No.898867

真・恋姫の軌跡 白隼の守り人 第零話

アサシンさん

準遊撃士試験

2017-03-27 07:36:56 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:1581   閲覧ユーザー数:1502

 

 

 

 

 

 

 

リベール王国

 

 

遊撃士協会ロレント支部

 

平和なリベール国内でも最ものどかな五大都市の一つに支部を構えるギルドの受付で金髪の女性が資料整理をしていると、簪で纏められた水色の髪。額に垂れる一房だけが紫がかった深い藍色をした髪を持つ少年が扉の鈴を鳴らしながら入って来た

 

受付嬢の名はアイナ、入って来た少年の名はヴェル・ファーゼ。この外史の北郷一刀である

 

 

カランコロン♪

 

 

 

アイナ「ようこそ遊撃士教会へ・・・・・あら珍しいファーゼじゃない」

 

ヴェル「ブライトのおっちゃんにらいきなり呼び戻されてな。ところでその呼び出した張本人は?」

 

アイナ「ああ、そう言う事。カシウスさんから預かっている物が在るわ」

 

 

そう言ってしまってあったであろう小包と手紙を渡された

小包は後にして先に手紙を開けて読んで見ると

 

 

ヴェル「・・・・・そんな事で俺は魔都から呼び戻されたのか?アイツ等が知ったらいくらブライトのおっちゃんでも恨まれるぞ?」

 

アイナ「聞いてもいいかしら?」

 

ヴェル「はぁ、愛娘(エステル)と義息子(ヨシュア)の試験後に正遊撃士を目指す場合の御供、あと有りえないが不合格後の事が書かれている、コレ俺が戻って来る必要あるか?ハーヴェイも居るなら問題無いと思うんだが」

 

アイナ「ふふ、確かにカシウスさんにしては甘々だけれど。将来有望な若者の為にファーゼの力が必要だと思ったんじゃないかしら」

 

ヴェル「(それか俺がリベールに居る方がいい事情でもあるのか?)」

 

ヴェル「そうかい、俺からしたらハーヴェイも居るんだから過剰だと思うんだがねぇ。ブライト兄妹の試験の日時は?」

 

アイナ「今日ね、シェラザードは二階にいるわ」

 

ヴェル「帰国後直かよ!ちっとは準備なり休む暇を寄越せよあのチョビ髭!」

 

アイナ「まぁまぁいいじゃない、試験が終わればあの二人はアナタの後輩に成るんだから」

 

元気な少女の声「ごめんくださ~い」

 

誠実な少年の声「失礼します」

 

 

丁度いいタイミングで扉から件の兄妹が入って来た

 

栗色の長髪をツインテールにしている見ただけで元気を感じる活発な少女と、黒髪に琥珀の瞳とこの国では珍しい容姿をしている落ち着いた物腰の少年が入って来た

 

二人は遊撃士教会、ブレイサーギルドの建物に入ると、アイナとカウンターに寄りかかりながら話している人物を見て目を丸くして驚いた

 

 

エステル「あれあれ。ファーゼじゃん!ひっさしぶり~」

 

ヨシュア「エステル話し方が砕け過ぎ。お久しぶりですファーゼさん、何時戻って来たんですか?」

 

ヴェル「まぁ名前で呼ばなくなっただけマシだから問題無い。帰国したのはついさっきだ」

 

エステル「そうだったの、処で今回は前より長かったけどどんな所だったの?」

 

ヴェル「まぁ帝国と同じ位酷い場所だったよ、レマン自治州の本部が頭抱える訳だ」

 

ヨシュア「それは何と言いますか」

 

アイナ「はいはい三人とも久しぶりに顔を合わせて積もる話もあるでしょうけど。エステルとヨシュアは試験があるでしょう、試験官が二階にいるから行ってらっしゃい」

 

エステル「・・・・はっ!そうだった。早く行こうヨシュア!」

 

ヨシュア「そうだったね、では失礼しますファーゼさん、アンナさん」

 

