No.911443 英雄伝説~光と闇の軌跡~エレボニアカオスルートsoranoさん 2017-06-24 23:12:17 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:3087 閲覧ユーザー数:2657 |
~パンダグリュエル・パーティーホール~
「な――――」
「「!!」」
「あんた達は……!」
「バ、バリアハートの時の……!?」
リィン達の登場にオリヴァルト皇子は絶句し、セリーヌとエマは目を見開き、サラ教官とアリサは驚きの声を上げてリィン達を見つめた。
「ほええええ~っ!?メンフィル軍の竜騎士軍団の団長どころか、”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”や”蒼黒の薔薇”まで特務部隊の隊員なの~!?」
「しかも”剣帝”に加えて”魔弓将”までいるね。」
「なるほど………プリネ皇女殿下達の所在について後で私達も知る事になるというレーヴェ様のお言葉は”こういう意味”だったのですか………」
特務部隊の中にサフィナやプリネ、ツーヤがいる事を確認したミリアムは信じられない表情で声を上げ、フィーは真剣な表情でレーヴェとエヴリーヌを見つめて呟き、シャロンは静かな表情で呟いた。
「リィン!?それにエリゼお嬢さんまで……!本当にお前さん達もさっきの”殲滅天使”の話で出て来た”特務部隊”の一員なのか!?」
「うふふ、エリゼお姉さんはともかく”総大将”のリィンお兄さんをただの兵隊扱いするのは間違っていると思うわよ?」
「そ、”総大将”って……!」
驚きの表情でリィンやエリゼを見つめて声を上げたトヴァルの疑問に答えたレンの答えを聞いたエリオットは信じられない表情でリィンを見つめた。
「クスクス、まずは自己紹介をしてもらえるかしら、リィンお兄さん。」
「わかりました。――――改めて名乗らせてもらう。”特務部隊”所属リィン・シュバルツァー特務准将。若輩の身ではあるけど、”特務部隊”の”総大将”を務める事になった。もし貴方達が”特務部隊”の指揮下に入るのであれば、仲間として歓迎する。」
レンに促されたリィンは自己紹介をし
「なっ!?じゅ、”准将”だって!?」
「クレア大尉どころか、”少佐”であるナイトハルト教官の軍位よりも上の地位だな……」
「はい……”特務准将”ですから実際には佐官クラスだと思いますが、それでも私やナイトハルト少佐よりも遥かに上の軍位です。」
「彼の余りにも早い出世は恐らく今回の戦争による手柄なのだろうな……」
リィンの自己紹介を聞いたマキアスは驚き、真剣な表情で呟いたラウラの言葉に頷いたクレア大尉は信じられない表情でリィンを見つめ、アルゼイド子爵は静かな表情で呟いてリィンを見つめていた。
「……レン君、何故リィン君が”特務部隊”の”総大将”を務める事になったのだい?見た所他にも”総大将”を務める事ができる人物が何人かいるようだが………」
「うふふ、色々な理由はあるけど一番の理由は今回の両帝国の戦争で、エレボニアに対して優しさと厳しさを見せたリィンお兄さんだからこそ、エレボニアの内戦を終結させる”特務部隊”の総大将として相応しいのよ。」
「『リィンさんが今回の戦争で、エレボニアに対して優しさと厳しさを見せた』……ですか?」
「”優しさ”は恐らく故郷が襲撃され、父親が重傷を負わされたにも関わらず両親の為に今回の戦争を和解へと導いた事やユーシスを助命した事で、”厳しさ”はアルバレア公と”総参謀”を殺害した件かしら?」
オリヴァルト皇子の質問に小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの答えを聞いたエマは不思議そうな表情をし、セリーヌは真剣な表情で自身の推測を口にした。
「正解♪そこに”厳しさ”に付け加える形になるけど………実はオーロックス砦を制圧した時にユミルを襲撃した張本人である猟兵達がいたのよ。」
「何ですって!?」
「ユミルを襲撃した猟兵―――”北の猟兵”か……!」
レンの説明を聞いたサラ教官とトヴァルはそれぞれ血相を変え
「ええ、その”北の猟兵”よ。戦闘終了後に勝ち目がないと悟ってオーロックス砦に隠れていた”北の猟兵”達が降伏を申し出てね……で、リフィアお姉様がリィンお兄さんをその場に呼んでリィンお兄さんにユミルを襲撃した張本人である”北の猟兵”達の処遇を任せたんだけど………何とリィンお兄さんはエリゼお姉さんと一緒にその場で降伏した”北の猟兵”達を一人残らず”皆殺し”にしたのよ♪」
