No.898944 英雄伝説~光と闇の軌跡~エレボニアカオスルートsoranoさん 2017-03-27 23:40:52 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1722 閲覧ユーザー数:1527 |
~パンダグリュエル・甲板~
「メンフィル帝国軍……!と言う事はまさか、本当にユミルの件を盾にメンフィル帝国はエレボニア帝国に戦争を仕掛けたのか……!」
「クスクス、大正解♪大正解したご褒美に良い事を教えてあげる。今回の作戦―――”パンダグリュエル制圧作戦”にはパンダグリュエルで待機している貴方達結社を含めた”裏の協力者達”の殲滅も目的の一つなのよ♪」
メンフィル軍の登場の理由を悟ったブルブランにレンは残虐な笑みを浮かべてブルブラン達にとっての凶報を伝えた。
「何……っ!?」
「ほう……?クク、まさかお前とそのガラクタでオレ達を殺せると思っているのか?」
レンの言葉にブルブランが驚いている中マクバーンは好戦的な笑みを浮かべてレンに問いかけた。
「や~ね、”怪盗紳士”はともかくあのシルフィアお姉さんと互角に渡り合った”鋼の聖女”と並ぶ可能性がある貴方相手にレンとパテル=マテルじゃ勝ち目がある訳ないんだから、レンが貴方達の相手をする訳ないじゃない♪貴方達の相手は”貴方達を確実に殺せるメンバー”が相手よ。」
マクバーンの問いかけに対して笑顔で答えたレンが子供が浮かべる無邪気な笑顔から残虐な笑顔へと変えて答えると、タイミング良くペテレーネとエヴリーヌの転移魔術によってリウイ達が甲板に現れた!
「!!ハハハハハッ!まさかこの船にて貴女と再び邂逅する事になるとは!我が麗しの”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”!そしてもう一人の我が好敵手よ!」
リウイ達の登場にブルブランは驚いた後高々と笑ってプリネ達を見つめ
「やれやれ……そういう所も全く変わっていなかったようだな。だが……それも今日で”最後”だ。カリンを狙い続けている以上、一切の容赦はしない。」
「―――”リベルアーク”で止めを刺さず、むざむざと撤退を許した結果罪無きエレボニアの民達を傷つける事になってしまった私の責任………今、ここで果たさせて頂きます!」
「貴方の命運も今日で終わりです。―――”怪盗紳士”ブルブラン!貴方はここで仕留めます!」
「我と”美”を巡った好敵手よ。せめてもの手向けとして我自らの手でお前を”冥き途”へ送ってやろう!」
「クフッ♪そう言えばお前はエステル達が言っていたエヴリーヌの可愛い妹のプリネを手に入れようとしていたえ~と……ああ、思い出した。”変態仮面”だったね……ちょうどいい機会だから、2度とプリネを狙えないように塵も残さず駆除してあげる♪」
対するレーヴェは呆れた表情をした後目を細めて剣をブルブランに突き付け、プリネとツーヤ、プリネ達と共にいる一角の魔神―――ソロモン72柱の一柱である魔神アムドシアスは決意の表情でそれぞれの武器を構え、エヴリーヌは凶悪な笑みを浮かべて自身の得物である弓を構えた。
「クク……まさかこんな形でレーヴェの阿呆どころかアンタと会えるとはな。”英雄王”―――リウイ・マーシルン。」
「結社”身喰らう蛇”の執行者No.Ⅰ―――”劫炎のマクバーン”。お前のような雑魚如きがあのシルフィアと互角に戦った”鋼の聖女”と同格とはとても思えんが……俺達の理想を阻むのならば、容赦は一切しない。」
「覚悟するがいい、愚かな結社の”執行者”よ。貴様が例えどのような弱者であろうと、我等メンフィル帝国に刃を向けたからには我が全身全霊を持って貴様を葬る。」
好戦的な笑みを浮かべるマクバーンの言葉に対してリウイとゼルギウスは挑発とも取れる宣言をし
「クククク…………随分と舐められたものだなぁ?幾ら”英雄王”でも、この俺相手にそんな事をほざくとは、調子に乗りすぎだぜ?」
二人が自分を”格下”に見ている事に内心怒りを感じたマクバーンは不敵な笑みを浮かべた後、自分の足元から凄まじい黒き焔と闘気を吹き上げさせ始めた!