ヴェル「相変わらずだなブライト兄妹は」

 

アイナ「そうね、ヨシュアがエステルを上手くリードしてくれてエステルは前向きで。いいコンビに成るわ、あの二人」

 

ヴェル「だろうな、んじゃおっちゃんの依頼は明日から。なのに暇が無い」

 

アイナ「ウチにはファーゼが受けなきゃいけないような依頼は無かったと思うんだけど?」

 

ヴェル「コッチで手に入る装備やら食糧やらその他諸もの調達に、拠点の掃除があるんだよ」

 

アイナ「そうなの、じゃぁまた明日」

 

ヴェル「ああ」

 

 

ギルドを出てからはあちらこちらに足を向けた、市長へ戻った挨拶を終えたら雑貨屋に武器屋に寄って食堂でのんびりしてから街の南側を出て左右正面に分かれている街道の内、殆ど獣道にしか見えない左へ向かう

 

時たま鎧見たいな鋼殻を持つ魔獣を倒しセピスとドロップアイテムを回収しながら進むと。殆ど周囲の木々や草花に同化している秘密基地と言っても疑問がわかない拠点に付いたヴェルは。荷物を外に置いて拠点の掃除をする前に、周囲に湧いている魔獣の討伐から始めるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局その後、拠点の周囲に生息していたロレント地方の多種多様な魔獣を掃討し、ついでに彼が留守にしている間に出来ていた魔獣の巣に夜襲をかけて殲滅するなど。コイツ本当に遊撃士か?と疑いたくなる戦闘が静かに、それでいて派手に繰り広げられた

 

その所為で拠点の掃除が出来てないわ夕食摂るのを忘れただの、戦闘で土埃等で汚れた彼は項垂れながらも拠点地下にある水源で冷水を頭から被り。魔獣からドロップしたアイテムで簡単に夕食を作って埃を舞いあがらせない様に拠点から出て外で夜を明かした翌日

 

 

 

遊撃士教会

 

 

 

シェラザード「試験している間にそんな事してたのねアナタ」

 

エステル「そう言えば昔からお父さんに、『エステル、遊ぶのはイイが絶対ファーゼの家には行くな。どうしても行かなきゃいけない時は俺かヨシュアか遊撃士の人と一緒だ。いいな?』って耳にタコが出来るくらい言われたっけ」

 

ヨシュア「僕も父さんに『そう言えば今日は丁度アイツが帰って来てたな。よし!エステル、ヨシュア付いて来い、ヨシュアは武装して置け』って言われた時は何言ってるのこの人って思ったよ」

 

ヴェル「まぁ俺の拠点はロレントの安全装置みたいな場所だからな」

 

エステル「安全装置?ファーゼの家って何か危ない物でもあるの?」

 

ヴェル「違う違う、魔獣は街道の魔獣避けで大体街や人里に近寄る事は無いんだがそれでも偶に近くに来る事がある。丁度俺の拠点にはどういう訳か魔獣が集まりやすい土地らしくてな?あそこにいる魔獣は殆どが穏やかにのんびりしているんだが一定数に膨れ上がったり巣が出来て数が一気に増えると爆発したように溢れるんだ、俺は丁度その場所を拠点にしているからその間引き?みたいなのを昨日一日かけてやるハメになったんだ・・・・・・つかアイナ、俺が居ない間誰も寄越さなかったのか?初見の魔獣が二・三匹混じってたんだが」

 

アイナ「それなんだけど、王都の方から魔獣調査の依頼。詳細は省くけどアナタの家の周辺に生息する魔獣の生態調査と狂暴化や氾濫する原因を見つけられればある程度魔獣との共存が可能ではないかって話しらしくて」

 

ヴェル「そんな事誰が言い出した。後俺その王都から依頼に付いて一切聞いてないんだが?」

 

アイナ「依頼主はカシウスさんからファーゼの家の周囲で起きる不思議な話しを聞いた人達よ。それと依頼を受けたのもカシウスさんよ」

 

