第42話 砂漠のいせき
「あの本の通りに行けば、ここに砂漠の遺跡があるはずだ・・・」
リクガがいるのは、111番道路の砂漠地帯。
デボン製のゴーゴーゴーグルのお陰で砂嵐の中でも視界は守られている。
彼が今探しているのは、旅立つ前に本で見た砂漠の遺跡。
以前この道を通ったときはあまりにも砂嵐がひどく通ることができなかったのだがつい最近デボンからこのゴーグルが発売され、それを手に入れてようやくこの砂漠に入れたのだ。
「よし、探しに行くぞ!
というわけででてこいコドラ!」
ボールからコドラをだす。
この砂漠の中ではコドラのような頑丈なポケモンが役に立つと思ったのだ。
「今回はこの砂漠を探索するから君の力を借りるよ!」
「コッド!」
「よし、突撃だ!」
砂漠を進んでいくリクガ。
砂の深いところはコドラにうまいことのりながらもここにあるという遺跡を探し続ける。
「うーん、どこにあるんだろう?」
今はそこまで砂が深いわけでもないのでコドラからは降りて探索をしている。
砂嵐は少しずつひどくなるがコドラは平然としている。
さすがは岩・鋼タイプのポケモンだと思いながらもひとまず休憩できそうなポイントを探す。
「コド」
「どうした、コドラ?」
コドラの視線の先にはなにか塔のようなものが見える。
蜃気楼か幻影か、または別の何かか・・・
「変な塔・・・あれが遺跡なのか?」
「コッド」
「とりあえず入ってみよう。
・・・狭くなかったらいいんだけど」
これでもリクガは閉所恐怖症なのだ。
幼き頃、かくれんぼの小さな事件により彼の心には大きな傷がうまれ今の彼の弱点にいきついたのだ。
不安を抱きながらもリクガはコドラとともに砂の塔へ入っていった。
「大丈夫なフロア・・・だな」
とりあえずセーフな広さだとしりリクガは安心した。
内装はしっかりしているようだが、触れてみると砂が手に着くことからこの塔はすべて砂でできると推測し辺りを探索する。
「これは、階段・・・なのか?」
盛り上がった砂が数センチ違いで並んでいる。
その上には穴があり、まるで上に続いているようだ。
「行ってみるしかないかな」
リクガは重量のあるコドラをここに残し単身階段を登っていった。
砂の階段は少年一人が乗っても大丈夫だが彼はまだ安心できない様子だ。
「この塔は本当になんなんだ?
壁も階段も全部砂じゃないか・・・天井も。
2階の床は大丈夫なんだろうか?」
そんなことをつぶやいているうちに2階についた。
そこの床をブーツでコンコンと叩くが崩れる気配はない。
しかし、そこも砂だ。
思い切って自身の体重を2階のフロアに乗せるリクガ。
少々痩せ型ではあるが12歳の少年相応の体重である彼が乗っても大丈夫なことに関心する。
「この塔は砂でできている割に丈夫なのか・・・でもこの塔のことなんてテレビの特集でも雑誌でもみたことなんてないぞ・・・どういうことだ?」
こんな塔があるとすれば考古学者にとっては一大スクープとなるであろう。
よほど放送や特集されない理由があるのかあるいは誰も発見できなかったのであろうか。
「いや、発見できないのはありえない。
砂嵐が激しいとはいえ雨が降ったり時にはとまることもあるはずだ・・・。
それにここ以外にも砂漠にはいくつもの考古学の資料が埋まっていたという情報もある。」
だからこんな塔が砂嵐に遮られて見つけられないなどありえないことのはずだ、とリクガは考えた。
「この塔はいったい・・・?」
シュン、
「なにっ!?」
とっさにかわしたがそこにいたポケモンに目を丸くする。
そこにいたのは抜け殻のポケモン・・・
「ヌケニン!?
どうしてここにこんなポケモンがっ!?」
「ニンー」
「しかもボクを敵視しているようだね。
相手がキミというならボクはオオスバメだ!」
ヌケニンにはタイプ相性のいい技しか効かない。
今彼が連れているポケモンでヌケニンに有利なのはコドラとオオスバメくらいだ。
すぐにオオスバメのつばさでうつ攻撃をあてるがかげぶんしんで回避されてしまった。
「っち、ならこれだ! つばめがえし!」
つばめがえしはヌケニンにあたり、一瞬で倒れた。
どうしてこんなところにヌケニンがいるのかオオスバメを戻した後で近づく。
「雰囲気的には合うかもしれないけどそれにしたってなにか不自然だな・・・。」
ゴゴゴゴゴゴ・・・
「なんだっ!?」
砂の塔が崩れ始めたのだ。
さっきまで丈夫だと思った砂の床が崩れてきた。
「まさか定期的に崩れて再生しているとでもいうのか!?」
それなら見つからなくて当然だ、と思うが今はそれどころではない。
一瞬で足下をとられてしまった。
オオスバメをもう一度出そうとしたが腰が砂に埋まってボールがとれなくなった。
「うぐっ」
「コッドゥ」
「コドラッ」
真下からコドラが出てきてリクガを持ち上げる。
そのままコドラが進み、リクガは無事に崩れる砂の塔から脱出することに成功したのだ。
「ふぁー・・・危なかった・・・」
「コドコド」
「ありがとう、コドラ」
はぁ、と荒い呼吸をしつつコドラを撫でかつて砂の塔があった方向をみる。
「あの塔はいったい、なんだったのだろう」
「ココ、コドラ」
「どうしたんだいコドラ?」
コドラが指しているのはなにかの礎のようなもの。
それに近寄りさっさと砂を払うとそこに何かがかかれていることに気づいた。
「これは・・・点字?」
指でたどり点字だと推測する。
「・・・」
点字をひとまずメモしてリクガはその場を去っていった・・・。
この謎を解くのは遠い未来でもない。
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リクガ主人公編。