「この俺相手にそこまで言うからには、俺を今までの中で一番”アツく”させろよ――――!」
そしてマクバーンは全身に膨大な黒き焔を纏い、自らを”焔”を纏った”魔人”―――”火焔魔人”と化させた後異空間から黒き魔剣を取りだした!
「ハハハハハハッ!久方ぶりに見たな、君の”本気”を!しかもまさかその剣まで使うとはね。」
「弱っ。ただの見かけ倒しじゃん。あれなら、ゼフィラでも勝てると思うよ。」
「あの、エヴリーヌお姉様……”魔神”だと比較対象にならないのですが……それよりも”劫炎”が持つあの剣はまさかレーヴェのかつての剣と同じ……」
変わり果てたマクバーンを見たブルブランが高々と声を上げ、マクバーンの強さを瞬時に悟って呆れたエヴリーヌの推測を聞いたプリネは冷や汗をかいて指摘した後マクバーンが持つ魔剣に視線を向け
「ああ。―――”アングバール”。”匠王”によって造られた”レーヴァテイン”の元となった”ケルンバイター”と対になる魔剣だ。」
「レーヴェさんの剣と……!」
レーヴェの説明を聞いたツーヤは目を見開いた。
「クク、そこにいる阿呆のと違って俺との相性が”良すぎる”せいかコイツはこんな風になっちまうけどな……」
レーヴェに視線を向けたマクバーンが凶悪な笑みを浮かべると魔剣は黒き焔の剣と化した!
「「……………………」」
「さて……始めるとするか?ま、この”力”の前には抗うだけムダだと思うがな。」
静かな表情でそれぞれの得物を構えているリウイとゼルギウスに対し、マクバーンは不敵な笑みを浮かべた。
「―――”雑魚”が。”その程度の力”、俺達の世界では良くてせいぜい下級の”魔神”クラスだ。」
「あん……」
しかしリウイが呟いた言葉を聞き、眉を顰めた。するとその時!
「――――我が深淵に眠りし光と闇の力よ………今こそ目覚めろっ!オォォォォ――――――――――ッ!!」
「はああっ!―――猛招来!!」
リウイが雄たけびを上げるとリウイの全身から膨大な闘気や魔力、そして”神気”がさらけ出され始め、ゼルギウスは全身に膨大な闘気を練った後咆哮して全身にマクバーンが纏う黒き焔をも超える勢いの闘気を纏った!
「そう言えばお前と肩を並べて戦うのはこれが初めてだな、ゼルギウス。リフィア自慢の”守護神”の”力”、見せてもらうぞ。」
「御意。ならば私は偉大なるメンフィル帝国を建国したメンフィルの大いなる父にして”英雄王”であられるリウイ皇帝陛下の御力、とくと拝見させて頂きます。」
それぞれの”力”を解放したリウイとゼルギウスは互いに視線を交わして口元に笑みを浮かべた。
「―――ペテレーネ!手筈通りアレを発動しろ!」
「はい!アーライナよ……!」
そしてリウイの指示によって発動したペテレーネの魔術はリウイ達と執行者達だけを異空間へと転移させ、その場に残ったのはレンと術を発動しているペテレーネだけになり、リウイ達が転移するのを見守っていたパンダグリュエルの上空に待機していたメンフィル兵達は次々と甲板に着陸して騎獣から降り、一部の兵士達は即座に動いて術を発動しているペテレーネの護衛を始めた。
「――――総員、突撃開始!既に艦内で戦っている同胞達と連携して、貴族連合軍を殲滅しなさい!」
「おおっ!!」
レンの号令によってメンフィル兵達は次々と艦内に突入した!
