「あぁ、すぐに発車しますのでご乗車になってお待ちください。はい、運賃50ケラトですねー」
…チョークランド大陸・プレインタウンのインターアーバンターミナル。
この駅のホームに、美しいブルーグリーンの特急電車が停まっていた。
行先はここから遠い鉱山の村パインビルだそうだ。
もっとも、この街もそんなに人の集まる場所じゃない。
実際、昼間ともなるとこの駅に集まる人影もまばらだ。
どうだい、こののどかな風景。ワークソアを連れた男が電車の前を横切って歩いてる。
まぁなんにしても、平和がなによりってことだな。
…さて、あたしも腹が減った。このあたりに美味い店はあるかな…と。
おおっと。自己紹介がすっかり遅れちまったな。
あたしの名はディーネ・バレッタ・ブレイクファングス…ご覧の通りのガンガールさ。
あたしは今、このチョークランド大陸を旅しながら、悪い奴らを懲らしめて回ってるんだ。
ま、ひとつよろしく頼むぜ。
○恐竜人名鑑(1)ディーネ・バレッタ・ブレイクファングス
種族:サウロホミノイデス・サピエンス
性別:女性
身長:138.2cm
体重:32.3kg
チョークランド大陸で自由気ままに放浪するガンガール。
曲がったことが大嫌いで、悪と名のつくものがあれば果敢に立ち向かう。
が、その行き過ぎた正義感からトラブルを引き起こしてしまうことも。
年代モノのリボルバーをこよなく愛する。
○用語解説
【サウロホミノイデス・サピエンス】
「Dの大陸」において、サウロルニトイデスから進化した恐竜人類。
ディーネなどはこの人種に該当する。ほか、別種の恐竜から進化した人種がいるが詳細は後日。
特に女性は、頭髪部分から大きな飾り羽が発達し、これが一種のファッションとして流行している様子。
名の由来は「知恵を持った(Sapiens)ヒト形の(Hominoides)トカゲ(Sauro)」である。
【チョークランド大陸】
本シリーズの舞台となる大陸。
恐竜人類による文明が築かれており、ある程度発達している模様。
ぱっと見ただけだと平和そのものではあるが、実は各地で乱闘レベルの小競り合いが頻繁に起きている。
名の由来は「チョーク」(Choke)。日本語で「白亜」と呼ばれるものですなわち石灰岩のこと。
恐竜が生息していた「白亜紀」からのネーミングである。
【プレインタウン】
もともと街道の宿駅として発達した都市。鉄道が通じるようになるとさらに発達するようになった。
名の由来は「Plane」つまりプラタナス(すずかけの木)のこと。
【パインビル】
プレインタウンから数キロ離れた位置にある鉱山都市。
規模は小さいが、鉱山労働者の宿舎などがある関係でにぎわっている。
名の由来は「Pine」つまり松のこと。
【インターアーバン】
都市間電気鉄道のこと。
この恐竜人類世界においても各都市近郊に敷設され、地域の足として機能している。
大陸横断の長距離幹線は客車列車が主体だが、都市近郊の主役は専らインターアーバンである。
もともとは木造車を用いたが、衝突時のリスクが大きいため鋼製車になったそうである。
【ケラト】
記号Ct。チョークランド大陸で使われる通貨単位。
ちなみに「1ケラト」は我々の住む世界における「1円」に相当する額らしい。
名の由来は「角(Celato)」。
【ワークソア】
恐竜人類の手によって家畜化された作業用の恐竜で、ヒプシロフォドンないしテスケロサウルスを
品種改良して作られている。飼育しやすく力も強いため、乗用または荷車の牽引用、
もしくは農作業用などとして広く用いられる。作業(Work)用の恐竜(Saur)だからワークソア。
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Pixivで展開開始したオリジナル・イラストストーリー
「Dの大陸」がはやくもTINAMIに登場だ!
我々の住む地球とは違う、「恐竜人類の住む世界」の
日常を描いてい…けたらいいなw