「!!」
「み、”皆殺し”って……!」
「しかも降伏した人達を殺すなんて………」
「…………そなた達が降伏した猟兵達を殺害した理由はユミルの件に対する”報復”か……?」
レンの答えを聞いたサラ教官は目を見開き、トワは信じられない表情をし、ジョルジュは不安そうな表情でリィンを見つめ、アルゼイド子爵は真剣な表情でリィンとエリゼを見つめて訊ねた。
「はい。金の為に郷を襲い……父さん達を傷つけておきながら、自身の命の危機に陥ると命乞いまでした身勝手さはユミル領主の子供として………父さんと母さんの子供として、絶対に許せませんでしたからアルバレア公が雇っていた”北の猟兵”達は一人残らずこの手で斬りました。」
「私達が処刑した”北の猟兵”の中にはユミル襲撃に関わっていない者達もいましたが、彼らと同じ穴の狢であるその者達も同罪ですからその者達も一人残らず処刑しました。」
「………ッ!」
「サラ…………」
「……………」
リィンとエリゼがアルバレア公爵が雇った”北の猟兵”達を皆殺しにした理由を知ったサラ教官は唇を噛みしめて顔を俯かせて身体を震わせ、その様子に気づいたフィーとトヴァルは辛そうな表情をした。
「うふふ、故郷や両親が傷つけられたにも関わらず、故郷や両親を傷つけたアルバレア公爵の次男の命は奪わずにレン達メンフィルに助命した上敵国であるエレボニアとの戦争を和解という形で導いた一方、”報復”としてユミル襲撃に関わった関係者達を殺したリィンお兄さんはまさにエレボニアに対して優しさと厳しさを備えているから、エレボニアの内戦を終結させる部隊の”総大将”として相応しいでしょう?内戦を終結させる為には時には寛大な心遣いを、時には非情な決断が必要なのだから。」
「それは……………」
レンの正論に反論できないラウラは複雑そうな表情をし
「それとリィンお兄さんは”Ⅶ組のメンバー兼リーダーとしての候補”にも挙がっていたのだから、まさに”Ⅶ組”を指揮下に置く”特務部隊”の総大将として相応しいでしょう?」
「ええっ!?」
「彼がオレ達Ⅶ組―――それもリーダーとしての候補に………」
「……………」
驚愕の事実を知ったエリオットは驚き、ガイウスは目を丸くしてリィンを見つめ、エマは複雑そうな表情で黙り込んでいた。
「そ、そう言えばさっきレン皇女殿下はリィンさ――いえ、リィン特務准将の出自についてオリヴァルト殿下と教官も知っているって仰っていましたけど、もしかして彼の出自を知っていた理由は……!」
「…………ええ、リィン特務准将は”Ⅶ組”のメンバー兼リーダー候補だったからⅦ組の担当教官であるあたしにも当然彼の詳しい情報が回っていたのよ………」
「まあ、色々と複雑な理由があってリィン君のⅦ組―――トールズ士官学院への留学の話は結局白紙になってしまったんだけどね………本当なら君達には絶対に知って欲しくなかったんだよ………」
「やっぱり殿下達がリィン特務准将の事について知っていたのは、”Ⅶ組”に関係していたからだったんですね………」
「もし、本当に貴方もトールズ士官学院に入学できていたら私達のクラスメイトになって、私達と一緒にエレボニアでの様々な出来事に関わっていたのね………」
「…………………」
「お兄様………」
ある事を思い出したマキアスに視線を向けられたサラ教官とオリヴァルト皇子はそれぞれ重々しい様子を纏って答え、複雑そうな表情をしたトワとアリサに視線を向けられたリィンは目を伏せて黙り込み、その様子をセレーネは心配そうな表情で見つめ、Ⅶ組の関係者達はトワ達のようにそれぞれ複雑そうな表情で黙り込んでリィンを見つめていた。
「……レン君、リィン君を”Ⅶ組”を直接指揮下に置く”特務部隊”の”総大将”にした理由の一つはもしかして私への嫌がらせも含まれているのかい?」
「うふふ、さすがにそれは勘ぐり過ぎよ。―――まあ、レンから言わせてもらえばリィンお兄さんがⅦ組―――トールズ士官学院に留学しなかったのは正解だったと思うわよ?何せ、トールズ士官学院に入学していたらリィンお兄さんはここまで出世しなかっただろうしねぇ?」
「それは………」
「レン、さすがに言い過ぎよ。」
「………ッ!」
「まあ、トールズ士官学院に入学してボク達と仲良くなったら、今回の戦争で出世する機会も無かった上ボク達と敵対するかもしれない事に悩んでいたかもしれないしね~。」
