No.816478 九番目の熾天使・外伝 ~短編EX~竜神丸さん 2015-11-30 18:37:01 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:2091 閲覧ユーザー数:1167 |
3日後には巨大な“月”が落下し、滅びる事になる世界―――タルミナ。
そんな世界に迷い込んでしまったロキ、ディアーリーズ、咲良(+メズール)は何かしら情報を得るべく、最初に辿り着いた町―――クロックタウンで聞き込み調査を開始する…
「困ってる人達を助けるのが大仕事…」
「「「「「それが僕達、ボンバーズでしゅ!!」」」」」
「お、おぉ…」
「あ、でもこの前は人外を入れて酷い目に遭ったから、デクナッツの君達は入れないでしゅ」
「「うぉい!?」」
困っている人達を助ける子供達、ボンバーズ…
「―――で、この祠の中に大妖精というのがいるのかッピ?」
『そうだけど……あぁ!? 大妖精がバラバラにされてる!?」
「怖っ!? …あれ、何か小さい妖精がたくさんいるッピ…」
『あぁ、若きデクナッツ達……お願いします、はぐれた妖精をここまで連れて来て下さい…』
『『『『『連れて来て下さい…』』』』』
「いっぺんに喋らないでうるさいから!?」
『地味に酷いわねあなた』
大妖精のいる祠までやって来た一同。しかし大妖精はスタルキッドのイタズラでバラバラにされ、大量の妖精に分裂してしまっていた。そのはぐれた妖精を連れて来た事で復活した大妖精が、一同に告げた助言とは…
「5つの仮面に、19のお面が集まりし時、それらが僕等を導いてくれるかッピ…」
「しっかし、5つの仮面に19のお面……そんなもん、一体どうやって集めれば良いんだかッピ」
5つの仮面と19のお面を集めろ……それが大妖精から告げられた助言だった。何の事かも分からない一同、再び聞き込み調査を行うが…
「ガウッガウッ!!」
「ゲフゥ…」
「い、犬にすら負けるとはッピ…」
「ワンちゃん、二人を苛めちゃメッだよ!」
『あ~あ、情けないわねぇ』
『こうなる原因を作ったあなたが言えた義理かしら?』
『あだだだ、ちょ、ごめんなさーい!?』
デクナッツの身体では、子犬にすら呆気なく負けてしまうロキとディアーリーズ。そんな傷付いた二人の前に現れたのは…
「あら大変、傷だらけじゃない! 早く手当てしなくちゃ…」
「ア、アンタはッピ…?」
「私はアンジュ、ナベかま亭で働いてるの。よろしくね」
宿屋“ナベかま亭”で働く娘―――アンジュに拾われ、他に行く当てが無い事(そして連れてるメンバーが現時点で全員子供に見える事)から、ひとまずナベかま亭に滞在させて貰う事になった一同。そこでタルミナの大まかな地図を貰った一同は、今後の方針を決めていく。
「? アンジュさん、それはッピ…?」
「私の婚約者の写真よ。彼とはこの町で、結婚する筈だったの……でも」
「…結婚式を前に、失踪した?」
アンジュから聞かされた、結婚式を前に失踪した婚約者―――カーフェイの名前。アンジュが見せる悲しげな表情を見たディアーリーズ、彼女の為に力になれないかどうか考え始める…
「望遠鏡で覗いてみなさい。スタルキッドの姿が見える筈じゃ」
「…あ、確かに!? あの野郎、ユーズは絶対に取り返してやるからなッピィィィィィィ…!!」
『!? 待って、月から何か落ちて来たわ!』
その後、ボンバーズの試験をクリアした一同はとある天文台に到着し、そこで望遠鏡を覗かせて貰う。すると望遠鏡に映っていたのは、クロックタウンの時計塔に立っているスタルキッド、そして月の目から突然落ちて来た謎の石―――“月の涙”だった…
「正気かムトー!! 月はもうすぐそこまで落ちて来てる、今すぐ住民を避難させるべきだ!!」
「あぁうん、まぁ…」
「馬鹿言うんじゃねぇやいバイセン!! カーニバル直前で、町を捨てて逃げる奴があるか!!」
「あぁうん、まぁ…」
「…とんだ会議地獄だッピ」
「会議地獄?」
『咲良ちゃん、あなたはまだ知らなくて良いのよ?』
クロックタウン町長の部屋では、住民を避難させようとする兵士達、刻のカーニバルを成し遂げようとする実行委員達、そして町長のドトール氏が会議中。しかしドトール氏が優柔不断なあまり、会議はいつまで経っても終わる気配が無く…
「アロマ夫人殿、ダル・ブルーのコンサートの件なのですが…」
「それがねゴーマンさん、大変なのよ!」
「あ、私、ダル・ブルーのマネージャーのトトです……ダル・ブルーのコンサートなのですが、予定はキャンセルする事になりまして…」
「…な、何ですとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」
((…ダル・ブルー?))
