第39話:蘇えれ古代の命!
クウヤはトウカジムに勝利した翌日、町を出ようとした矢先デボンの社員と出会っていた。
ダイゴの手紙のことを思い出すと、ちゃんと本人に手渡した事を伝える。
「そっか、感謝しているよ!」
「いいって!」
「・・・ところで君の持っているそれは?」
社員は安心すると彼の持っている「それ」に気付く。
「これ?
フエンタウンで受け取ったソライシ博士からのお礼だよ!
化石・・・とかリクガが言ってたっけ?」
「・・・・・・・クウヤ君、実は社長が」
「あ!社長さんと約束してたんだっけ?雷の石!」
「そ、それが」
「ん?」
クウヤは社員から話を聞いた。
その内容は・・・ツワブキが今本社ではなく遠くのトクサネシティにいるという情報だ。
雷の石が遠くなる=進化が遅くなる。
それにクウヤ以上にピーカが落ちこんでしまった。
「そっか・・・」
「ピカァァァ~~」
しかし社員はクウヤの化石を誇らしげに指差し言う。
「その代わりといってはなんですが、今ここでその化石をよみがえらせましょう!」
「え、ここで!? まじで!!」
「時間がかかりますが可能です。
どうしますか?」
「そんじゃ頼むぜ!
オレもこの化石がポケモンになるとこ絶対みたい!」
「今日はカナズミスクールの生徒もいるのでどうぞのんびりしてください」
「おぅ!
・・・・カナズミスクールの生徒?」
クウヤはもしかして、と生徒が集まってる場所を見る。
「カズキー!久しぶりだな!」
「あ、クウヤさん!」
久々に会うカズキにクウヤは駆け寄る。
それに気付いたカズキもクウヤに近寄った。
「どう、旅!」
「へっへへ!見てみなよバッジ5つだ」
「すごい・・・」
「カズキ、誰その人?」
「クウヤさんっていうポケモントレーナーだよ」
「ふぅん?ポケモン見せてよトレーナーさん」
「ちょっとナオヤ!急にそんな」
「オレはいいぜ。出て来い!」
クウヤは5つのモンスターボールを投げ全てのポケモンを繰り出した。
「え、このバシャーモあの時のアチャモ!?」
「おぅ、トウカジム戦で進化したんだ」
「かっこいい・・・!」
カナズミスクールの生徒は皆クウヤのポケモンに好奇心旺盛だった。
ただ1人、先程クウヤにポケモンを要求したナオヤを除いては・・・・。
「?どうしたんだ?」
「っけ、伝説のポケモンは持ってねぇのかよ!」
「ナオヤ!失礼だよ!」
「うるさい、カズキには関係ないだろ!
生意気で付け上がってるナオヤにクウヤは目線を合わせて話そうとする。
その態度にナオヤはますますいらいらした。
「ガキ扱いするなよお前!」
「いや、オレお前より年上だし」
「うっせぇ!」
「お前なんで伝説のポケモンに期待してたんだ?
話すまでオレはこの体制をやめねぇ」
彼の翡翠色の目にナオヤは少しひきながら相変わらず偉そうに話し始める。
「伝説のポケモンがいるからバッジを5つゲットできたんだろ!
伝説凄いんだぜ、最強なんだぜ!」
「そりゃ伝説とかいわれるんだからな。
でもオレはオレの育てたポケモンでここまでこれたんだぜ?
何度も負けちゃったこともあるけど」
「負けたの?だっせぇ」
「なにぉう!勝てたからいいんだよ!」
クウヤは立ち上がりながら言う。
「もしも伝説のポケモンに出会ってもオレはゲットしたりその力に頼るつもりはねぇよ」
「なっ・・・」
「生まれつきの才能とか伝説の力はすげぇんだろうけどさ、そんなものに頼りぱなしじゃ誰も強くなんてなれねぇ。
頑張って身につけた力だからなんでもできるんだ」
「甘い奴だぜ」
「・・・そういわれてもいい、子ども扱いでも最初は嫌だったけど今じゃもうそんなこともどうでもよくなったんだ」
「えっ?」
ナオヤににっと歯を見せて笑いかける。
「オレはオレだから!」
「・・・・・・・・・」
「クウヤさん・・・・」
少しボサボサの黒いショートヘアーが風に揺れ相変わらず翡翠色の瞳は彼等を見ていた。
「お前たちも自分を持てよ!」
『はーい!』
「・・・・・・・・」
タダ1人納得せず去っていくナオヤに苦笑いしつつ化石の復元が終わった事を知りクウヤはその化石の元へ向かう。
「復元できましたよ、これが古代のポケモン、アノプスです!」
「これがアノプス・・・・」
図鑑を開き確認するとクウヤはアノプスを社員から受け取り抱き上げる。
「よし決めた!お前は今日からオレのポケモンだ!」
「アノップ」
アノプスは喜んでいるのか両手をあげた。
「名前は、ノープ!」
新たな仲間を向かえ、未来のトレーナーたちと交流しクウヤはまた一つ大人になった。
「クウヤさん、新しい仲間が増えてよかったね!」
「ああ!」
また一晩トウカに泊まったが、翌日の早朝、クウヤはトウカシティから旅立った。
カズキと、そしてナオヤにも再会といずれバトルする約束をして。
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今回で一応クウヤのパーティーはそろいます、あとは進化を待つのみです。