~虎牢関にて~
「…師匠~、これ何時までやれば終わるのやろか?もう二刻位同じ作業ばっかなんやけど…」
「まだまだだな、真桜の作業には所々粗さが出ている部分がある。俺の眼から見てそれが無
くなったと判断出来るまでしばらくはこれを続ける」
「そないな殺生な~…ああ、もっと見た事が無いような絡繰とか教えてくれるとか思うとっ
たのに~」
「君は俺の技術を一からって来たんだろう?だったら最も必要なのは基礎の技術だ。実際に
色々造ってもらうのは、それが出来たと判断出来てからだな」
「基礎って、そん位ならもうウチは十分に…『甘い!基礎の技術に十分などという言葉は無
い!例え百年経っても極める事は無い!!それに見た所、真桜は基礎がまだまだなってい
ない!それでは何を教えてもそれを持て余すだけだ!!』…うわーん、師匠が厳しくて涙
が止まらへ~ん」
俺は押しかけ助手となった真桜に絡繰の技術の基礎となる部分を教えていた。彼女はすぐ
にでもお茶汲み人形のような物を作らせてくれると思っていたようだが、彼女が自分で作
った物を見せてもらった所、粗さが目立っており(そもそも彼女は独学だったのが原因の
ようだが)、このままでは難しいと思い、俺はじいちゃんに最初に教わった基礎から彼女
に教える事にしたのである。
(ちなみに先程言った言葉は、俺がじいちゃんに言われた言葉をそのまま言っただけである)
「ところで師匠…やってて何ですけど、今って戦の最中やね?」
「ああ、そうだな。全然攻めて来ない…っていうか、もはや連合にすら見えない軍勢がただ
そこにあるだけのような感じになってるけどね」
既に曹操軍がこちら側に寝返って十日が過ぎているのだが、此処まで連合(の残骸と化し
た集団)はまったく動きを見せていなかった。月も不審に思ったのか、何度も間者や斥候
を送って確かめているものの、連合側のやっている事といえば、軍議という名の一部の者
達の自己主張を発する集まりだけとの事であった。
「もういっその事、こっちから攻めたらええやん」
「そう主張している人もいるけど(言うまでもなく華雄の事である)、こちらはあくまでも
防衛に徹するというのが基本方針だとさ」
「まあ、こっちに来てみてどれだけ此処の防備がとんでもないか良く分かったから、その方
針が一番ええのかもしれへんけど…でも」
「でも?真桜はそんなに攻撃したいのか?」
「いや、もしかして何年経ってもこのままなんかなって…」
「多分それはない、こっちはともかく向こうは事態を動かしたいだろうしね」
・・・・・・・
その頃、連合側では…。
「白蓮さん、もはや我らに他に選択肢は無いのです!!」
「そうだよ、私と白蓮ちゃんが頑張らないと!!」
「いや、そのだな…そう言われてもだな、今のままじゃ無理だろう?何か策とか用意しない
と…」
一応、軍議らしき事はやっているのだが…その実態は袁紹と劉備がすぐにでも攻める事を
主張してそれを公孫賛が押し留めようとする事を繰り返しているだけであった。
「だから~、白蓮ちゃんの白馬義従で向こうを引き付けて隙が出来た所に私の軍が突っ込め
ば一気にいけるって!」
「さすがは桃香さんですわ!その素晴らしい策を実現する為にも、まず何よりも白蓮さんの
決断あるのみですわね!」
「それの何処が策だ!!それじゃ、麗羽が最初に言っていた雄々しくとかいうのとほとんど
変わりないじゃないか!」
「それじゃ、白蓮ちゃんは何か他に考えがあるの?」
(はぁ…本当だったら、もはや連合軍としての体裁なんてとっくに崩壊しているわけだから
此処はもうおとなしく解散して帰るべきなんだけどな…二人の頭の中にはそれは完全に無
いみたいだしな…ああ、私ももう北平に帰りたい。でもこの二人をこのまま放って帰るわ
けにもいかないだろうな…一体どうすればいいんだ、私は)
公孫賛は心の中でそう嘆きつつ、さっきからまったく発言しない孫策の方に眼を向ける。