「ミリアムちゃん!時と場合を考えて発言して下さい!」
オリヴァルト皇子の疑問に対して小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの答えを聞いたジョルジュが複雑そうな表情で答えを濁している中プリネがレンに注意し、Ⅶ組を侮辱したレンをサラ教官は唇を噛みしめて睨み、静かな表情で呟いたミリアムにクレア大尉は声を上げて注意した。
「ハハ……実際その通りだから、反論できないね……――――リィン君、エレボニア皇家の一員として、今回の両帝国の戦争を和解へと導いた事……心から感謝している。本当にありがとう。」
「……恐縮です。ですが俺はエレボニア帝国の為ではなく、両親の為に今回の戦争を和解という形で終結させただけですから、殿下が俺に感謝する必要はございません。」
オリヴァルト皇子に感謝の言葉を述べられたリィンは謙遜した様子で答えた。
「それでも私達は感謝しているよ。君のお陰でエレボニアが滅ぶ事は避けられたのだからね………まあ、それはそれとして。今回の戦争の和解という形で終結したお陰で私と君は義理の兄弟になるのだから、改めてよろしくお願いするよ、我が妹の未来の夫にして私の未来の弟君♪」
「そ、それは………」
「そ、そう言えばリィンさんは将来アルフィン皇女殿下の伴侶になる事が和解条約で決まっていましたね……」
「しかも”6人の婚約者”付きでね。」
いつもの調子に戻って自分に話しかけたオリヴァルト皇子の言葉にリィンは表情を引き攣らせて答えを濁し、その場にいる多くの者達が冷や汗をかいて脱力している中リィンがアルフィン皇女の結婚相手である事を思い出したエマは困った表情をし、セリーヌは呆れた表情でリィンを見つめた。
「…………」
「ア、アハハ………」
「クク、中々面白い性格をしている皇子だな。」
「え、ええ。噂以上の豪胆な性格をされている方ですね……」
「やれやれ……」
「やっぱ、オリビエはオリビエだね。こんな状況でもそんなふざけた態度をしているんだから。」
「エ、エヴリーヌさん。」
一方エリゼはジト目でリィンを見つめ、セレーネは苦笑し、笑いを噛み殺しているフォルデの感想にステラは冷や汗をかいて必死に言葉を探して答え、レーヴェと共に呆れているエヴリーヌの言葉を聞いたツーヤは冷や汗をかいた。
「うふふ、言い忘れていたけどリィンお兄さんは今回の戦争の手柄のお陰で、メンフィル帝国からリィンお兄さん個人に対してある”称号”を与えられたのよ?」
「レ、レン皇女殿下、わざわざその件まで言わなくてもいいと思われるのですが……」
「”称号”、ですか……?」
「……まさか。彼もエステル君の時のように”ロード”の称号を与えられたのかい?」
レンの説明にリィンが冷や汗をかいて指摘している中ジョルジュは不思議そうな表情で首を傾げ、ある事に気づいたオリヴァルト皇子は驚きの表情でレンに訊ねた。
「大正解♪――――”灰の君主(グレイロード)”の称号をメンフィル帝国はリィンお兄さんに授けたわ♪」
「な――――本当にリィン特務准将殿は”ロード”の称号まで授けられたのですか!?」
オリヴァルト皇子の疑問に答えたレンの答えを聞いたラウラは信じられない表情で声を上げ
「えっと……その”ロード”ってどういう意味なのかしら?ラウラは随分驚いているようだけど………」
「―――”ロード”とは爵位を持つ方の称号の一種であり”主”または”支配者”を意味する言葉でもあります。その事から、上流階級では”ロード”の称号を持つ方は王族同然の存在として扱われています。」
「なっ!?王族同然の存在として扱われているだって!?」
アリサの疑問に答えたシャロンの説明を聞いたマキアスはそれぞれ驚きの表情で声を上げた。
「おいおい……って事はメンフィルから”ロード”の称号を貰っているエステルも上流階級の中では相当上の存在だったのかよ………」
「正直信じたくはないけどそうなのでしょうね………ったく、よくあの娘は”ロード”の称号をあんなぞんざいに扱えるわよね……」
「?トヴァルさんと教官は他にも”ロード”という称号を持つ人と知り合いなのか?」
「二人が言っている人は多分遊撃士でありながら、貴族でもある”ブレイサーロード”の事だと思うよ~?」
「ええっ!?”ブレイサーロード”って言ったら……!」
「遊撃士にして自らの実力で貴族の爵位を手に入れたある意味反則的な存在にして、平民にとっては”六銃士”クラスに見られている権力者すら逆らう事ができない無敵の英雄だね。」
