No.818004

孫権伝―18

ユウヤさん

記憶リターン。稟は不遇。いや、きっとこれが稟のデフォです。白蓮よりも待遇いいからいいじゃない!

では本編どうぞ

2015-12-09 19:41:52 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3965   閲覧ユーザー数:3038

 

 

 孫権伝第18話

 

 『記憶』

 

 

 

 

 関で足止めを喰らって早三日。正規の使者が来るのはおそらく後三日ぐらいだろうか?そんな俺は今、陣の近くに有った大きな一本の木の元で日向ぼっこ中である。正確には手元には紙とペンがある。作詞中である。

 

 一刀「それで、秋蘭は暇して俺の膝でお昼寝ですか?」

 

 秋蘭「迷惑か?」

 

 一刀「そうは思ってないよ。珍しいなとは思ったけど。」

 

 秋蘭「最近は蓮華殿や思春に占有されていたからな。」

 

 一刀「おいおい・・・これでも満遍なく接してるつもりなんだけどねぇ。」

 

 秋蘭「だが・・・私を含めて満足してない娘達が多いようだが?」

 

 そう、秋蘭の言う通り物足りないと感じているのか他にも二人の女の子が俺の膝枕を所望しているのだ。正確には俺の右肩に秋蘭が寄りかかっていて、俺の右膝に流琉、左膝には風が居たりするわけだが・・・

 

 一刀「・・・二人とも良い寝顔だな。風にしては珍しく本気寝してるし。」

 

 秋蘭「ああ・・・二人とも今まで見たこと無い寝顔だな。いや、風に関しては・・・」

 

 一刀「皆まで言わなくても分かってるよ。あの頃と変わらない顔で寝てるな。流琉も・・・うん。季衣と一緒にした後の寝顔と一緒かな?」

 

 秋蘭「しかしこうしてみると二人とも記憶が戻っていると勘違いしてしまいそうだな。」

 

 一刀「そう言えば記憶の戻る条件ってどんなのだろうな?秋蘭だけが特別って訳でも無いだろうに・・・」

 

 秋蘭「そうだったらどれだけ嬉しいだろうな。だが・・・何かしら条件はある筈だ。姉者の話はしなかったか?」

 

 一刀「春蘭の?聞いてないよ?」

 

 そうだったか、と秋蘭は少し考えてから言葉を紡ぎ始めた。

 

 秋蘭「私が元服した時、その夢は突然見え始めた。最初はなんてことは無い、見知らぬ男との話だ。所詮夢だと思っていたのが、次第に誰だか分り、何でこんな気持ちなのか分かり、そして会いたくてしょうがない衝動に駆られるまでになった。私の場合は4回ほどの夢でそこまで行ったのだ。」

 

 一刀「そんな経緯があったのか・・・って事は他の皆も夢なのかな?」

 

 秋蘭「そうでもないと私は考えている。私のきっかけは夢だった。姉者はな・・・ある時家の扉を何の気も無しに吹き飛ばした事があったのだ。勿論理由はある。華琳様から召集が掛かって、嬉しい一心だったのだろう。私が呆れてそれを正して居たら、姉者は急に頭をひねらせてな。こう、言ったんだ。」

 

 俺がなんて?と聞こうとしたらすぐに秋蘭は言葉を発した。

 

 秋蘭「『なあ、秋蘭。のっくとはなんだったかなぁ?』とな。」

 

 一刀「・・・・・・ああ、言ったなぁ。ノックぐらいしろって・・・え?それがきっかけで思い出したの?」

 

 秋蘭「いや、思い出すまでには至らないかった。だが・・・切っ掛けには十分だろう。おそらく何かしらの・・・一刀の国の言葉で言う『ふらぐ』があるのだろう。」

 

 一刀「・・・風や流琉、稟も?」

 

 秋蘭「おそらくな。その考えがほぼ確信したのは一刀と再会した後でのことだ。」

 

 一刀「と言うと?」

 

 秋蘭「凪と流琉達だ。」

 

 一刀「・・・何かあったのか?」

 

 秋蘭「いや、むしろ何もなかったからだ。」

 

 一刀「ん?どう言う事だ?」

 

 さすがになにを言ってるか分からなかった。

 

 秋蘭「私の場合は『胡蝶の夢』が原因だろう。これは華琳様にも当てはまると思うがそうではないと思う。それが原因ならとうの昔に思い出しているし、私に対して何かしらの探りが有ってもおかしくないからな。姉者は扉の件だ。凪は報告だけで深い接触は無かっただろう?」

 

 一刀「あ、ああ。」

 

 秋蘭「だが、風と稟、流琉は違う。しばらく三人と話したりして分かった事だが、稟は鼻血の度に何かを思い出しそうになると言っていたし、風は一刀の傍で眠っていると夢を見るそうだ。流琉に関しては呼び方だったり、料理だったりだな。」

 

 一刀「・・・すごいな秋蘭は。俺はそこまで考えが及ばなかったよ。」

 

 秋蘭「これは私だけが思い出しているからと、他の面子の違和感があったからだな。姉者の件が無かったら気にも留めてなかった筈だ。なにしろ、ノックなんて言葉が姉者から出ていたのだからな。」

 

 一刀「そうか・・・」

 

 秋蘭「おそらく風や稟、流琉は思い出すのが早いと思うぞ。なにせ、一刀の傍に居る事が多くなるからな。まあ、稟はどうなるかは分からんが。」

 

 一刀「あ、あはは。」

 

 そこで不意に向けられた言葉に俺達は驚く事になった。

 

 風「それは問題無いかと~。稟ちゃんの場合は鼻血を噴けばどんどん戻ってる節があるので~。」

 

 二人「「っ!?」」

 

 俺達の話を眠りながら聞いてたのか?本気で寝てると思ったのに、それを悟らせないとか風って本当に軍師か?間諜とか向いてないか?

