、俺はこいつらの恨みや怒り、悲しみを全て受け入れなければならない・・・そして、罪を償うためにこいつらを―――
刑天「お前らを守る・・・何があろうと・・・例え、四肢を失くそうと・・・お前らから拒絶されたとしても」
これが、俺のけじめのつけ方だ・・・
―――刑天の部屋―――
あの後、詠から出て行くように言われた俺は部屋に戻ってきた
狂骨「『お前らの恨みも、怒りも、悲しみも全て背負う』か・・・柄じゃあないんじゃあないか?」
・・・こいつ、いつの間に?
刑天「『以前』の俺ならな・・・だが、『今』の俺は違う 守ってやるさ・・・あいつらも俺の『守りたいもの』だ」
狂骨「そうかい・・・ま、手が必要なときは言え」
刑天「ああ」
・・・街にでも行くか
―――Side 月―――
私たちは、休憩を使って街に来ています さっきから、詠ちゃんの様子が変・・・ たぶんさっきの刑天さんとのやり取りだと思います あの後
詠「・・・何なのよ・・・あいつ・・・月を、私たちの生活を壊しておいて守るって!?」
月「詠ちゃん・・・」
私だって、分からない・・・でも、刑天さんはあの時とはまるで違う・・・何があったのか分からないけど・・・変わっている それを感じるから余計に分からない・・・なんで、恨まれることを知ってあんなことをいうのかが・・・
詠「あれ?ここどこだっけ?」
月「え?」
二人して考え込んでいたらまったく知らないところにいました・・・人もいない・・・そう、私たちはいつの間にか街から外れたところに来ていました
月「詠ちゃん・・・戻ろう?なんかここ怖い・・・」
詠「う、うん・・・」
人がまったくいないここが怖くなった私たちはすぐに街に戻ろうとしたけど突然現れた人たちに囲まれてしまいました
盗賊1「へへ・・・お嬢さんがた?ここは、危ないですよ~?」
盗賊2「そうそう・・・俺たちみたいなのがいるからね?」
詠「だったら、そこどきなさいよ!」
詠ちゃんはそう威嚇する感じで言うけれど、効果はない・・・私たちは二人、この人たちは20人ほど・・・
盗賊1「それは聞けない相談だ・・・あきらめな ここは、俺たちみたいな奴しかいないから助けを呼んでも誰も来ないぜ?だから・・・な?」
その言葉で、私たちは一気に血の気が引いた・・・体が震えてきた・・・怖い・・・詠ちゃんは私を守るように横に立っているけど詠ちゃんも震えている
盗賊2「お?がんばるねぇ・・・いつまで続くかな?」
月「詠ちゃん・・・」
詠「大丈夫・・・大丈夫だから・・・」
洛陽での監禁とはわけが違う恐怖・・・あれも、怖かった けれど、今回は襲われる恐怖もあり、その心配がなかった洛陽のほうがまだ幾分かはマシだった・・・
盗賊3「へへっ!ヤっちまうか?」
その言葉がきっかけとなったのか、盗賊たちが段々近づいてきた・・・
月「助けて・・・」
詠「そんな・・・」
盗賊の一人が、抱き合って震えていた私の腕をつかんだ
月「ひっ!」
詠「!やめて!月には!」
盗賊1「はいはいw」
月「あ・・・あ」
そのとき私の頭に思い浮かんだのはあの強い瞳とあの言葉―――
刑天『お前らを守る・・・何があろうと・・・例え、四肢を失くそうと・・・お前らから拒絶されたとしても』
詠「なんなのよ!私たちを守るんじゃなかったの!?「その通りだ!」え?」
盗賊1「ギャア!」
私をつかんでいた盗賊が突然吹き飛ばされ、地面に落ちそうだった私を抱きかかえたのはさっき頭に浮かんだ人―――
月・詠「「刑天(さん)」」
―――Side 刑天―――
街に出て、月たちを見た気がしたので探していたら妙なところについたが・・・そこには、どう見ても堅気じゃない男たちに囲まれた月と詠がいた・・・させん!
月・詠「「刑天(さん)」」
刑天「怪我はないか?」
月「は、はい!」
詠「お、遅いわよ!」
刑天「すまんな・・・」
そんだけ、軽口が叩けるなら大丈夫か・・・だが、
盗賊2「てめぇ・・・なにしやがる!」
それはこっちの台詞なんだが・・・
刑天「俺は、こいつらを守る・・・心身ともに様々な危険からな・・・だから、貴様らに容赦はせん この刑天が黄泉路への案内を仕ろう」
盗賊1「ああ!?てめえが行けや!」
・・・ま、聞く耳を持たないのは分かっていたが・・・こうも即答されるとは・・・
刑天「まあいい お前らが信じる神に祈りは済ませたか?地獄の獄卒に苦しめられる覚悟は?できた奴からかかってこい・・・」
盗賊たち「「「ウオオオ!!!」」」
ただの盗賊が・・・俺を倒すことができるか?無論、負ける気はないし・・・こいつらを傷つけた報いは受けてもらう!