ヴェル「あの中年、人の個人情報どんだけペラペラ漏らしまくってくれやがった?!」

 

 

憤る俺に予想していたアイナはいつも通り書類仕事に、シェラザードはそう言えば先生に付いて行った仕事の中にそれっぽいのがあったな~と何やら納得したように。エステルとヨシュアはワイワイと賑やかに、ヴェルは頭を抱えカウンターに倒れ込んだ

 

魔獣が氾濫と言われるほど数が増え狂暴化する固体が出るまでは穏やかに静かに暮らすと言う訳が解からないヴェルの拠点、その原因こそ解からないが魔獣が集まる理由は実は彼だけは知っている

 

それは七曜鉱脈である、彼の拠点の地下や近くの川には七曜石の欠片であるセピスや、時たま七曜石そのものががコロコロと出てくるのである、だが今度はどうしてそんな環境が存在するのか等々解からない事が多い

 

まぁ、彼の出自もまた謎が多いのではあるが。その事に付いてはまたいずれ話すとしよう

 

 

 

ヴェル「それじゃぁ準遊撃士になった二人に最初の試練に成るとしますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夕方、ブライト家にて

 

 

家族の食卓と言える雰囲気の食堂で、エステルはテーブルに置かれている料理にぶつからない様に器用に突っ伏し、ヨシュアもイスに体重を預ける様に座り込んでいる

 

そんな二人を微笑ましく見守る一人の中年男性。エステルと同じ髪色の男性はエステルとヨシュアの父親。元リベール王国軍人准将、現A級正遊撃士。カシウス・ブライト

 

 

 

エステル「負けたぁ~。体中痛いよぉ~」

 

ヨシュア「でも筋肉痛と打撲位でケガらしいケガは一つも無いけどね」

 

カシウス「はっはっは♪アイツは見極めるのが美味いからな。良い経験に成っただろう?」

 

エステル「それは・・・うん」

 

ヨシュア「僕達の欠点や弱点、長所に短所。有利な立ち回り方、たった半日で沢山得たよ」

 

カシウス「それは良かった。コレで明日は憂うこと無く王都に行ける」

 

ヨシュア「早朝に王都グランセルに定期便で出発だったね」

 

カシウス「ああ、お前達には準遊撃士でも十分達成可能な仕事が割り振られるだろう」

 

ヨシュア「ちなみに重要度やランクが高い仕事は?」

 

カシウス「二割はシェラザード任せる。八割をヴェルに押し付ける」

 

ヨシュア「言い切ったよこの人」

 

エステル「そう言えばどうしてファーゼってお父さんには名前で呼ばれるの許してるの?」

 

カシウス「何、昔アイツを世話してた時期があってな。ロレントに帰る場所を無理やり押し付けたり勝手に呼び続けている内に折れたよ」

 

エステル「ねぇヨシュア、お父さんが本当に不良中年だったよ」

 

ヨシュア「奇遇だねエステル。僕も何処から突っ込めばいいかわからなくなって来たよ」

 

 

 

HAHAHA♪と剛毅に笑う不良中年親父と疲れ切ったエステルとヨシュアのお腹が鳴った処で。エステルがア”~ア”~呻きながら頑張って作った夕食を頂いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わりロレント某所の森林地帯で

 

 

ヴェル「だぁあああ!?泣かす!カシウスが他所に出張する前に絶対泣かす!!」

 

 

不特定多数の魔獣『『『『『ギュァアアアアアアアアアアアアア!!!』』』』』

 

 

ヴェル「何でこんな所に巣があるんだ!?絶対分かってて俺に仕事押し付けたな!」

 

 

エステルとヨシュアを訓練でボッコボコにしたヴェルは、その結果を予想していたカシウスにバカみたいな程の魔獣関連の仕事を押し付けられ。拠点に戻り得物を幾つか見繕った後此処に来たのだが、御覧の様な有様に

 