 

 風「酷い評価ですね、お兄さん。風はお兄さんから離れたくないのでお兄さん付きの軍師の立ち位置を希望なのですよ~。もう、離れてあげないのですよ~?」

 

 一刀「・・・風。それはもしかすると・・・」

 

 風「はい~。思い出しましたよ~。・・・お兄さん・・・おかえりなさいなのです~。」

 

 一刀「・・・ああ、ただいま。」

 

 そのまま俺は風の頭を撫でてやる。風は風で目じりに涙を溜めながらもほんのりと優しい微笑みを浮かべながら黙ってなでられていたのだった。

 

 俺と秋蘭の驚きはこれにとどまらなかった。この表現から、そして今の状況からだとこうなって当然だと言わんばかりなのだが、いきなりだったので、やはり驚かざるを得ない。

 

 流琉「兄様、風様だけずるいです。私もお願いします。」

 

 一刀「流琉?」

 

 流琉「色々聞きたい事がたくさんありますけど、今は兄様と触れあいたいです。」

 

 秋蘭「まさか・・・風と流琉が・・・いきなりだな?」

 

 一刀「そうでも・・・無いのかもな。秋蘭だって言ってたじゃないか。徐々に思いだしている、何か気が付き始めているって。」

 

 秋蘭「あぁ、そうだったな。」

 

 その後俺と三人はひとまず今の状況の整理をした。記憶はどの程度思い出しているのか?思いだした上で今後どうするか等だ。

 

 風曰く

 

 風「先ほども言いましたが、風はお兄さんから離れたくありません。お兄さんが華琳様と敵対すると言うのならそれを打ち倒す策を風は立てて見せます。」

 

 流琉曰く

 

 流琉「季衣と戦いたくないって気持ちはあります。けれど・・・私も風様と同じ気持ちです。兄様、一緒に戦わせてください。」

 

 秋蘭曰く

 

 秋蘭「私の気持ちは再会した時にあの月夜の晩に言った筈だ。共に進もう。一刀。」

 

 だそうだ。愛されてるな、俺。いや、本当に・・・感謝だな。

 

 一刀「ありがとう。三人とも。」

 

 本当に・・・俺は幸せ者だ。

 

 

 

 

 ―長沙―

 

 星「稟、どうしたのだ?さっきから眉間が酷い事になっているが・・・」

 

 稟「星ですか・・・ちょっと・・・出遅れた感があるのです。まるでこう・・・思い出しそうで出せなくて、他の人物がその答えを出してしまったかのような・・・」

 

 瑞樹「あらあら、もしかしたら一刀さん関係では無いですか?」

 

 稟「・・・一刀殿が・・・関係・・・私と一刀殿がただならぬ関係に・・・あんなことやこんな事が・・・あったと・・・した・・・ら・・・ぷはっ!!!」

 

 星「ふむ・・・よくよく考えたら風がいなければこのまま放置するしか・・・」

 

 瑞樹「ご安心を。風さん直伝。一刀さん改良。秘技『妄想止め』!!」

 

 ズビシィ!!

 

 稟「ふんが!?」

 

 星「・・・酷い悲鳴だ。」

 

 瑞樹「お仕事・・・完了です。」

 

 稟「・・・・・・思い出したぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 二人「「!?!?」」

 

 稟「・・・はっ!という事はこの出遅れた感は風ですね!?あの子はいつもいつも・・・私だって一刀殿とイチャイチャしてあんな事やこんな事やピーやドキューンやズババババやキュインキュインな事をぷはああああああああああああああああああああ!!!!」

 

 星「・・・まあ、放置で良いだろう。」

 

 瑞樹「ですね。」

 

 

 

 

 ―函谷関―

 

 

 日も傾き、地平線の彼方がオレンジ色に染まるころ、ちょっと風がイタそうとするのを自制心を総動員しながら止めていると、突然風がその動きを止めた。

 

 一刀「どうした?風。」

 

 風「・・・稟ちゃんが盛大にぶっ倒れた気がしました。」

 

 一刀「・・・鼻血で?」

 

 風「はい。鼻血で。」

 

 二人「「・・・・・・まあ、いつも通りかな(ですね~)」」

 

 結論は簡単で簡潔だった。

 

 

 

 

 ぷちひめ†むそう

 

 

 『ぷち』

 

 

 場所は蜀国が首都、成都。その某廊下。そこを歩く少女が一人。蜀国が王、劉玄徳こと、桃香である。

 

 桃香「あ~~~~お仕事終わったよ~~~~ご主人様成分が足りない~~~~」

 

 そんなだらけた桃香は廊下の先で見慣れた後姿を見つけたようです。

 

 桃香「あ、ご主人様だ!!ご主人様~~~~~~!!!!って・・・ちっさ!?」

 

 ???「と~~~??」

 

 そこに居たのは・・・誰だ?続く!

 

 

 

 

 

 ちょっとあとがき

 

 ぶっこんじゃった。ええそうです。ぷちますですよ。悪いですか?悪いですか・・・でも気にしません!!つう訳でこのまま超短短編物ぷちひめ†むそうやっちゃうぜ!!

 


 
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