―――Side 詠―――
目の前で、刑天と暴漢たちの戦いが行われていた・・・いや、戦いというより一方的な虐殺とも言える光景 普通なら、恐怖を覚える場面・・・でも、不思議とそういう感情はわいてこなかった
月「私たちのために怒っているから・・・」
詠「え?」
月「私たちのために怒っているから、怖くないんだよ それに、刑天さんはできるだけ私たちにあの人たちを斬っている瞬間とかを見せないようにしているし、斬った後は廃墟の中に吹き飛ばしているから」
その言葉の通り、あいつが暴漢を斬っている瞬間はあいつの体が不自然な体勢でいるせいで見えないし、斬った後はどれだけ、そいつが大きくても廃墟の中に吹き飛ばしていた・・・なんで?暴漢を全て倒した後そのことを聞いてみた
刑天「言ったはずだ・・・お前らの心身ともに守る、と・・・斬る瞬間や死体を見てお前らが不快感を抱いたら意味がないだろ?」
月「だから、あそこまでしたんですか?」
刑天「ああ」
こいつ・・・
刑天「大丈夫か?お前ら、泣いているが?」
月・詠「「え?」」
指摘されて、確かめてみると確かに泣いていた・・・あれ?なんか急に・・・
刑天「泣いておけ・・・泣くのは別に駄目なことじゃない」
月・詠「「あ・・あぁ・・・」」
その言葉がきっかけとなり、ボクたちは刑天に抱きついて大声で泣いた
―――Side 刑天―――
月「怖かった・・・怖かったです!」
刑天「そうか・・・詠は?」
詠「聞くな!」
ふう・・・二人とも、よほど怖かったんだろうな・・・しかし、間に合わなかったらと思うとゾッとする・・・本当に間に合ってよかった
そして、泣きつかれ寝てしまった二人を抱えて城に戻ると―――
桔梗「ん?どうした・・・って、月と詠?」
刑天「ああ、ちょっとな」
ま、わざわざ話すことでもないな 桔梗を適当にかわした後、聖と涼にもあった・・・こいつらは俺の反応を見て何かあったことを感じたらしい・・・すげ~・・・
聖「旦那様が何をなされたかは聞きませんが・・・」
涼「ボクたちもいること忘れないでくださいね!」
・・・まったく、俺は人に恵まれているな
そして、翌日―――
俺たち武将は、訓練場で二人一組で訓練をしていた もちろん、俺の相手は狂骨だ 他の、奴らは勝敗が決まったが俺らは決まらない
狂骨「腕上げたか?」
刑天「そりゃあな!俺にも、負けられない理由ができた!」
狂骨「ハッ!上等だ!ぶっ飛べ!」
刑天「貴様がな!」
クロスカウンターが決まり勝敗は引き分け ま、いつも通りといえばいつも通りなんだが
狂骨「ふう・・・やはり、強くなっているな・・・」
刑天「ああ・・・俺の守りたいものためにも、限界を作る事はできない」
そして―――
月「刑天さん!」
ん?
月「こ、これどうぞ!」
詠「・・・一応、昨日の礼よ・・・それだけだから・・・」
刑天「・・・ああ、ありがとうな(ナデナデ」
月「へう!」
詠「な!?」
聖・涼・桔梗「「「む・・・増えた?」」」
・・・我ながら節操がないか?
狂骨「俺は、人の事言えないから発言なしで」
・・・だろうな
一刀「え~と「「お前も、人の事言えないぞ?」」え!?」
・・・言えると思っていたか?