「さてと、レンもそろそろ行くわ。ママの護衛、お願いね、セオビットお姉様。」
「ええ、私とエヴリーヌの分も含めて存分に暴れてきなさい。」
「は~い♪……あら?」
メンフィル兵達の突入を見守っていたレンはペテレーネの護衛の兵達と共に残っているセオビットに声をかけた後他のメンフィル兵達と共に突入せずに甲板に残っているリィン達が気になり、リィン達に近づいて声をかけた。
「うふふ、この作戦で一番の手柄首を狙っているリィンお兄さん達がどうして艦内に突入していないのかしら♪」
「レン皇女殿下。先程の号令、お疲れ様です。」
「わたくし達は作戦が始まる少し前に”パンダグリュエル”に潜入して、脱出用の飛行艇が停泊している格納庫を探しているベルフェゴール様を待っているんです。」
レンに声をかけられたエリゼは会釈をし、セレーネがレンの疑問に答えた。
「脱出用の飛行艇が停泊している格納庫を……?――――なるほどね。すぐに自軍の不利を悟ったルーファス・アルバレアがアルフィン皇女を連れてパンダグリュエルからの脱出を図ると予測して、先回りするつもりなのね?」
セレーネの話を聞いて不思議そうな表情をしたレンだったがすぐにリィン達の狙いを悟り、興味ありげな表情でリィン達を見つめた。
「はい。最も、俺達がその手段に取ろうと思ったのは俺やエリゼと違って、エレボニアの貴族達の事情に明るいステラがルーファス・アルバレアの性格をある程度知っていたお陰でもありますが。」
「フフ、さすがにそれは過剰評価ですよ、リィンさん。ルーファス・アルバレアの評判はエレボニアどころか他国の社交界でも有名になれる程彼の者の名が轟いていたお陰で、私のような箱入り娘でも知る事ができただけですよ。」
リィンの説明を聞いたステラは苦笑しながらリィンに指摘し
「クスクス、要するにルーファス・アルバレアの聡明さを逆手に取ったのね♪まあ、実際この巨大な船の中をやみくもに探し回るよりも、脱出する場所を特定してそこで待ち構えていた方が効率がいいわね。――――と言う事でレンもリィンお兄さん達に加勢させてもらうわね♪」
「ええっ!?レ、レン皇女殿下が私達にですか!?」
「一体何故でしょうか……?」
リィン達の考えを理解してリィン達に感心したレンは加勢の申し出をし、レンの加勢の申し出にセレーネは驚き、エリゼは目を丸くしてレンに問いかけた。
「レンもリィンお兄さん達と同じで手柄首になる人物達――――”帝国解放戦線”の幹部を狙っているからよ。」
「”帝国解放戦線”……確かエレボニアでテロ活動を行っていたテロリスト達の名前がその名でしたね。」
「ああ……そして”西ゼムリア通商会議”でもオズボーン宰相を殺害する為にオルキスタワーに乗り込んできた飛行艇に積んでいた爆薬を使って、オルキスタワーにいる多くの人達ごと葬ろうとしていた狂人達だ。」
「最もその方達の企みはルファディエル様やヴァイスハイト様達に読まれていて、二大国からクロスベルを守る為に上手く利用されましたが……」
「もしかして殿下が”帝国解放戦線”の幹部の首を狙っているのは”西ゼムリア通商会議”の件なのでしょうか?」
レンの話を聞いてある事を思い出したステラの話にリィンは頷いた後かつての出来事を思い出して表情を厳しくし、リィン同様かつての出来事を思い出していたセレーネは苦笑し、レンが”帝国解放戦線”の幹部達の首を狙っている理由を悟ったエリゼはレンに訊ねた。
「ええ。うふふ、皇族―――いえ、レン達メンフィル皇族の命を狙った罪がどれ程愚かな事なのか、レン達メンフィル皇族自らの手で思い知らせてあげるのが”筋”でしょう?」
