No.852676

ポケットモンスター トライメモリーズ 第40話

フウイさん

これもとうとうここまできたのか・・・数字的には。
だけどこれ、まだまだ全然終わらないよ(笑)

2016-06-11 14:40:44 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:383   閲覧ユーザー数:383

第40話:天気研究所の攻防戦

 

「うひゃぁ~、ひでぇ雨!  

早くどっかで雨宿りしようぜ!」

「ぴっかぁ!」

「ん・・・・?

あ、あそこがいいや!」

 

天気研究所、と書かれた看板の建物に入りこの雨をしのぐ事にしたクウヤ。

入った先のところでリュックからタオルを出し頭や身体を拭いていると1人の研究員に話しかけられた。

 

「おや、君雨宿りかい?」

「あ、ああ。勝手にごめん」

「いやいいんだよ。

雨がやむまでゆっくりしていってくれ」

「さんきゅ」

 

研究員がその場から去るとクウヤはトイレへ駆け込みタオルにたまった水を搾り出した。

ピーカもぷるぷる身体を震わせ水気を払うと彼の肩へよじのぼる。

トイレから出ようとした瞬間、叫び声がした。

 

「なんだ!?」

 

叫び声を聞きクウヤは思い切り扉を開ける。  

その目に入ったのは、青いバンダナと囚人のような縞々の服・・・アクア団の軍勢だった。

なぜここに奴らがいるのか、とクウヤが目を丸くしていると彼の存在に気付いたアクア団がゴルバットを繰り出しクウヤに襲い掛かってきた。

 

「わっ!」

「そこのガキ!

痛い目に合いたくないなら大人しくしなっ!」

「やなこった!」

 

すぐにピーカの10万ボルトで返り討ちにすると次々にアクア団がバトルを仕掛けてくる。

 

「ピーカ、まとめてぶっとばせ!」 

 

クウヤの指示の通りにピーカはでんじはを広範囲に放つ。

 

 

大勢のアクア団がそれに痺れ動けないうちに叫び声のした2階へ駆け上がる。

そこにいたのは縛られている研究員数名とそこらの下っ端とは違うアクア団の女が1人、下っ端であろう団員が男女2人ずつ。

彼らはクウヤに気付いていないのか、研究員を脅す。

 

「さぁお渡しなさい!

数百万年前の 大洪水の記録を全て!」

「だ、ダメだ、あれは渡せない!

はるか古の貴重な資料や遺跡から考察を積み上げて重ねてきた大事なデータなんだ!

お前達アクア団にそれを渡せば恐らくは・・・!」

「あら、そこまでわかっているのであれば尚更渡していただけないこと?

貴方達があのデータを持っていたところでその情報は宝の持ち腐れですわ」

「くっ・・・」

 

口調は上品さが表に立っているもののそこから感じる裏の話口から悪人であることがわかる。

女がサメハダーを出して脅しに評者をかけようとしたときにはクウヤの身体は動き出しておりピーカもでんきショックを放った。

それによってようやくクウヤの存在に気付いたアクア団は彼の方を向く。

 

「あらあら・・・このようなボウヤまでここにいたんですのね?」

「き、君!早く逃げなさい!」

「そうはいかねぇよ!

おっちゃんらを助けてこいつらをぶっとばさなきゃオレはここから出るわけにはいかねぇ!」

「まぁ威勢の良いこと。

このアクア団の幹部である私・・・イズミだと知ってそのような強がりを言っているのですか?」

「てめぇ見たいな奴知るかよ!

さっさとその人達を解放してどっかいっちまえよこのおばちゃん!」

「お、おばちゃんっ・・・!?」

 

クウヤのおばちゃん発言にイズミはキレた。

それを察した下っ端たちは彼女から距離をおく。

その顔は若干恐怖で青ざめていた。

 

「おばちゃんだぁぁぁっ!!!?

ケツの青いガキぶぜいが生意気な口うぉぉ!!

塞いで2度と喋れなくしてやらぁっ!!!

いきなさいサメハダー!」

「なんの、ピーカ!」

「ピカチュウ!」

 

イズミのサメハダーに対しクウヤは最初から出ていたピーカを引き続きバトルに出した。

 

 

「アクアジェット!」

「かわしてでんじは!」

 

つっこんできたサメハダーを軽く回避しでんじはで痺れさせる。

サメハダーは麻痺しつつもれいとうビームを放ち同じようにして動きを止めようと狙う。

だがまもるでそれを防御されピーカはとどめといわんばかりの強力な10まんボルトを浴びせ倒す。

 

「サメハダー、戻りなさい!」  

「へっへっへ!

じゃ、とっととここから出ていきな!」

「うふふふふふ・・・・・・・・・

誰が、一匹しかポケモンを持っていないといいましたか?」

「えっ!?」

「2匹同時に行きますわよ、ルンパッパ、ゴルバット!」

「ダブルバトルか!

それならいけ、エーネ!」

 

もう実践に出ても大丈夫だろうという核心からかクウヤは初めてエーネでポケモンバトルを始める。

エーネの方もやる気満々だ。

ゴルバットのエアカッターを2匹同時に回避しピーカはゴルバットへ、エーネはルンパッパに向かいそれぞれ10まんボルトとおうふくビンタを食らわせる。

 

「ねぇ!」

「エーネ!」

 

・・・・が、そこで知ってしまったのはエーネと他のポケモンとのレベル差。

ピーカはあのゴルバットと対等かそれ以上、それに対しエーネはルンパッパよりも下。

 

「負けるな!」

「ねぇーっ!」

「ルンパッパ、タネマシンガン!」

「二匹同時にアイアンテール!」

 

だがクウヤにはレベルなんて関係ない、もう優劣なんてどうでもいい、全力で頑張りぬいてどんな相手でも必ず勝つと決めたのだ。

例え強弱が分かってしまったとしても戦いをやめるわけにはいかない・・・。

ポケモン達が戦ってくれるから。

 

「エーネ、ねこのて!」

「ネェ!」

「ピカ」

「なっ!?」

 

味方の技がランダムで出てくる技「ねこのて」。 

そこから繰り出されたのはアーチの技「つばめがえし」。

相性の良い技を食らったルンパッパはその一撃に倒れピーカもゴルバットにでんこうせっかで終わらせる。

イズミは2匹を戻すとアクア団に号令をかける。

 

「っここは一度退散しましょう!」  

「ふぅ~・・・」

「た、助かった・・・」

「データも研究所のみんなも無事で何よりだ。

ありがとう、君のおかげで助かったよ」

「んなことねぇよ」

「君の名前は・・・」

 

クウヤは名前を聞かれるとエーネとピーカを抱き上げながら返事をする。

 

「オレはクウヤ!

ポケモントレーナーさ!」

 

 

雨があがりクウヤは研究所をあとにして再びヒワマキシティを目指し始めた。

 

「さっきの雨がうそみたいに晴れたな。」

「ぴかっ」

「なんか太陽がでただけでもオレ、元気になるよ」

 

リュックの中には研究員からお礼として受け取ったげんきのかたまりもある。

クウヤの明るさも元気も底なしだ。

 

「エーネ、今日のバトルはよかったぜお前。

強くなったな!」

「ねぇっ!」

 

今日のバトルで活躍したエーネをほめる。

様々なバトルを経験して成長したエーネには生まれたばかりの頃の無邪気な暴れん坊ぷりは今はみられなくなった。

 

「よし、この勢いでどんどん進んでいくぞー!

エイ、エイ、オーーッ!」

 

少年の心はこの空のように晴れ渡り虹がかかっていた。

 

 


 
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