乙女たち「「「「・・・まあ、そうですね」」」」
一刀「ええ!?」
「刑天との出会い」
ここは、蜀の首都成都の城の一室 そして、首脳陣がお茶会を催していた そして―――
朱里「それにしても、刑天さんは前あったときとはぜんぜん違いますね」
反董卓連合での刑天を知っている面子はみなうなずいた
紫苑「それは、聞きましたけど・・・聖ちゃん、涼ちゃん 刑天さんとどうやって会ったの?」
月「私も知りたいです」
聖「そうですね・・・」
刑天「俺から話そう」
回想
―――Side 刑天―――
雅樹「刑天!」
刑天「―――いつか教えてもらうぞ?お前が言っていた『大切なもの』を!」
ふっ・・・いつか、か 俺はどうしたんだ?何故、あのような事を・・・どうでもいいか
そうして、俺の意識は切れた―――
―――Side 聖―――
私は、今村の近くの川に妹のようにかわいがっている涼や村の子供たちを連れて水遊びに来ています
涼「姉さん!ボクだけじゃ無理だって!」
聖「はいはい・・・大丈夫だから」
私は、子供たちを涼に任せて付近の警戒に行きます ここは、呉と幽州の境で治安が悪いわけではありませんが、平和というわけでもないんです・・・村でまともに戦えるのは私と涼くらいなものです 村の皆を守るためにも油断はできません
聖「さて・・・このくらいでいいでしょう・・・あら?」
なんでしょう・・・川原に・・・人!?
聖「涼!こっちに来て、人が倒れている!」
涼「へ?わ、分かったよ!」
涼が、こちらに向かってくるのを待たず倒れている人の元へ駆け寄る・・・
聖「ひどい怪我・・・敗軍の人でしょうか?」
身の丈ほどある大剣と、灰色の外套、顔に巻かれた包帯・・・一般の兵ではない?では、どこかの将?
聖「とにかく、放っておくわけにはいきませんね」
そして、村の人にも手伝ってもらい倒れていた人を私と、涼が住んでいる家まで運んで治療を施しました 顔の包帯を取ると、整った顔が見えました・・・でも、顔を右から斜めについている傷でこれを隠すために包帯をしていたのかと思いました
涼「姉さん・・・」
聖「・・・」
この人を見ているとなんか、不思議な気持ちになってきました
??「ん・・・」
聖・涼「「!」」
―――Side 刑天―――
暗い世界で、あの記憶が繰り返される・・・女はいつも俺に優しく諭す・・・しかし、記憶の中の俺はそれを頑なに拒む・・・何なんだ・・・これは?そして―――
刑天「ん・・・」
??「「!」」
目を覚ますと、二人の少女が俺を覗き込んでいた
刑天「ここは・・・」
太史慈「ここは、呉と幽州の境の村です 私は、太史慈といいます・・・こっちは、凌統です あの・・・あなたは?」
太史慈がそう問いかけながら、凌統を庇うように前に立つ・・・ま、当然の反応か・・・しかし、この太史慈・・・どこかで見覚えが・・・
刑天「・・・刑天だ」
太史慈「・・・それだけですか?」
刑天「生憎、これ以外の名は捨てた・・・別に、真名を教える必要はないぞ」
太史慈は俺の名前が「刑天」のみだと知るとばつが悪そうにした・・・ま、姓や字、真名を持たない奴などいないからな
凌統「それで、刑天さんはどうして、川で流されていたんですか?」
刑天「戦でまけたのさ・・・宿敵にな」
俺は珍しく、自分から全てを話した・・・外史の事、俺の事を、そして、俺がやってきた事を―――
太史慈・凌統「「・・・」」
黙るか・・・まあ当然か
刑天「心配せずとも、明日にはここから出て行く」
太史慈「駄目です!まだ、治っていないんですよ!?」
刑天「さっきも言ったが、俺は気脈を乱されなければどんな傷も治る・・・明日には、気脈が戻るはずだ」
太史慈「駄目です!」
刑天「しかし」
凌統「諦めたほうがいいですよ?姉さんは、こうなると譲りませんから」
・・・ま、ここから出たところで今の俺ではどうしようもないか そして、一週間後俺はこいつらから真名を教えられ、涼からは「兄さん」と呼ばれるようになっていた
涼「兄さんは、これからどうするの?」
どうする、か・・・俺は・・・
聖「刑天さん、そろそろ夕食にしましょう」
食卓で、夕食をすませた後俺は、こいつらにあの事を聞いてみることにした―――
刑天「お前らには、『大切なもの』『守りたいもの』はあるのか?」
聖「・・・はい 私は、涼やこの村の人たちを守りたいんです・・・だから、そのために戦ってきました」
涼「ボクは姉さんを助けるために強くなってきたんだ・・・だから、ボクはボクたちを守ってくれる姉さんを守りたいんだ!」
こいつらも・・・
刑天「・・・俺には・・・分からない 何故、そんな理由で戦えるのかが・・・俺は」
あの記憶を見てから・・・俺は、今までの俺が崩れていく気がしていた・・・実際、何かが変わっているのを自覚していた
聖「多分刑天さんは、迷っているんです でも、それはいい事です」
何?
