張三姉妹を覚えているだろうか?
黄巾党が敗北した際、彼女たちは兵士達が殿をつとめている間に、三人で逃亡していた所をある勢力の人間達に保護された。
桃香の軍である。
三姉妹は人和の機転で自分達は黄巾党の兵士達に捕まり、兵士たちの慰安任務に就かされていた旅芸人の者だとお人好し揃いの桃香たちを騙し、戦いが終わると桃香たちと共に戦場を離脱したのだ。
そして、少しの間桃香の所で興行を行って路銀を稼いだ後、三人は旅に出た。
その後、彼女達がどうなったかというと・・・・・・
洛陽を出た一刀は貂蝉と共に馬車で帰路についていた。
その道半ばの事である。
「・・・・・・ん?」
「どうしたの?ご主人様」
「いや、あれを見ろよ」
一刀の指差す方向、馬車から見て左を貂蝉が見ると、三人の見目麗しい女子が下卑た笑いを浮かべる男達に追われているところが見えた。
「とりあえず、助けるべきかね」
そう言うと一刀は馬車を方向転換させ、彼女達の元へと馬車を走らせるのであった・・・・・・
追いついた一刀と貂蝉は女達と男達の間に割って入った。
「何だてめえらは!?」
女達を追いかけていた男の一人が一刀たちに向かって吠える。
「いや、追われてる女を見たら普通助けようとするものじゃないか?」
「そうよ。女の子にオイタはいけないわん」
「うるせえ!気持ち悪い格好しやがって!目の毒だから変態は失せろ!」
男の一言に、貂蝉はキレた。
「だ~~れがそこらの変質者なんて相手にならない空前絶後のド変態恥女ですって~~!!」
「いやそこまで言ってねえし!そもそもお前は男・・・・・・」
「問答無用よ!ふんぬぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
キレた貂蝉にそこらのならずものが敵うわけも無く、一分と経たないうちに男達は一人残らずお星様となった。
男達が倒されるのを馬車の後ろに隠れて見ていた三人の女達は、おそるおそる一刀たちに近付いていく。
どうやら貂蝉にびびっているようだ。
「え、えっと・・・・・・どうもありがとう」
「助かったわ」
「本当にありがとうございました」
それぞれにお礼を述べる三人。
「礼は貂蝉に言うんだな。俺は何も・・・・・・ん?お前、膝怪我してるじゃないか」
一刀の言うとおり、三人の内のポニーテールの少女は左膝に擦り傷があった。
「う、うん。追いかけられてた時に転んじゃって・・・・・・」
「馬車に入りな。手当てしてやる」
「え?いいわよそんな・・・・・・」
「擦り傷と言っても馬鹿には出来ないんだ。ばい菌入って化膿したりしたら大事にもなりかねない。いいから治療されておけ」
「・・・・・・はい」
言われたとおり、ポニーテールの少女は一刀に連れられて馬車の中へと入っていく。
残りの二人も少女に付き添って馬車の中へ足を踏み入れた。
貂蝉は馬の手綱を握り、待機している。
一刀は手慣れた手つきで消毒を行い、包帯を巻いて手当てを終える。
「これでよし」
「あ、ありがとう」
「慣れた手つきですね。もしかしてお医者様ですか?」
「一応な。ところで、お前達は・・・・・・」
「自己紹介が遅れました。私は人和と言います」
「地和よ」
「天和で~~す。三人姉妹で旅芸人やってま~~す」
「へえ・・・・・・俺は北郷一刀。あっちの大きいのが貂蝉だ」
「よろしくねん♪」
「で?その三姉妹さんはこれからどこへ行くつもりなんだ?」
「特にこれといった目的地はありません。できれば興行しやすい人の多い場所に行きたいとは思っていますが・・・・・・」
「ふむ・・・・・・なら、一緒に来るか?」
「え?」
「曹操を知っているか?」
その名前を聞いた三姉妹は一瞬硬直した。
「どうかしたか?」
「う、ううん。知ってるけど、その曹操がどうかしたの?」
動揺を抑えつつ、一刀に答える地和。
「いや、俺は曹操の所の医師でな。用事があって洛陽に行ってたんだが、それも終わって帰る途中だったんだ。あそこなら治安もいいし、人も多いから興行を行うには最適だと思うんだが・・・・・・」
一刀の提案に顔を見合わせる三姉妹。
「ちょっと三人で話したいんだけど・・・・・・いい?」
「ああ」
三姉妹は馬車の奥へ行き、ぼそぼそと小声で相談を始めた。
「どうしよう。地和ちゃん、人和ちゃん」
「ちぃはアリだと思う」
「そうね。旅の安全は保障されるし、興行を行う場所としての条件も整っている。断る理由は無いわね」
「・・・・・・ばれないかな?」
「大丈夫だと思う。今まで旅してきて、私達の正しい情報が伝わっていない事は確認済みだし・・・・・・」
結局、三姉妹は一刀の提案を飲む事にした。
「そうと決まれば出発するとするか。貂蝉頼む」
「分かったわん♪」
貂蝉は頷き、馬車を走らせ始めたのだった・・・・・・
どうも、アキナスです。
今更といった感じで出てきましたね三姉妹。
これからの話にきちんと絡んでいくのか?
それともゲスト出演程度の扱いで終わるのか?
詳細は次回にて・・・・・・
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そういえば彼女達は・・・・・・