別の部屋では、ゾーラ族で結成された音楽バンド―――ダル・ブルーの件で大騒ぎ。どうやらダル・ブルーのバンドを務める少女―――ルルの声が出なくなってしまったとの事だが…
そして、時間は過ぎて3日目の夜…
「! カーニバルが始まったかッピ…!」
花火と共に、刻のカーニバルが開催。それを合図に時計塔の扉が開き、一同は時計塔の頂上へと進んで行き…
「……ふん、来たか」
「「ッ…スタルキッド!!」」
『トレイル!!』
『お姉ちゃ~ん!!』
遂に因縁の敵―――スタルキッドと対面する。
『沼……山……海……谷……4人の人達、ここに連れて来て…!』
「! 4人の、人達…?」
「ッ…余計な事を言うな、このアホ妖精が!!」
『あ、ちょっと!? トレイルになんて事するのよ!!』
「ふん、まぁ良い。どうせお前達には何も出来やしない……止められるもんなら止めてみなぁ!!」
チャットの弟の妖精―――トレイルが告げた言葉。その言葉に一同が戸惑いを見せる中、スタルキッドは魔力で月を引き寄せ始め、タルミナを滅ぼそうと動き始めてしまう…
「ならその前に、俺の相棒を返して貰おうかッピ!!」
「!? な、何ぃ…ッ!?」
≪ッ…バディ!!≫
「ユーズ、よく返って来てくれたッピ!!」
デクナッツの特性を活かし、ロキはスタルキッドから相棒のユーズを取り返す事に成功。このまま落ちて来る月を破壊しようと試みるロキだったが…
「!? そんな……武器が全て…」
≪申し訳ありません、全て紛失してしまいました……しかし、代わりにコレが≫
「! コレは、まさか…」
「コレ、僕等が探していたロストロギアですッピ…!!」
『…オカリナ?』
ユーズに収納されていた武器は全て、何処かに紛失してしまっていた。しかしそんなユーズに残っていた唯一のアイテム……それは、ロキ達が任務で探し求めていたオカリナ型ロストロギアだった…
(!? 何だ、これ……歌詞が、頭に流れて…)
オカリナを手に取った瞬間、ディアーリーズの脳内に流れる謎の歌の歌詞。ディアーリーズが無意識の内にその歌を噴き―――
「―――あ、あれ…?」
「ここは…」
「あれ~? 月が元の位置に戻ってる~」
『…まさか、時間を巻き戻したの…!?』
気付けば一同は、再び1日目の朝に戻って来ていた。ディアーリーズがオカリナで噴いた歌―――時の歌の力で、彼等は1日目の朝まで時間を巻き戻したのだ。
「おぉ~、オカリナを手に入れたのですね! ではでは、あなた達にこの歌を授けねば…」
その後、時計塔で再会した幸せのお面屋。彼に授けられた歌―――癒しの歌を噴く事で、ロキとディアーリーズの身体に変化が起こり…
「「―――も、戻ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」」
2人は無事に、元の人間の姿に戻る事が出来た。
しかし…
「…ムジュラの仮面を、取り返していないと?」
「あ、えぇっと…」
「…正直、すまんかった」
「…何て事をしてくれたんだあなた達はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「「あばばばばばばばばばばばばばばば!?」」
肝心のムジュラの仮面はまだ取り返せていなかった一同。一刻も早きムジュラの仮面を取り返さねば、このタルミナに大変な事が起こる。一同は幸せのお面屋から、改めてムジュラの仮面の奪還を依頼される…
「それにしても、僕のウォーロックドライバーは一体何処に…」
「無い物を強請っても仕方ない、まずは4つの地方を順に巡って行こう」
『5つの仮面と19の仮面も集めなきゃいけない、でしょ?』
人間の姿に戻れた事で、クロックタウンの外に出られるようになった一同。彼等は遂に冒険を開始する。
「…! この匂い、血か」
「あ、あそこ!? 女の子が倒れてます!!」
「ッ……はぁ…はぁ…」