羽根が付いている猫や妙に好戦的なクワガタのような虫が頭上から。鎧を持つサイの様な魔獣等が巣を襲撃して来たヴェル目掛け襲い掛かって行く

 

襲い来る魔獣の群れの対してヴェルはバックステップとサイドステップを並行して使い、森の中木々にぶつからず追いかけてくる魔獣たちに向きつつ応戦する

 

 

彼の手にあるのは導力機構が組み込まれている。リベール王国軍内でも極一部の軍人しか所持が許されないそれも火薬式も使える仕様が組み込まれた丸みが少なく分厚く角ばった銃身が長いリボルバータイプの導力銃だ。まず間違っても片手でぶっ放せるような代物では無い

 

弾丸は導力・火薬問わずもれなく大口径。対物ライフル弾級と言えば読者の皆様は想像しやすいだろうか?

 

掠るだけでも致命傷を与え、当たればもれなく部位破壊可能な弾丸を掻い潜り迫って来た魔獣に対してヴェルはこのゴツイ得物の更にクレイジーな機構を使う

 

それは引き金から持ち手までを守るハンドガードの様な物、それが小さな動作一つでガシャンと音を鳴らして銃身の真下へ跳ね上がり。鋼刃の姿をさらしたのは肉厚の片刃切っ先諸刃の大型銃剣だ、しかも

 

シャキン!と言う音と共に刀身に隠れていた刃が銃口より飛び出ていた切っ先を更に伸ばし、最早それは銃剣とは呼べない長さである。刀身が飛び出した時点で持ち手前にあった格納スペースが隙間を埋め切れ味を持つナックルと成っている、彼は何と戦うつもりでこんな滅茶苦茶な得物を使っているのだろう

 

因みにコレを作ったのはツァイス中央工房の悩みの・・・・否、胃の痛みの元凶であるとある一家である。昔大量の魔獣を相手にした時当時使っていた武具が尽く修理出来ないほど消耗してしまった事に頭を悩ませていた時、その原因となった仕事を与えたカシウスの紹介でその一家、ラッセル家と知り合いこのトンデモ武器を作ってもらったのだ

 

弾丸のみならずその銃剣と言うよりブレードやショートソードと言ってもいい刃は斬撃はおろか銃撃にだって耐えられそうな鋼殻を何の抵抗も無くスパッと切ってしまうのだから数に圧倒されても苦戦はしない。ただし文句は喚き散らす

 

結局夜明けを過ぎて朝食時を迎えた頃にようやく複数の巣を潰し終えたヴェルは、闘い続けた事と徹夜明けが重なって危ない精神状態のまま静かに無表情で森林地帯から脱け出しロレントへ戻り、カシウスを一発ぶん殴ろうと発着場へ向かうも。着いた時には、空へと進んで行く飛行船の落下防止用の柵から身を乗り出しヴェルに向かって、歯をキラリと輝かせいい笑顔でサムズアップするカシウスを見てぶっ倒れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幾つもの魔獣関連の仕事を徹夜で終えた所にアレを見て倒れたヴェルはその場に居たエステルたちにギルドへと運ばれ。しばらくして目を覚ますと早速今日から準遊撃士(見習い・新米)になったブライト兄妹と正遊撃士シェラザード・ハーヴェイと共に行動する事に成った

 

 

ロレント市長宅にお邪魔し、クラウス市長からある物を鉱山長から受け取って来て欲しいとの依頼だ。市長からの紹介状を手に山道を歩いている、その受け取って来て欲しい物とは

 

 

 

 

ヴェル「七曜石(セプチウム)の運搬、それも女王陛下への送り物とは結構重要な任務だな」

 

シェラ「こらこら、緊張感を持つのは大事だけど脅しちゃダメよ?」

 

ヴェル「ハーヴェイ、アレを見てもそう言えるか?」

 

シェラ「・・・・・そうね、アナタが正しいわ」

 

エステル「フンフフ~ン♪ん?どうしたの皆?」

 

ヨシュア「エステルは物怖じしないよねって」

 