「…何?私に意見を求めても無駄よ。私は一刻も早くあそこに攻め込みたいだけだから」
公孫賛の期待も空しく、孫策はそれだけを言うとまた押し黙ってしまう。
(ああ…ダメだこりゃ。私にもこれ以上どうする事も…ううっ、貧乏くじだなぁ)
もはや心の中では完全に涙目になっている公孫賛であった。
・・・・・・・
実は問題が起きているのは連合側だけでは無かったりする。
「だ・か・ら!何度言えば理解するのよ!!こっちはあくまでも向こうが撤退するまで守り
に徹する、それが基本方針なの!!」
「だからそれが生温いと言っているのだ!!もはや向こうは死に体ではないか、此処で一気
に攻めかければ鎧袖一触で粉砕出来る!!その方が戦が早く終わって月様もお喜びになら
れるに違いないではないか!!」
虎牢関でも、主戦論を声高に叫ぶ華雄と基本方針に沿って防御に徹して持久戦を徹底しよ
うとする詠との間で何度も議論が繰り返されており、それぞれを支持する者達も合わせて
半ば険悪な空気が流れ始めていたのである。
「何だ、まだやってるのかあの二人…」
「あら、一刀。真桜は?」
「基礎作業の訓練中だな、確かに手先は器用だし絡繰を造る才能もあるみたいだけど、俺の
眼から見てもまだまだ粗い部分が多々あるのでね」
「ふふ、お手柔らかにね」
「ああ…ところで、何時までやってるんだ、あの二人は?」
「さぁ?今日も朝からずっとあの調子よ。張遼なんか『もうやってられへん』とか言って兵
の調練に行っちゃったし」
「やれやれ…しかし、この状況はあまり良くないな」
「ええ、確かにこれでは結束にひびが入って、向こうにそこを付け込まれる可能性も出て来
るわね」
華琳の言う通り、折角連合をほぼ空中分解させたというのに、こっちはこっちで同じよう
な事をやっていたのでは本末転倒だ。そもそも戦が膠着したまま随分と長い時間が経って
いるのが原因で皆の心の中に緩みが出ているのかもしれないけど…そうだ!
「ねぇ、ねね。お願いがあるんだけど」
「何ですか?ねねは一刀の使い走りではないのですけど、たまたま暇なのでちょっと位なら
聞いてやるのです」
・・・・・・・
二日後。虎牢関より響き渡る歓声に連合側の将兵は驚き、続いて聞こえてくる歌声に吸い
寄せられるように皆集まってくる。
「何ですの!?遂に向こうがこちらの罠にはまってまんまと釣り出されて来たのですか!?」
「違うって!何だか虎牢関の中から歌声が聞こえてきて、こっちの兵達が皆そっちに行こう
としてしまってるんだ!」
「何ですって!?何故誰も止めないのです!?」
「止めるべき隊長や将の連中までほとんど一緒に行っちゃってるから、止めたくても止めよ
うが無いんだよ!!一体何なんだ、あの歌は!?」
「…嘘、何で?」
状況が分からず混乱している公孫賛の横で、劉備はそこから聞こえてくる歌声を半ば呆然
と聞いていた。
「どうした、桃香?あの歌声に聞き覚えでもあるのか?」
「そんな…そんなわけは…天和ちゃん、何で!?」
公孫賛の問いかけには耳を傾けず、劉備はそう呟くとそのまま歌のほうへと走り出してい
ってしまう。
「おい、桃香!お前まで行ってどうするんだよ!?」
・・・・・・・
その頃、虎牢関にて。
「「「みんな、今日は集まってくれてありがとう!精一杯楽しんでいってね!」」」
『おおおおおおおーーーーーーーーーーーっ!』
張三姉妹が壇上に現れて歌を披露すると、集まった兵士達が一斉に歓声をあげる。主戦論
派と慎重論派でいがみ合いかけていた兵士達も肩を組んで盛り上がっているようだし、作
戦成功といった所か。
「凄い盛り上がり…これがあれだけの大乱を引き起こした黄巾の原動力だったわけね」
華琳もこの盛り上がりには驚きを隠せずにいる。
「これで少しは将兵の不満も収まってくれれば良いのだけどね」
「無問題ですぞ!空気が悪くなったそもそもの原因は、戦が大きな動きを見せないまま長期
