No.82048

強さ2

earthさん

前回の続きです。

よろしくお願いします。

2009-07-01 22:47:34 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1294   閲覧ユーザー数:1144

 

「ん、ん、ん~~~」

 

時計に目をやる。

 

「・・・遅刻!!!」

 

朝一でダッシュ!!!

 

 

ガラガラッ

 

「ごめん!!これにはいろいろと理由が・・って、あれ?」

 

無人のリビング。

 

「あきれて出て行っちゃったのかなぁ?」

 

「何を寝ぼけとるんじゃ?」

縁側から声がする。

 

「じーちゃん、はよ」

「お!はよ」

「かーちゃんは?」

「友達と旅行に行くって言っておったじゃろ」

「・・・あ~~そういえば」

「まったく。ところで今日は早いのぉ」

「えっ?」

(じーちゃん、ついにボケたか?)

 

 

「今日は、休みじゃろ?」

 

 

「・・・・おやすみ」

「まぁ、まて剣刀。悪いんじゃが、わしの部屋から竹刀を持ってきてくれんかのぉ」

「竹刀?いいけど、何に使うの?」

「素振りにきまっておろうが」

「・・・まぁ、いいや。ちょっと待ってて」

 

 

 

廊下をわたりじーちゃんの部屋へ。

 

 

 

「竹刀、竹刀っと。あっ、あった」

 

押入れから少しはみ出ていた竹刀を発見。

「さっさと持って行って、もう一休みしよっと、ん?」

 

押入れの奥のほうが妙に気になる。

そっと手を伸ばす。

 

 

「なんだこりゃ」

 

奥から出てきたのは、汚い一本の刀だった。

 

「刀なんて初めて見たなぁ。鞘抜けないかなぁ」

 

と、刀を手にした瞬間、

 

「さ・・とは・・・なんだ?」

「えっ?」

「おま・・えの・求め・る強さ・・とはな・・んだ?」

 

おれは、怖くなって刀を押入れに投げ入れ、じーちゃんのもとに急いだ。

 

 

 

「じ、じ、じーちゃん!!」

「な、なんじゃ?騒がしい」

「・・・刀がしゃべった」

「なんじゃって?」

「刀がしゃべったんだよ」

「剣刀、竹刀」

「無視かよ!」

「剣刀、まだ寝ぼけておるのか?冷静になれ。ほれ、深呼吸」

 

おれは、深くとても深く深呼吸をした。

 

「刀がなんじゃって?」

「・・・いやなんでもないです」

 

なんか無性に恥ずかしくなった。

 

「ハッハッハッ。面白いやつじゃわい」

「でもじーちゃんあの刀何?」

「あぁ、押入れの刀か。わしも詳しくはしらんのじゃが、わしらのご先祖様が使っておった刀だそうじゃ」

「ふ~~ん」

「ほれ、竹刀をかせぃ」

 

おれの手から竹刀を取るとじーちゃんはおもむろに素振りを始めた。

 

 

「・・・強さかぁ」

「なんじゃって?」

「なんでもない・・・・ねるか」

 

 

 

 

その日以来毎日のように夢に出てくるあの言葉。

 

 

「おま・・えの・求め・る強さ・・とはな・・んだ?」

 

(しらねぇよ!!)

 

 

 

キーンーコーンーカーンーコーン

 

 

「おい、剣刀大丈夫か?授業中うなされてるみたいだったけど」

「あぁ、最悪な夢みてたからなぁ」

「はい?」

「まぁ、大丈夫だって」

「??まぁいっか。これから遊び行くけどどーする?」

「・・・気晴らしに行くか」

「そうこなくっちゃ。駅前に最近できたゲーセンがあるんだ。そこ行こうぜ」

「おう」

 

 

こうしておれは、数人の友達と駅前のゲーセンに行った。

 

「おーいみんな占いゲームがあるぜ。・・・カンロ占い?なんだそりゃ?」

「剣刀やってみろよ」

「なんで俺なんだよ?」

「最近おかしいからなんか憑いてるかもよ?」

 

茶化しながらいう。

そして、おれはいやいやお金を入れる。

 

 

「おおっ、結果出たみたいだ」

「どれどれ。ん~と、

‘とある出来事が起こるであろう。それを、幸運とするか不幸とするかそれは己次第。自分の探す答えがみつかるかもしれない‘」

「なにそれ、意味分かんない。壊れてるんじゃない?」

「だな。いこーぜ」

 

でもおれは、なんか引っかかっていた。

「答えって?」

「おーーい剣刀いこーぜ」

「・・あぁ」

 

しばらく遊んだあと、

「そろそろ帰る?」

 

一人が言いだしおれたちは、ゲーセンを後にした。

 

 

「おれ、帰りこっちだから」

一人いなくなり、

 

「じゃあな」

またひとり

 

「じゃあ、剣刀またな」

「あぁ、じゃあな」

 

そして、ひとりになった。

 

 

 

外もだいぶ暗くなり、

「ちょっと、いそぐか」

 

駆け出そうとしたその時、

「ちょっとそこのにぃちゃん」

 

振り向くとあごひげを蓄えた男とチビとデブが立っていた。

 

「にぃちゃん、金貸してくんない?」

 

かつあげだ。

 

「い、いやですよ」

 

「なんだと!?アニキはなぁこのあたりで一番強いんだぞ!」

 

チビが偉そうに言う。

 

「まぁまぁ、そういうことは口にするもんじゃねぇんだよ」

 

まんざらでもないようだ。

んっ?そういえば、

‘とある出来事が起こるであろう。それを、幸運とするか不幸とするかそれは己次第。自分の探す答えがみつかるかもしれない‘

 

(これのことか?)

 

「・・・・・」

「なんだなんだ?ビビって何も言えねーのか?」

 

「・・・・強いって何?」

「あぁん?」

 

「強さって何なの?」

不意に口にする。

 

「アニキこいつおかしいぜ」

「あぁそうだな」

 

「なぁ、強さってなんなんだよ!!」

 

「ふん、強さっていうのはなぁ、こういうことだ!!!」

 

アニキといわれる男のパンチがおれの腹をさす。

 

「ぐはっ」

 

おれは、ひざから崩れ落ちた。

 

「くそっ!この野郎!!」

 

おれは、なんとか立ち上がり攻撃を試みた。

しかし、その攻撃は当たることなく空をきった。

生まれてこのかたろくに喧嘩したこともなかった、当然だ。

 

「ほらよっ」

 

チビの蹴りが腹にはいる。

 

「ぐうっ」

 

そして、財布からお金を取られその男たちは、去って行った。

 

「ちきしょう!!・・・・・・おれの求める強さってこれか?」

 

 

おれは、急いで家に帰りあの刀を手に取った。

 

「おま・・えの・求め・る強さ・・とはな・・んだ?」

「・・・おれが求めるのは、力だ!」

「力・を・・欲・・すとい・・うのか?」

「あぁ!力だ!」

「・・・ハッハッハッハッハッ」

「何がおかしい!!」

「・・・・・」

「おい!なんか言えよ」

「・・・・・」

 

 

 

「・・・おれ何やってんだろうな・・・・・・・・もう寝よ」

 

 

 

あとがき

 

え~~っと。

すいません。また現代で終わってしまいました。

でもだいぶ内容が固まってきたように思います。

次回もがんばりまっす。

コメントとか頂けたら今後の参考にしたいと思いますのでお願いします。

 

 


 
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