 

 

それはリベール王国の王女、アリシア陛下への送り物の原石である七曜石を持って来て欲しいとの事だ

 

先頭にエステルとヨシュア、その少し後ろを踊り子の様な恰好の正遊撃士、長い銀の髪に鞭を使った戦い方から銀閃の二つ名を持つシェラと並んで歩くヴェル

 

七曜石と言うのは照明等の家具家財、街道の魔獣避けや、遊撃士や軍隊などが扱う戦術オーブメントに銃火器から先ほどカシウスが王都へ向かうために乗った飛行船(四角い空飛ぶ船)等々様々な導力機器に欠かせない物である

 

因みに戦術オーブメントにセットするクォーツは、コレの欠片であるセピスを集めて導力機器専用のオーバルストアと呼ばれる工房などで作ってもらえる

 

今回その七曜石の運搬の依頼に何故遊撃士の様な戦力が必要なのであるかと言うと。魔獣は七曜石に引き寄せられる習性がある、故に遊撃士たちは欲しいクォーツや戦術オーブメントにクォーツをセットするためのスロットを解放するためにセピスを集める際、セピスを溜め込んでる魔獣を討伐するのが手っ取り早いのである

 

話しを戻そう、そう言った理由から鉱山には魔獣避けの灯りがあり、七曜石も布などで包むなりすれば魔獣は近寄らないものの万が一の事が起きても対処出来る遊撃士、この場合は元を辿ればカシウスに依頼が回っていたのだ

 

山道を時折出てくる魔獣を討伐しつつ登っている間は何も起こらなかった。何かが起こってしまったのは鉱山に付いた時だった

 

 

 

ヴェル「それでもって俺は何時もこんな役だ」

 

魔物「GYAAAAAAAAAAAA!!!」

 

 

採掘場に到着して市長からの使いであると説明していざ中へ入ろうとした所で新人らしい作業員が一人飛び出してきた。何でも魔獣が居る空間と繋がってしまい逃げ出して来たと言う、しかも動力式昇降機かた下に降りればまだ親方さん達作業員が数名取り残されていると言うのだ

 

鉱山で働いている連中が誤ったとは言え向こうに何があるか解からない空洞を爆破か何かで掘り当ててしまう物だろうか?そんな疑問もすぐさま頭の外に追いやり。取り残された人たちはブライト兄妹とハーヴェイが受け持ち、俺はと言うと

 

 

ヴェル「とりあえず俺の鬱憤、お前で晴らさせていただくぞ?」

 

 

ぎゃぁぎゃぁうるさい蜘蛛だか蟹だか良く分からん、少なくても普通とは言えない魔獣と坑道に溢れていたとがった貝殻を背負っている様な蟹だかヤドカリだか良く分からん魔獣共を件の巣の中から外にこれ以上出さない様に相手をする事に成った

 

先ず間合いを詰めて死角から仕掛ける、取り巻き共は踏込と共に蹴り砕き。此処の主っぽい魔物?魔獣?どっちでもいいがそれの攻撃と突っ込んで来る取り巻き共を銃剣と射撃で殲滅しつつデカブツの死角に入ったのだが

 

 

ヴェル「視界に頼らないタイプはヤッパリ面倒だ」

 

 

例え見えない位置であろうと迎撃して来るデカブツの脚に銃弾と斬撃をお見舞いしつつ削る、取り巻き?蹴散らした

 

デカいくせに蜘蛛みたいに気持ち悪く素早いのでとっとと脚(機動力)を殺ぐに越したことはない

 

片側は既に殺ぎ、もう片側の脚も殆ど射ち・斬り飛ばしたところで攻撃出来ない位置からデカブツの体を足場にどんな魔獣でも弱点たる頭部に二丁拳銃の銃剣を突き刺し、回転弾倉にある一丁六発二丁で十二発の人口密集地では間違ってもぶっ放せない大口径の弾丸を脳天から体内の奥目掛け連射

 