最初に訪れた、沼だらけのウッドフォール地方。その森の中で一同は、モンスターの群れに襲われて死にかけていた、ある少女との邂逅を果たす。
「助けてくれてありがとう。ボクの名前はマイラ、この世界に迷い込んで来たんだ」
「!? まさか、お前も他の世界から来たのか…?」
「え、もしかして君達も…?」
「ならちょうど良いですね……マイラさん、僕達と一緒に来ませんか? 僕等で一緒に、この世界から抜け出す方法を見つけましょう」
「…うん、一緒に行こう!」
助け出した少女―――マイラも、ロキ達と同じく別世界から迷い込んだ人間だった。同じ目的を持つ者同士、ロキ達はマイラも仲間に迎え入れる事になる。
その旅先では…
「さぁ、デク姫の居場所を吐くんだ! さもなきゃ拷問だぞ!」
「ウッキィーッ!?」
「お猿さん、可哀想…」
「ねぇウル、キリヤ、あのお猿さんも助けてあげよう?」
「ですね、助けましょう!」
「…やれやれ、しょうがねぇな」
ウッドフォール地方にて、デクナッツ族のお姫様を誘拐した犯人に間違われ、デクナッツ王と家来達に捕まってしまったお猿さん…
「うわ、変な奴に声かけちまったよ! …死んだフリしとこ」
「「うぉい」」
スタルキッドのイタズラの被害に遭い、傷付いてウッドフォールの森で立ち往生してしまっていた双子の魔女ツインローバ…
『オラの無念、晴らして欲しいゴロ…!』
「…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ幽霊ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!?」
「マイラ、お前結構可愛い反応するんだな」
「お化けさん、じょーぶつできないの?」
(雲雀さん、真司さん、天国では元気にしてるかな…)
スノーヘッド地方にて。冬が終わらないこの山を救おうとするも無念の死を遂げてしまった、ゴロン族の勇者ダルマーニⅢ世…
「びぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!! お兄ちゃん何処コロォォォォォォォォォォォォ…!!!」
「う、うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」
「ちょ、長老さん、泣き止ませる方法はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「おぉ~そうじゃの~、あの歌を聞かせれば泣き止む筈じゃ…ゴホ、ゴホッ」
「長老さん無理はしないで……あぁぁぁぁぁぁぁ鼓膜が破れるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!?」
「よしよし、良い子だから泣きやんで!」
『ちょ、何であの子だけ普通に対応出来てんのよ!? メズールだってノビちゃってるのに!!』
兄のダルマーニが不在で寂しいからか、物凄い音量で泣き叫ぶ長老の息子…
「オウ、ベイベー! 俺は海賊達にやられて、瀕死なんだぜフゥー! …ガクッ」
「いや待て。お前結構平気だろ、実は結構平気なままだろ」
『瀕死の状態で何でギターが弾けるのかしら…?』
「キリヤ、メズール、突っ込んだら負けだと思うよ?」
「ひんしひんし~」
『咲良ちゃん、棒で突っつくのはやめてあげなさい』
グレートベイ地方にて。ダル・ブルーのルルが産んだ卵を海賊に奪われてしまい、それを取り返そうとして返り討ちにされた、ギタリストであるゾーラ族の青年ミカウ…
「せっかく手に入れた、あの神殿の唯一の手がかりなんだ。簡単には返さないよ?」
「返して欲しいなら、アタシ達を倒してからにしな!!」
「ッ…上等です、かかって来なさい!!」
ルルの産んだ卵を取り返すべく、ゲルドの海賊アジトに乗り込んだ一同を待ち構えていたのは、ゲルドの屈強な女海賊達…
「アァ~ウゥ~…」
「な……半分ミイラ化した人間だと…!?」