聖「人は・・・いえ、生きているものは全て迷っているんです そうやって、新しい自分を見つけようと迷っているんです だから、変わっている自分を認めてください」
俺は・・・―――そして、数日が経ち俺もいつの間にかこいつらといるのが楽しくなっていた しかし―――
村人「大変だ!盗賊が!」
この村に、盗賊が来たらしい・・・おそらく、元袁術軍の兵だろう 数日前に、呉の孫策たちが袁術を討伐したという噂があったからな
聖「涼、行きますよ!刑天さんは、ここにいてください!」
涼「うん!兄さんは、まだ戦っちゃ駄目だからね!」
・・・俺の気脈はいまだに戻らなかった だから、歩く事しかできない・・・情けない そして俺は、村の集会所に避難していた―――
老人「・・・聖ちゃんたちで大丈夫かの?」
子供1「大丈夫だよ!ねーちゃんたち強いもん!」
子供2「でも・・・」
俺は、何もできないのか?『あの時』のように『大切なものを守れないのか』?
??『私を大切に思っているのは嬉しいよ?でも、私だけじゃなくいろんな人も大切に思ってよ・・・皆を守るために私たちは戦っているんだからね?』
??『『大切なもの』?そんなの、説明できないよ?自然にそう思っている事・・・それが『大切なもの』だよ』
違う記憶が見えた・・・これは?
??『考えてみて?仲間や恩人、恋人が殺されそうになったら、怖いよ?だから、私は仲間を・・・『大切なもの』を守るために戦うんだよ・・・君もそうでしょ?』
恩人・・・聖たちが・・・殺される?『また』俺は失うのか?あいつ等を・・・
??『迷っているなら、突っ走れ!そうすれば、守れるものも増えるんだから!』
それは、遠い昔の記憶だった 思い出した・・・俺は、諦めたんだ 沙耶を―――かつて炎帝神農氏と呼ばれていた―――お前を守れなかったから・・・それを認めたくなかったから、それを記憶の奥に封じ込めて・・・『大切なものは必要ない、自分のために戦えればいい』と思い続けて・・・いつの間にか、『ただ、殺したい・戦いたい』と思う欲を抑え切れなくなって
仙石に執着していた理由は多分、あいつに嫉妬していたんだ 沙耶、君を守る事はできなかったけど・・・聖たちを守ってみせる・・・今度こそ!
老人「刑天殿、どこへ?」
刑天「ふっ、決まっている・・・聖たちを助けに行く!」
やってやるよ・・・
刑天「我が名は刑天・・・かつて、三皇五帝が一人「神農氏」の忠臣として、神農氏を守るために首を斬り落とされても胸を目に、腹を口に変えて戦い続けた武神の名を持つ者なり! 参る!」
気脈が戻った?・・・考えている暇はない、行くぞ!
―――Side 聖―――
涼「姉さん!」
さすがに、数が悪かったです こちらは、二人であちらは200ほど・・・今の私たちでは無理なのでしょうか?「諦めるな!」
聖・涼「「え?」」
諦めかけた私たちの眼に映ったのは、迷いを捨てた刑天さんの姿でした
刑天「・・・俺は、一度『大切なもの』を守れなかった そして、諦めた だが、ここでお前らを失うわけにはいかない・・・今度こそ守ってみせる!俺の全てをかけて!」
その姿は、物語の英雄みたいに神々しいものでした・・・戦場というのも忘れて、私たちは刑天さんに見惚れていました そして、私はその姿にどこか懐かしい雰囲気を感じました
―――Side 刑天―――
盗賊を討伐して、聖たちが無事なのを確認した俺は―――
涼「え!?行っちゃうんですか?」
刑天「ああ・・・前にも言ったが宿敵との約束を果たさなければならないんでな」
聖「そうですか・・・」
そして、俺自身がしてきた事に対してけじめをつけなければならない そんなことにこいつらを巻き込む事はない
老人「聖ちゃん、涼ちゃん・・・ついて行きたければ行ってもいいんじゃよ?」
聖「でも、そうしたら村が」
村人「何・・・俺たちだって、自分の住んでいるところくらい守れるさ というか、今まで聖ちゃんたちに甘えていたんだ」
涼「みんな・・・」
老人「刑天殿・・・二人を頼みますぞ?」
刑天「だが、俺の罪をこいつらに背負わせるわけには・・・」
聖「・・・背負わせてください!一人で、抱え込まないでください!」
聖・・・お前は・・・
涼「ん~・・・よし!こうなったら、兄さんに一生ついていきます!」
聖「よろしくお願いします・・・旦那様!」
刑天「はあ!?」
聖「だって、一緒に行くってそういうことでは?」
涼「姉さん、ずるい!ボクも、兄さんのお嫁さんになる!」
いやいや・・・お前ら・・・
老人「いや~めでたい!」
・・・あれ?なんで、こんな事に?