すると流石に主であっても之には耐えられなかったようでもがいていた状態で力尽きた、両手に持つ銃を外へ振り抜き銃剣に付いた液体を振り払った所で

 

 

エステル「ファーゼぇー!親方さん達は避難したわよ~!私達も戻るわよ~!」

 

ヴェル「了解した」

 

 

ドロップ品やセピスをそこそこに集めてすぐさま他の固体が湧いて来る前に崩壊した入り口まで戻り。装填した徹甲榴弾を良さ気な天盤目掛け撃ち込み一気に魔獣の巣から飛び出す、と同時に時間差で撃ち込まれた弾丸が爆裂し天盤を破砕し、坑道に繋がってしまった巣の入り口を塞いだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

依頼の品を親方さんから預かり、市長へ届けるのはブライト兄妹に任せ。俺はハーヴェイと共にギルドへ今回の依頼で起きた出来事とその後処理等の報告に向かった

 

 

アイナ「早目にシェラザードの手が空いて助かったわ、コレもカシウスさんの計算の内かしら?」

 

ヴェル「もしそうなら今度会った時があのチョビ髭の最期だ。一本残らず毟り取ってやる」

 

シェラ「アンタ、地味に恐ろしい言うわね」

 

 

しばらくしてブライト兄妹がギルドへ無事依頼を完遂したと報告に来た所で俺はギルドを後にした。ヨシュアから気になる事を聞いてな?

 

一端街から出てから人目に付かないよう服装も変え、周囲に溶け込みながら村長の家を監視出来る位置へ着く、ヨシュアから聞いた情報は何でもこの街にこの国の名門学校の女学生が村長宅に居て。依頼の品である翠曜石を報告ついでに彼女の前で見せた所獲物を狙う目をしていたと聞いたのだ

 

ヨシュアによると名前はジョゼット、歳の頃は自分達と同じくらいで。爪を隠している気配があったとの事だ。しかも村長は気をよくしたのか女王陛下への送り物としてブライト兄妹が運んできた七曜石を彼女に見せ、金庫に仕舞う所も見ているとの事だ

 

エステルはその辺の機敏と言うか空気と言うか気配というかその辺まだまだ疎い。逆に鋭利な感覚を持つヨシュアがこの場合頭を悩ましたくなるのだがそれはいずれおっちゃんと娘が何とかするだろう・・・それよりも

 

ずっと動かず待機と言うのはやはりつらい物がある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜、ロレント市外

 

 

ヴェル「ようやく来たか、てか此処まで予想通りだとは」

 

 

望遠鏡から見える市長宅に賊が入って行くのが見える。彼等からそれほどカルマ(業)は見えない、と言う事は

 

 

ヴェル「良かったなお前ら、もし命を奪う輩だったら軍に引き渡す前にその首刎ねられたであろうに」

 

 

俺の言葉が聞こえない筈なのに数人の手下と思われる男達と彼等を率いてると思われるヨシュアから聞いた少女がブルリッと震えて周囲をキョロキョロして先ほど以上に慎重に市長宅へと侵入を開始した

 

金庫の所に確かジョゼットとか言ったか?何かしていたかと思うと金庫を開ける為に作業に入っている、他の連中はと言うと・・・・・メイドと奥さんを無力化したか。騒がれ無い様にしたか。もし手荒な真似をしたり下種な事をしようものなら・・・・解かっているだろうな?

 

 

ヴェル「・・・・・おかしいな、殺気は出していない筈なんだが?それともあいつ等危機感知能力が高いのか?っと偽装の為に家中荒らし始めたな」

 

 

と言っても手すりの所に鉤爪のフック付きロープで侵入した時点で俺達にとってはバレバレだけどな。後でブライト兄妹かハーヴェイが見つけるだろう

 

その後かなり早くに金庫が開き、七曜石を盗んだ・・・・・よし、人質に成っていた人達には申し訳ないがあいつ等を追う

 

直ぐに待機地点から撤収し連中を追う、方角は南・・・・・南?