凶悪な笑みを浮かべたレンの答えを聞いたリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「ハ、ハハ………わかりました。こちらとしてもレン皇女殿下の加勢はとても心強いです。短い間になりますが、よろしくお願いします。」
「うふふ、こちらこそよろしくね♪」
「―――待たせたわね。」
乾いた声で笑った後気を取り直したリィンの言葉にレンが笑顔で答えたその時ベルフェゴールが転移魔術でリィン達の傍に現れた。
「ベルフェゴール、脱出艇がある格納庫を見つけたのか?」
「ええ。……あら?確かその娘はメンフィル皇女の………その娘も一緒でいいのかしら?」
リィンの問いかけに頷いたベルフェゴールはレンに気づくと不思議そうな表情でリィンに確認した。
「ああ、ありがたい事にレン皇女殿下も加勢してくださるとの事だ。」
「よろしくね、ベルフェゴールお姉さん♪」
リィンの答えに続くようにレンは笑顔でベルフェゴールに声をかけた。
「――――わかったわ。格納庫では既に脱出艇の準備をしていたから、転移したらすぐに戦闘を始められるようにしておいたほうがいいわよ。」
「わかった。すぐに頼む、ベルフェゴール。」
「了解。」
「みんな、いつでも戦闘が始められるようにだけしておいてくれ!」
「「「はいっ!」」」
「は~い♪」
そしてリィン達はベルフェゴールの転移魔術でその場から消えて脱出用の飛行艇が停泊している格納庫に現れた!
~格納庫~
「一刻も早くルーファス様と殿下をお逃がしする為に脱出艇の準備を急げ!」
「くそっ、メンフィルと戦争になったなんて聞いていないぞ!?宣戦布告もせずに戦争を仕掛けてくるとか、あいつらには誇りはないのかよ!?」
「無駄口を叩いている暇があったら、手を動かせ!」
リィン達が転移する少し前貴族連合軍の兵士達は脱出艇の準備の為に忙しく動き回っていた。そしてそこにリィン達がベルフェゴールの転移魔術によって現れ
「え――――」
「な――――」
「二の型―――疾風!!」
「そこっ!」
「刃よ、伸びよッ!」
「スパイラルピアス!!」
「うふふ、死んじゃえ♪」
自分達の登場によって呆けている貴族連合軍の兵士達の隙を逃さないかのようにリィン達はまさに電光石火のような早さで兵士達を瞬殺した!
「何事だ!?」
「なっ!?お、お前達は何者だ!?」
「ま、まさかメンフィル軍か……!?」
「クッ……もうここまで来たのか……!?」
するとその時騒ぎを聞きつけた脱出用の飛行艇の中で準備をしていた貴族連合軍の兵士達が次々と飛行艇から現れ
「―――まずは脱出艇の乗組員達を殲滅。その後こちらに向かっていると思われるルーファス・アルバレア達をこの場で待ち構えて討ち取るぞ!」
「「「はいっ!!」」」
「は~い♪」
「了解♪」
リィンの号令に力強く答えたエリゼ達はリィンと共に貴族連合軍の兵士達の殲滅を開始した!そしてリィン達が殲滅を終えて数分すると、エレボニアの帝位継承者の一人にしてオリヴァルト皇子の腹違いのエレボニア皇女――――アルフィン・ライゼ・アルノール皇女と、アルフィン皇女を護衛している少数の兵士達と”帝国解放戦線”の幹部――――ヴァルカンとスカーレット、そして結社”身喰らう蛇”の最高幹部の一人である第七柱”鋼の聖女”直属の戦乙女の部隊―――”鉄機隊”の筆頭隊士である”神速のデュバリィ”と共にルーファスが格納庫に現れた!
という訳でマクバーンとブルブランは運命が改変された少年~の時以上のえげつない面子と戦う羽目になりましたwwなお、あの二人とリウイ達との戦闘は省略します。だって、書かなくても結果はわかりきっているでしょう?(黒笑)そして今回の話でレンがゲスト参戦し、リィン達と共に戦いますww
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第20話