に渡ってしまい、心の中に緩みと焦りが出てしまった事なのですからな。最初、一刀から
あの三姉妹をこっちに連れてくるように月様に頼んで欲しいと言われた時には何の役に立
つのかと思いましたが、こういう使い方もあるのですな!」
俺の懸念にねねはそう言って太鼓判を押してくれる。
「でも、それだったら一刀の絡繰興行でも良かったんじゃないの?わざわざあの三人を此処
まで呼び寄せなくても」
「華琳の疑問ももっともだし、それでも良かったのかもしれないけど、俺はこっちの方がよ
り盛り上がると思ったわけだよ。何せ、兵士の大半は男なわけだから」
そう、この世界では武将に関してはほとんど女性であり、女性兵士の割合もかなり高いわ
けだが、それでも兵士に関しては八割近くは男だったりする。ならば、男の俺が行う興行
よりも可愛い女の子が歌う方が盛り上がりとしては上だと考えたわけだ。そして、やはり
その考えは間違っていなかったとこの状況を見て確信したのであった。
「そして実はちゃんと絡繰は舞台に仕込んだしね」
「それじゃ、あの舞台が回転したり、壇の下から三人が出てきたりとかしてるのって…」
「ああ、俺が造った。あの煙のような物を出すのもね」
この所、戦関係の物ばかりだったので、気分転換も兼ねてかなり気合を入れて舞台装置を
造ったのであった。ちなみに今回の舞台が仮設という事もあるので、各装置は分解して持
ち運べるようにしてあるので、今後三人が興行を張る時には常に持っていく事になってい
くのであった。それにしても張宝ちゃんの術って凄いな…マイクやスピーカー無しで此処
まで音を響かせる事が出来るとは。
「申し上げます!敵兵がこちらへ近付いてきております!」
そこへ伝令が来て連合の兵がこちらに向かってきている事を告げ、その場に緊張が走る。
「遂に攻めて来たわけね」
「それが、少々様子がおかしく…どうも攻撃の意志を感じないのです」
「攻撃の意志を感じない?一体、どういう事なの?」
「それが…まったく陣形を取っておらず、しかも武器を持っている者すら少数のようで…関
の守備に当たっている者達もどうすれば良いのか判断しかねているようです」
その頃、虎牢関より少し離れた場所にて。
虎牢関の中で行われている三姉妹の興行の歌声は、張宝の術の力でこの位置まではっきり
と聞こえており、連合の兵士も半ば戦の最中である事を忘れたかのように盛り上がってい
たのである。
「どういう事ですの!?今は戦の最中でしてよ!?斗詩さん、猪々子さん!!」
「ダメです!これだけの人数の動きを止める事なんて…」
「二・三十人位ならぶん殴ってでも止めれますけど、これだけの人数を下手に刺激なんかし
たら、逆にあたいらがやられちまう!!」
袁紹が顔良と文醜に兵を止めるように指示するも、二人の力でも止めようもない程に混乱
と熱狂が広がっていたのであった。
「おいっ、待て、桃香!!」
「天和ちゃん…何で?何であなたがそっちにいるの!?」
状況が理解出来ていない袁紹の横を劉備とそれを追いかける形になった公孫賛が通り過ぎ
ようとする。
「ちょっ、白蓮さん!?何ですの、今度は!?」
「私だって分からない、歌を聞いた桃香が勝手に…待てっ、それ以上近付くのは危険だ!!」
「白蓮殿、桃香様は私が連れ戻します!あなたは兵達を!!」
「…愛紗!?此処に来ていてお前の所の軍は大丈夫なのか?」
「我が軍の方は鈴々と星で何とか…後は桃香様だけです!」
「…分かった、桃香の事は頼んだぞ、愛紗!」
公孫賛は劉備の事を後から追いかけて来た関羽に任せると、これ以上兵の混乱が広がらな
いように努める為に踵を返したのであった。
そして再び虎牢関にて。
「ふむ、戦の最中に歌などと思っていたが、さほどに悪くも無いな」
城壁の上にいた華雄は聞こえてくる三姉妹の歌声に耳を傾けながら、一人酒を飲んでいた
のだが…。
「華雄様、集団から離れてこちらに向かってくる者達が!!」