そこそこの賊が潜伏可能な場所が南と成ると

 

 

ヴェル「ミストヴァルか」

 

 

あそこは年中結構な霧が立ち込めて酷い時にはロレント近くまで来る事があるらしい。俺も何度か言ってみたが水がかなりきれいで釣りの隠れスポットもあり、確かベアズクローとか言う薬草も取れるんだったな・・・タダ場所の所為か毒持ちの魔獣が多いんだよなあそこ、しかも迷いやすい

 

其処に長期間潜伏可能か?俺でも万全の準備をしたとしても一ヶ月位が限界だ。それをその手の状況に成れている賊とは言え複数人。それもリーダー格とは言え女が居て長期間潜伏できるか?無理だろう、と成ると

 

 

ヴェル「チッ。面倒な事に成る」

 

 

俺は拠点、ブライト家があるエリアを越えて街道の外れを賊・魔獣共に見つからない様に追跡し。霧立ち込めるミストヴァルへ入った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴェル「のん気なもんだな~」

 

 

茂みや木々を挟んだ向こう側では賊たちが仕事の結果に大喜びだ・・・・ってアイツ、鉱山から逃げて来た新入り。アイツ等の手下だったか

 

連中の話し声を聞いた感じ、彼女は盗賊の頭の兄妹らしい。頭の兄ともう一人の兄、そして彼女っでその手下たち。ソイツ等の格好は山賊や海賊と言うよりも空賊。飛行艇を扱う空の賊だ

 

カプア空賊団ね、初耳だな?最近売り出し始めたのかな。血を流さないだけかなりマシな部類だ

 

 

ヴェル「だがだからって見逃してやる気には成れないないねぇ」

 

女性「見逃しちゃダメよファーゼ」

 

ヴェル「お前らやっと来たか」

 

 

話し掛けられたので返答ついでに後ろを振り返るとハーヴェイとブライト兄妹が俺の直ぐ側の茂みまで来ていた

 

 

ヴェル「目印は見つけたようだな」

 

シェラ「ええ、処でどんな感じ?私達は」

 

ヴェル「大体わかる、大方此処にしかない草木が市長の家から出たんだろう?ってブライト、その眼は何だ」

 

ヨシュア「すいません、エステルは作戦であっても賊を見逃した事を良く思ってないらしくて」

 

ヴェル「あいつらが殺されても文句言われない連中だったら現れた時点でブッ飛ばしてるよ」

 

エステル「ふんっ!」

 

シェラ「まぁその件についてはまた後で。それで相手の戦力にナニか解かった?」

 

ヴェル「連中はカプア空賊団、名前の通り空賊らしいが飛行艇は今の所発着後以外無いな。構成員はあのニセ女学生がリーダー格で下っ端が六人か、武装はあの女が恐らく拳銃タイプの導力銃に・・・残りは多分だが腰の短剣だろう。俺が居なくてもお前ら三人で十分制圧可能だろうな」

 

エステル「ちょっと待ちなさい、手伝わないの!?」

 

ヴェル「手伝わんとは言っていないが。連中は俺とハーヴェイを知らない。十中八九戦う事に成るだろうからお話しをするのにハーヴェイは丁度いいが俺は顔を知られないままの方が都合がいい」

 

エステル「むぅ~」

 

ヨシュア「ではもし僕達に何かあれば」

 

ヴェル「そん時はばれない様に援護するよ」

 

 

その後、二・三話して三人はこの場所への入り口の方へ行き連中の話しに耳を傾けていた

 

能天気女と言う所でブライトが突っ込みそうになったが我慢出来たようで。御話(物理)しに姿を顕し戦闘に入った

 

俺?周囲を警戒しつつ高見成らぬ茂見の見物だ・・・・しばらくして戦闘は直ぐに終わったのだが

 

 

ヴェル「相変わらずハーヴェイの鞭は恐いな、僕っ子が涙目と言うかほぼ泣き出してるよ」

 

 

ブライト兄妹からもドン引きと同情の視線を受けて尚嬉々としてお話ししてもらう為に鞭を一振り・・・・・正義の味方(遊撃士)とは一体?

