No.831755

31:長安奪還 前編

戦局が決し、リアンは西涼の武人の援護を受ける。

2016-02-19 00:29:39 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1200   閲覧ユーザー数:1111

どうやら正面突破に成功したようだ。俺が潜入した跳ね橋からも正面より聞こえて来る連合の声が確認され、跳ね橋の叛乱分子はかなり慌てていた。

 

だがここで更に混乱を与えてやるとしよう。俺は跳ね橋の近くにあった兵舎に忍び込み、そこに最後のC4を設置して草陰に隠れながら様子を伺っていた。

 

 

「おいっ⁉︎連合の連中が来るらしいぞ⁉︎」

「な……なんで連中が来るんだよ⁉︎帝がいるってのあに無視をするのかよ⁉︎」

「知るか⁉︎それより郭汜様からの通達だ‼︎跳ね橋を下ろして城門前に部隊を展開‼︎跳ね橋が上がった後に攻勢に転じろとのことだ‼︎」

「ホントか⁉︎いま跳ね橋を開けたら部隊は展開できても奴等の餌食になっちまうぞ‼︎」

「あいつら⁉︎俺らを捨て駒にするつもりだ⁉︎」

 

 

跳ね橋前はいい位に混乱している。俺は草陰からゆっくりと壁際に出て、息を潜めながら跳ね橋へと向かう。そして敵が跳ね橋を操作して跳ね橋を下ろし、そのまま敵部隊が通り過ぎて跳ね橋を揚げようとした時にM67のピンを抜いて投擲。

跳ね橋を操作していた敵兵を排除し、操作中だった跳ね橋は音を立てて降ろされ、その音を聞いた敵兵がこちらの存在に気付いたようだ。サプレッサーを外して向かってくる敵部隊に銃撃を開始。

 

 

「敵襲⁉︎敵襲だ……がはっ⁉︎」

「なんで潜入に気が付か…ぐはっ⁉︎」

「がっ⁉︎」

「あぐっ⁉︎」

 

 

正面の敵を排除したら振り返って背後より接近していた敵兵をMk25をホルスターから取り出して射撃。そのまま物陰に隠れるとM67を取り出して投擲し、纏めて障害を排除してやった。

 

 

 

 

 

 

そのまま制圧射撃を加えていると跳ね橋を通過して曹操軍の衝車が通過。続々と内部に曹操軍が突入していく中、1名際立った動きを見せる人物がいた。

青く輝く鎧に、トンファーに剣がくっ付いたような武器を手に戦う体格のよい男だ。

周りの敵兵を次々と斬り伏せながら俺を見つけると、こちらに駆け寄って来た。

 

 

「そこの御仁。そなたがリアン殿であられるか?」

「あぁ、董卓軍所属のリアン・スチュアートだ。そっちは?」

「某は馬騰軍より貴殿の援護役で派兵された龐徳 令明と申す」

 

 

この武人が後に曹操軍随一とされる忠将か……。龐徳で有名なのが確か樊城の戦いで、関羽を討ち取る為に出陣前に自らの棺桶を用意し、捕縛されて蜀に降るよう説得されるも、忠義を持って断り、関羽もそれに感服したらしい。

 

 

「援護ならありがたい。そっちの兵力は?」

「騎馬隊が50騎。いつでも突破が可能にありますぞ」

「よし。騎馬隊を前に出させて宮殿までの突破口を作り出してくれ。こっちはその隙に城内に潜入して帝を捜索する」

「御意。天界の戦士の実力というものを然りと拝見させて頂くとしよう」

 

 

そういうと俺は忍者を抜き取り、龐徳と共に突撃を開始する。その体格と装備に当てはまらない素早さで相手を翻弄し、向かって来る敵兵を次々と吹き飛ばしていく。

 

 

「我が武の冴え、とくと味わうがよい‼︎」

 

 

槍を構えて仕掛けて来た敵兵の槍を柄から切り落とした後に声帯を切断し、そのまま回転して攻撃を回避して背後から刺突。

引き抜いたらすぐに攻撃を受け止めて弾き返し、姿勢を低くして腹を切り裂く。すると龐徳が片手を前に突き出した。

 

 

「西涼騎馬隊‼︎突入して敵を蹂躙せよ‼︎」

『応っ‼︎』

 

 

 

 

 

龐徳の命令に従い、50騎もの完全武装した騎馬隊が長槍を手に突撃を開始。通常よりも長い槍を手にした騎馬隊による突撃は非常に強力で、敵兵は自身らの攻撃範囲に飛び込めることなく鎮圧されていく。

 

その圧倒的な戦力差を目の当たりにした敵兵は次々と武器を捨てて降伏していき、後続の皇甫嵩軍率いる正規軍が拘束していった。このエリアは彼女達に任せていれば心配ないだろう。

俺も忍者で向かって来る敵兵を排除しつつ城内へと向かった……………。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
2
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択