「何だと!?人数は…っと、二人か。たかだか二人で何が出来るとも思えんが、此処は念を
入れておこうか。四・五人ばかり付いてこい、残りはこのまま警戒を続けろ!!」
「一応、近付いてくる者達の対処は賈駆様へ報告する事になっておりますが…」
「そんなものはいらん、たかが二人程度始末するのに四半刻もかかりはせん。援護も余計だ
から私が合図するまでいらんからな」
華雄は近付いてくるのが二人だけだと知ると、得物を抱えて下りて行ったのであった。
・・・・・・・
そして虎牢関の前にて。劉備は後方から呼びかける関羽の声にも耳を貸さずに近付いてき
ていた。
「桃香様、お待ちを!!もう虎牢関の眼の前です、護衛も無しに行くのは危険過ぎます!!」
そして関羽がようやく劉備を捕まえる事が出来た時には虎牢関の前の馬出の50m程手前
まで来ていたのであった。
「愛紗ちゃん…」
「どうされたというのですか!?このような所にまで…」
「愛紗ちゃんは聞いていて分からないの!?向こうで歌っているのって天和ちゃんだよ!?」
「えっ…確かに言われてみれば…何故天和の声が虎牢関から?…って、今はそれどころでは
ありません!今は一刻も早く戻らないと…遅かったか」
「悪いが手遅れだ。向こうからやって来た所を見ると、連合の者だな?此処まで来た以上は
無事に帰られると思わない事だ。おとなしく縛につくのであれば良し、そうでないのなら
我が戦斧の錆にしてくれようぞ!」
そこに現れたのは華雄であった。華雄は口でこそ投降を呼びかけているものの、その表情
は完全に斬る気満々な状態であった。
「くっ…桃香様、此処は私が引き受けます故、お下がりを」
「そんな、ダメだよ!逃げるなら愛紗ちゃんも一緒に…『眼の前にいる将はかなりの手練れ、
そう簡単に逃がしてはくれぬでしょう』…だったら私も…『出来ぬ事はおやめになられま
せ。桃香様の腕ではあの者の後ろにいる兵士の相手すら出来ぬ事はあなたご自身が理解し
ているはずです!』……ううっ、でも…」
「安心しろ、この華雄がまとめて相手してやる…お前達は奴らの後ろへ回れ。逃げられて援
軍でも連れて来られると少しばかり厄介だからな」
関羽は劉備だけでも逃がそうとするが、劉備が逡巡している間に華雄の配下の兵が後ろに
回り込んでしまう。
「くっ…こうなれば、お主ら全員斬り捨てて血路を開くのみ!」
「ふっ…ほざいたな、下郎。何処の誰かは知らぬが、この華雄に勝てるなd…『ビュッ!』
…なっ!?」
関羽の言葉に華雄が侮りの口調で返したその瞬間、一気に関羽に間合いを詰められ、左の
肩口を斬られる。直前に何とか回避行動を取った為、致命傷とまではならなかったものの、
傷はかなり深く華雄はその場に膝をつく。
「お、おのれ…この私が眼で追えなかっただと!?」
「我が名は関羽、劉備様の一の配下にして平原の青龍刀なり!お主如きにそうそう後れを取
りはせぬ!覚悟、華雄…『待て、それ以上華雄様に危害を加えるならば、こっちの命は無
いぞ!』…しまった!」
関羽が華雄に止めをさそうとしたその時、背後からの声に振り返ると華雄の部下によって
劉備が羽交い絞めにされていた。
「と…劉備様を放せ!」
「ならばおとなしく武器を捨てて投降しt…『その必要は無いわ、関羽!』…ギャッ!?」
劉備を捕えた華雄の部下が投降を促したその時、その背後より現れた者に一撃で斬り捨て
られる。そして、続けざまに残りの者も斬り捨てて劉備を救出すると、関羽の所に歩みを
進める。関羽はその人物を見て驚く。
「そ、孫策様!?」
「なかなか面白そうな事してるじゃない、関羽?ちょっと私も混ぜてもらおうかなって」
そこにひょいと現れた孫策はそのままズカズカと華雄の所へ歩を進める。
「ふん、なかなか良い姿になったんじゃない、華雄?」
「お、おのれ、孫策か!」
「ええ、大分昔に母様に散々やられたあんたとまた敵になるなんてね。まあ、今更あの事で