 

 

ヴェル「っと来たな」

 

 

空からエンジン音、そして動けないジョゼット達とブライト兄妹に前に出ていたハーヴェイを離す様に放たれた銃弾、オイオイそれ牽制であっても人に向かって撃つようなもんじゃないぞ?

 

空から来たのは・・・・ありゃラインフォルト社製の飛行艇、それも軍事や民間用じゃないスペック高めで量産しずらい一部の貴族御用達の奴だ・・・・・って事はアイツ等もしかして貴族?ってかキール兄なる人が何やら焦っている?先ほどまで倒れてた団員を回収している間に俺は普段は使わない消音隠密性が高い超小口径の銃で飛行艇のあまり整備の手や目が入らないヵ所に銃弾を一発撃ち込む

 

丁度それが終わった所で飛行艇はジョゼット以下団員達を回収して離脱した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジョゼット達を取り逃した後、すぐに残された荷物を物色したが有益な情報は得られず

 

ミストヴァルを後にしてギルドへ事の顛末の説明と報告をしたところ

 

 

ヴェル「おかしい、何故に俺までお前らに同行せにゃならん?」

 

 

何故かブライト兄妹とハーヴェイと一緒にボースに向かった街道を歩いている・・・・いや本当になんでだっけ?

 

・・・ああ、そう言えばなんか事件解決した功績とかで正遊撃士に成る為の推薦状貰ったとか言ってたな、んで他のリベールに支部を奥遊撃士協会を歩いて渡って正遊撃士に成るぞ~?オー♪

 

OK,御目付け役と言うか先生というかそう言うのハーヴェイだけで良くない?

 

 

アイナ『カシウスさんからの指名以来よ?良かったわね』

 

ヴェル「良くない、全然良くない。あのおっさん本当に誘拐されたのか?絶対出発ギリギリに降りたとかってオチだろ?」

 

 

しかもなんかボースの方で定期船が一隻乗客船員諸共誘拐した上に。その主犯があのエステル命名僕っ子事ジョゼットと助っ人に来たキールとか言う二人の兄だとか。おまけにその船にカシウスのオッサンが乗っていたとか・・・・・・何コレ?何が如何すればこんな物語でも滅多に見たいアホみたいな展開に成りやがる

 

 

シェラ「まぁ下手したらアンタの言う通り先生は五体満足なんだろうけど」

 

ヴェル「だろうな」

 

 

 

 

前を歩くエステルとヨシュアに付いて歩く俺達は、ロレントから次の街へと続く街道を歩くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この軌跡は続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

どうもアサシンです

 

書いて見ましたが軌跡シリーズ難しい!とにかく難しいですはい、何で選択肢に知れたのだと過去の自分にゴットブロー!です

 

本当になんでアンケートに入れちゃったんだろう私?でも書く、例外は無いです・・・・・でも実際書いて見ると愛読している某サイトの作者様の作品凄いと思います

 

今作のカズトことヴェルも双子の爆焔並みの苦労体質と言うか不幸体質と言うか・・・・・・おかしい、書いてはいませんが至った彼の根源を考えると何を如何すればこんな性格と言うか状況に?書いているうちにこんな事にorz

 

書いている内にエボリューション前のPSP版を元に執筆して行く予定です。戦術オーブメントや戦技クラフト等を扱う戦闘描写や細かい依頼等はかなり飛ばしたりカットしたり・・・・・・・私の駄文製造機(憤△慨?)

 

 

この感じだと下手したら十話以内でFCは終わりそうですね

 

 

 

では次回予告へ

 

 

 

次回 真・恋姫の軌跡 白隼の守り人 第一話

 

       カプア空賊団

 

 

 

 

 

 

 

ではでは

 

 

 

 

 

 

 

空で・・・待つ

 


 
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