「駄目!! パパは絶対、アイツ等の仲間にはさせない!!」
イカーナ地方にて。ミイラ型モンスター“ギブド”の呪いを受け、半分ギブド化してしまった父を助けようとする少女パメラ―――
「我がシモベ達の住む暗黒など、所詮は仮初めの物に過ぎない……真の暗黒がどれほどの物なのか、己の目で確かめるが良いッ!!!」
「「クカカカカカカカ!!」」
「ッ…この国の王様も呪われてるのか…!!」
『気を付けなさい!! コイツ等、かなり強いわ!!』
「分かってる!!」
滅びたイカーナ王国の古城で一同を待ち構えるは、魔物の呪いで暴走した国王イゴース・ド・イカーナ…
様々な者達との出会い、戦い、そして別れ…
「デクナッツの力、思い知るッピ!!」
再びデクナッツに変身出来る、デクナッツの仮面…
「うぉぉぉぉぉぉ!! パワーが漲るゴロォォォォォォォォォッ!!」
ゴロンの力を発揮出来る、ゴロンの仮面…
「水の中ならボクにお任せ! …ゾラ?」
ゾーラの力を発揮出来る、ゾーラの仮面…
「うぉーーーーーーーデーーーカーーーいーーーぞーーーーーーーーー♪」
巨大化する事が出来る、巨人の仮面…
様々な仮面やお面を入手し、彼等は様々な強敵に挑んでいく…
「@★△&%#◇$…!!」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁゴ○ブリだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?」
「ちょ、馬鹿、こっちに火を向けるんじゃ熱ちゃちゃちゃちゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
『…馬鹿ばっかりね』
『ごめん、こればっかりは否定出来ないわ…』
「昆虫さんがいっぱーい!」
ウッドフォールの神殿の主―――
「グォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!」
「ちょ、走って逃げちゃいましたよアイツ!?」
「逃がさねぇよ、俺が奴を追いかける!!」
「ボクが弓矢で牽制するよ!!」
「ヤギさん、おっきい~!」
『…ねぇ、何でこの子はやたら神経図太いの…?』
スノーヘッドの神殿の主―――
「グガァァァァァァァァァァッ!!!」
「んな、水中から…!?」
「良いのかい、そんなデカい口を開けちまって? 俺はデカい口には爆弾すら放り込んじまう悪魔だぜ?」
「キリヤさん、その言い方は何か色々とマズいです!?」
「どういう事?」
『咲良、世の中には知らなくて良い事もあるの。良い?』
「わかった~」
『?』
グレートベイの神殿の主―――
「「ギャォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!」」
「相手は今までで一番デカいモンスター、ならばこっちも巨大化するまでだ……シュワッチ!!」
「だからそれも駄目ですって!?」
「行けぇ、ウ○トラマーン!」
『え、何ウルトラマンって』
「さ、さぁ…?」
イカーナの神殿の主―――
数多くの強敵達を打ち破っていく一同。もちろん、人助けはモンスター退治だけではない…
「物取りじゃ!? ババの荷物、返しておくれ~!」
「おい待てコソ泥!!」
「あれだけ物を盗むなと言ったのに……仕方が無い、死んで貰う!!」
「ちょ、キリヤ、いくら何でも炎の矢は駄目だって!? 爆発するからー!?」
『第一、ループしてるんだからスリが私達の言う事を聞く訳ないでしょ』
時には、お婆さんから荷物を盗もうとするスリを追い払ったり…
「私の一人息子なの、探して下さる?」
「! カーフェイって確か…」
「あぁ、アンジュさんが言っていた…」
ドトール氏の妻―――アロマ夫人からは、一人息子であるカーフェイの捜索を依頼され…
「あら、こんな所にお客さんだなんて…!」
「いらっしゃい、ロマニー牧場へようこそ!」