それぞれ疲れた表情で溜息を吐いているトヴァルとサラ教官の様子が気になったガイウスの疑問に答えたミリアムの答えを聞いたトワは驚き、フィーは真剣な表情で呟いた。
「凄いな…………自らの実力で貴族になったなんて………」
「”血統主義”のエレボニア帝国では考えられない事だね…………」
「”ブレイサーロード”と”ブレイサーロード”と同じように貴族の爵位を持っている”黄金の百合”にはボク達……というか”貴族派”と”革新派”の両方にとってとんでもなく厄介な存在だったんだよね~……何せ二人はメンフィルの後ろ盾があるから下手に手を出したら、メンフィルと敵対する事になるし。あの人達がいる間は”革新派”、”貴族派”共に煮え湯を飲まされたみたいだよ?あの人達は”市民を護る為”に平気でボク達の事情に突っ込んできて、邪魔したし。」
「お願いしますから、そういう事は言わないでください、ミリアムちゃん………」
「ハハ、彼女達のエレボニアでの活躍は私の耳にも届いていたが、”革新派”どころか”貴族派”にまで煮え湯を飲ませるなんてね。」
「父君の名声も考えると、まさに”英雄一家”ですな。」
ガイウスは驚き、ジョルジュは複雑そうな表情で呟き、ミリアムの言葉を聞いたその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中クレア大尉が疲れた表情で指摘し、オリヴァルト皇子とアルゼイド子爵は苦笑していた。
「――で?リィンに”ロード”の称号が与えられた事はわかったけど、”グレイロード”ってどういう意味よ。」
「セ、セリーヌ。」
「”グレイ”は”灰色”を意味する言葉ですが………」
セリーヌの疑問にエマは冷や汗をかき、クレア大尉は考え込みながら呟いた。
「その名の通りよ。グレイ―――”灰色”は白と黒が混ざった色。白と黒―――つまり今回の戦争で”優しさ”を示す”光”と”厳しさ”を示す”闇”、両方の側面を併せ持つ”ロード”であるリィンお兄さんに授ける称号としてピッタリでしょう?」
「それは…………」
レンの指摘にオリヴァルト皇子は複雑そうな表情をし
「それと確かユミルで”蒼の深淵”はリィンお兄さんが動かす事ができる”騎神”は”灰の騎神”と呼ばれている事を教えたそうね?その件も考えるとリィンお兄さんにつける称号に”灰色”は欠かせないでしょう♪」
「そういや、そんな事も言っていたな……」
「姉さんはユミルでリィンさんが起動できる”騎神”の情報まで教えたのですか………」
「ったく、自分が”導く”訳でもない癖に何でそんな情報まで与えたのかしら、ヴィータは。」
レンの説明を聞いたトヴァルは考え込み、エマは驚き、セリーヌは呆れた表情で呟いた。
「え、え~と………俺自身は今の軍位や称号は正直、分不相応だと思っているから正直気にしないでくれるとありがたいんだが………」
その時リィンは疲れた表情で自身の意志をアリサ達に伝えたが
「クスクス、今回の両帝国間の戦争を早期に和解という形で終結させた事でメンフィルとエレボニア、両方にとっての”英雄”さんが今の地位を”分不相応”だなんて、嫌味にしか聞こえないわよ、リィンお兄さ―――いえ、ロード=リィン♪」
レンは小悪魔な笑みを浮かべてリィンに指摘し、リィンをからかっているレンの様子にその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「う”っ!お願いしますから、俺の事をその呼び方で呼ぶのは勘弁してください、レン皇女殿下………」
「………私を引き取った件といい、マスターの思考はますます理解できません。」
「ハア……全くこの娘は。父上達に育てられたのに、何故あんな性格になったのでしょうね………」
「フフ、ですがレン皇女殿下の仰っている事も強ち間違ってはいませんね。」
一方レンの指摘に唸り声をあげた後疲れた表情で答えたリィンの様子を見たアルティナはジト目で呟き、リィンをからかっているレンの様子に呆れているサフィナにセシリアは苦笑しながら指摘した。
今回の話で判明しましたが、なんとこのルートのリィンはエステルのように”ロード”の称号を持っていますww実を言うとリィンの称号で”カオスロード”も考えましたけど、さすがに”カオス”はどうかと思って自重しました(汗)
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第39話