聖・涼「「よろしくお願いします!」」
・・・ま、いいか 沙耶・・・もう一度、頑張ってみるよ そして、空で沙耶が笑っているような気がした
聖「いやいや、ここにいるんだけどな~」
・・・ん?
聖「今度はきちんと守ってね?け・い・て・ん?」
涼「姉さん?」
刑天「・・・まさか」
聖「・・・あれ?私は何を言っていたのでしょう?」
・・・そうか、懐かしい感じはこいつが沙耶の生まれ変わりだからか?まあいいさ 今度こそ守ってやるよ・・・全員を
刑天「という感じだな・・・」
全員「「「へ~」」」
狂骨「いろんな意味で強くなったんだな」
刑天「ああ・・・お前のおかげでもある」
狂骨「そうか・・・」
全員が、二人の友情を垣間見て感心していると―――
一刀「話は変わるけど結局、狂骨と刑天はどっちが強いんだ?」
狂骨・刑天「「ん?」」
全員「「「あ!」」」
ここで、一刀のうっかりが発動!
狂骨「俺だろ?以前、勝ったし・・・」
刑天「待て・・・汜水関では、俺が勝っているぞ?」
狂骨「あ?ありゃ引き分けだろうが・・・洛陽でだ!」
刑天「んだと?洛陽じゃ、俺に武器吹き飛ばされて・・・近くにいた奴の武器を使ってだろうが・・・近くにいなければ、負けていたろう?」
一刀「えっと・・・二人とも落ち着いて」
狂骨「ああ!?官渡じゃあ俺が勝ったろうが!てめえ、『負けたのか?』って言ったろうが!」
刑天「ざけんなぁ!あれは、途中で于吉の邪魔が入って無効だろうが!」
一刀「落ち着いて!」
一刀は二人を止めようとするが・・・
狂骨・刑天「「すっこんでろ!」」
一刀「ゲフッ!」
二人の息のあった拳で沈められた
狂骨「てめえこそ、ざけんなコラ!んじゃあ、決着つけるか!?」
刑天「上等じゃあ!表出ろやぁ!」
そういって、二人は部屋から出て行った
愛紗「仲がいいのか悪いのか・・・」
桃香「ご主人様、大丈夫ですか?」
一刀「イテテ・・・うん、大丈夫」
翠「しかし、刑天にそんな事があったとはな~・・・というか、聖って神様の生まれ変わり?」
聖「旦那様はそう言っておられたんですけど・・・実感はないです まあ、あまり考えなくてもいいかと思います」
涼「それよりも、兄さんのあの姿を見たら、惚れる事間違いなしです!」
それに同意する刑天に好意を持つ乙女たち
雛里「でも、ご主人様だって負けてません!」
白連「確かにな」
そして、反論する狂骨に好意を持つ乙女たち
桃香「え~、ご主人様だって!」
これまた、反論する一刀に好意を持つ乙女たち
一刀「あ、あれ?みんな、落ち着い「黙って(いてください・いろ)!」ひい!?」
そして、乙女たちによる恋人自慢が始まった
一刀「俺って・・・」
恋「ご主人様・・・かわいそう (ナデナデ)」
恋がちゃっかり、甘えていた ちなみに―――
兵士1「狂骨様!頑張ってください!」
兵士2「刑天様!負けるなぁ!」
狂骨「おらぁ!」
刑天「甘ぇ!」
喧嘩は夕方まで続いていた・・・結果:夕日の下でのクロスカウンターによる引き分け そして硬い握手をして、それを見た兵士たちは感動の涙を流したとか
閑話です う~ん・・・書いておいてなんですが・・・ひどいですね^^;
もっと、精進していきたいと思いますw
さて、今回のテーマ
「刑天と月と詠の関係」ですが、まあ、自分なりの解釈なので気にしないでください
「刑天の過去」は、まあ、こちらも同じ感じですかね・・・一応、「炎帝神農氏」は「黄帝」と争
ったと言われる(諸説あり)ので、せっかく刑天の名前を付けたのでそれを活用してみようかと思
いました
さて、次回はいよいよ一刀君が主役です(修羅場もあります)では、又お会いしましょうw
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閑話です
今回は、刑天が主役ですw