「あ、そっちに幽霊行ったよ!」
「お兄さん方、何とかミルクビンを守って頂戴ね!」
「了解しました!!」
「えぇい、仕事量が多くて厄介だな…!!」
大岩で塞がれていた道の先の、ある姉妹が経営するロマニー牧場でお手伝いをしたり…
「ウゴォー!! ウゴ、ウゴウゴォーッ!!」
「ん~…全部でこれだけのルピーかな?」
「は? おいおい、これだけの量の砂金だぞ!? そこはもうちょい高くしろよ!!」
「キリヤさん、何でそんなどうでも良いところで盛り上がってるんですか…」
「金剛の剣、鍛えて貰ったよー!」
時には武器を強くする為、スノーヘッド地方の鍛冶屋で武器を鍛えて貰ったり…
「トトさん。今ボク達が演奏した曲って…」
「スタンダードナンバー“風の魚”……先代ダル・ブルーの名曲だよ。昔は初代ルルが歌い、今は娘がルルの名を継いでこの曲を歌っているのさ」
「…そうだ……俺が芸の道に入ったのも……これまで頑張って来たのも……全ては、芸の道でならばこの歌の主に出会えるんじゃねぇかって、そう思ったからなんだ……そうか。今は娘が歌っているのか……聞いてみてぇなぁ…」
「座長さん…」
あるステージでは、仕事がなくなりヤケになったゴーマン座長の為に思い出の曲を演奏してあげたり…
「足元見てんなぁ~、50ルピー!」
「何やと? これホンマは爆弾屋に売るもんやろ、爆弾屋にチクるど!!」
「わ、分かった、それで良いよ……でもこれでオッサンも同罪だね」
「アホ抜かせや!! 故買は善意の第三者や、ワシは何も知らんのや!! 流れて来たから買う、困ってる人を助ける、慈善事業やボケェッ!!」
「…キリヤさん」
「あぁ……雰囲気が完全にヤクザだわ、あのオッサン」
「咲良ちゃん、ナベかま亭の部屋に寝かせおいて正解だったね…」
またある時は、盗品を扱う店“マニ屋”の店主とスリの濃過ぎる会話を聞かされたり…
「何してるんですか!! もう月はすぐそこまで来てるんですよ、どうして逃げないんですか!?」
「で、でも、逃げるなんて、そんなのは予定表に載ってないのだー…!!」
「えぇい、このマジメ人間め…!!」
『仕事熱心ねぇ』
「マジメ~」
「…なら、彼を自由になれる方法を与える方法があるぜ」
『『「「え?」」』』
予定表の通り活動するポストマン。彼はマジメ過ぎたが故に仕事を優先し、月が落ちかけてもなお町から逃げられないでいた。そんな彼が自由になれる方法を、ロキはある方法を使って見つけ出す…
「結婚式を前に失踪した婚約者、カーフェイ……それは僕の事だ」
「え、じゃあカーフェイさんはスタルキッドに…!?」
「婚礼に必要な太陽のお面を盗まれたんだ……頼む、力を貸して欲しい!」
「全く……カッコ良い事するじゃねぇか、色男め」
そして人助けを続けていく中で、一同は遂にカーフェイ本人と対面する。彼はスリのサコンに盗まれた太陽のお面を取り返すべく、一同と共にサコンのアジトに潜入していく…
「私、待つ事にしました。だから、これで良いんです。彼を信じます」
「アンジュさん…」
マイラを介して、カーフェイから思い出のペンダントを届けられたアンジュ。彼女は3日目の夜もナベかま亭の部屋に残り、愛する者の帰りを待ち続ける。
そして…
「アンジュ、遅れてごめん」
「…おかえりなさい…!」
再会した二人。太陽のお面と月のお面……それらを交わし、二人は晴れて
「この世界で、俺達は多くの人達と出会った」
「形はそれぞれ違えど、皆は必死に今日を生きている」
「だから……この幸せを、終わりにはさせない」
「時間の繰り返しはここまでだ」
「守り抜いてみせる。世界を―――」
「未来を―――」
「「―――明日を!!」」
そして彼等は、最後の決戦に挑む。
タルミナの全てを、守り通す為に―――
短編EX5 繰り返される仮面の世界 パート2
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