どうこうってつもりもないけど…なかなか苦しそうだから楽にしてあげる。きっとあなた
が行った先の地獄に母様がいるから相手してあげてね」
孫策はそう言うと、残忍な表情で華雄に斬りかかる。その一撃は何とか戦斧で防ぐ事が出
来たが、重傷を負った身で受け止めきれるものでもなく、華雄は戦斧を落としてしまう。
「あらあら、往生際の悪い事ね。でも、もう防げないわよね?そろそろ大人しく死んでね」
得物を落とし、無防備になった華雄に孫策は剣を振り下ろす。
しかしその時、関の上から孫策に向かって矢が飛んで来て、孫策はそれを何とかはじくが、
飛んで来た矢の威力の重さに腕に痺れが走る。孫策が見上げたそこにいたのは…。
「華雄が死んだら月が悲しむ…だからお前が大人しく死ね」
矢を放ったのは恋であった。そして次々と矢を放っていく。一撃一撃がかなり重たい上に
それが連続でやってくるのでさすがの孫策と関羽も防ぐので精一杯になる。
「くっ、ここまでね…一旦退くわよ、劉備、関羽。良かったわね、華雄。とりあえず命は預
けておいてあげる。でも次に会った時はそうはいかないわよ、あんたの所にいる七志野権
兵衛ともども必ず首を刎ねてあげるから覚悟しておきなさい」
「行きましょう、桃香様」
劉備はまだ諦めきれないのか、虎牢関の中から聞こえてくる歌声の方を振り向くも、関羽
に手を引かれたまま戻っていったのであった。
・・・・・・・
「まさかそんな事があったなんて…華雄、何故すぐこっちに連絡しないのよ!?あんた達も
何で華雄を援護しなかったのよ!」
四半刻後、連絡を受けて俺は詠と駆け付けるが、到着するや詠は応急措置を受けている華
雄にそう話しかける。
「すまぬ…まさかあのような手練れだったとは思いもよらなんだ故な…それと兵達に責任は
無い。私が手を出すなと言ったからこれは私の責任だ。それにしても北郷の言う通りであ
った…世の中は広いのだな。あのような者がいるとは」
「ところで華雄…君に傷をつけた人の名前って」
「関羽だ、二度と忘れる事も無い名だ」
やはり関羽か…今回は恋のおかげで助かったけど、まだまだ油断は禁物という事だな。
華雄は一命こそ取り止めたものの重傷には変わりなく、このまま洛陽に後送される事とな
った。ここまで来れば状況が一変する事も無いだろうけど…こちらも戦力ダウンは否めな
い。より防御を強固にしていかなければならないようだ。
俺は連合軍の方を見ながらそう考えていた。
~おまけ~
華雄が後送される直前の事。
「ところで、賈駆…『ななしのごんべい』とは誰の事だ?我が軍にそんな名前の者なんてい
たか?」
「はっ?何そのふざけたような名前?そんな名前の奴なんて聞いた事無いけど」
「そうか…いや、孫策が私とそいつの首を絶対に刎ねると言っていたのでな」
「何それ?孫策も母親をやられて何処かおかしくなったんじゃないの?」
一刀と霞がいないこの場面で華雄の疑問に答えられる者はいなかったのであった。
続く。
あとがき的なもの
mokiti1976-2010です。
今回もかなり投稿が遅れて申し訳ありませんでした。
そして、連合軍による虎牢関攻撃再開と言ったにも
拘わらず、正式な攻撃再開までいけませんでした。
次回こそは…と思ってはいるのですが、うまくいく
かな?
とりあえず次回こそは虎牢関への攻撃をお送りする
予定です…どうやったら攻撃出来るのかからなので
しょうけどね(オイ。
それでは次回、第十七話にてお会いしたしましょう。
追伸 結果的に三姉妹のライブでの盛り上がりと華
雄の負傷で、虎牢関内は持久戦で統一されま
したので、基本的には防衛戦となりますので。
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お待たせしました!
曹操の裏切りによってもはや崩壊したと
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