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真・恋姫†無双 外史 ~天の御遣い伝説(side呂布軍)~ 第六十八回 番外編:陳宮一線を越える(前編)

stsさん

みなさんどうもお久しぶりです!初めましてな方はどうも初めまして!

今回から番外編を数回投稿します。一発目はちんきゅーの拠点③か④くらいで出すつもりだったものを見切り発射します。

ちなみに時間軸的には合肥救援編と雛里の拠点の間くらいになります。

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2015-07-05 00:00:01 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:3772   閲覧ユーザー数:3217

落ち着くです音々音。

 

冷静に、一つずつ問題を頭に叩き込むです。

 

まず、ここはどこです?

 

ここは城の中。

 

具体的には布団の中です。

 

ですが、自分の部屋ではないようですし、当然、自分の布団の中でもないです。

 

では、隣で寝ているのは?

 

この無防備な寝顔の男の名前は間違いなく北郷一刀その人。

 

天の御遣いであり、益州牧兼ここ成都領主。

 

そこから推察するに、ここは一刀殿の部屋であり、一刀殿の布団の中だということが分かるです。

 

ここまでは分かるです。

 

理解できるです。

 

異常事態であることに間違いはないですが、まだ許容できるです。

 

頭の中で処理できるです。

 

しかし。

 

ですが。

 

それでも。

 

次の問題だけはどうにも分からないです。

 

理解できないです。

 

許容できないです。

 

頭の良さについては、筆頭軍師をしているということもありそれなりに良い方だという自負もあるです。

 

にもかかわらず、その頭をもってしても処理できないです。

 

とはいうものの、ここで分からぬ分からぬと言っていては軍師の名折れ。

 

知りたくない恐怖に立ち向かってこそです。

 

そのように一大決心したねねは、逸る鼓動を落ち着かせながら、

 

ゆっくりと布団の中を覗き込み、何だかスース―する自分の体を見てみたです。

 

すると、ねねの視界に飛び込んできたのは、一糸まとわぬ、気持ち良いほどの肌色の平原が広がっていたのです。

 

つまるところ、今の状況を端的に言い表すと、ねねは一刀殿の布団の中で、すっぽんぽんで一刀殿の隣で眠っていたのです・・・!

 

 

 

「な、なななな、ななな、な、な、で、なで・・・え、えーえーっと、えー、えー、あれ?えーっと、何でしたっけ、えーな、なんですと

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!???」

 

 

 

 

 

 

おかしいです・・・!

 

このようなことあり得るはずが・・・!

 

しかし、この状況が起こってしまっていることもまた事実。

 

ということは、まさか、ねねは知らないうちに一線を越えてしまったとでもいうのですか!?

 

しかも、その時のことを全く覚えていないというのに!?

 

そんな悔し―――ではなく!

 

どうしてこうなったです!?

 

そうです、冷静に一つずつ問題を片づけていくのです!

 

まずはどうしてこのようなことになったか・・・

 

まさか、酔った勢いで・・・!?

 

 

 

 

 

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

 

 

<ほら、一刀殿、部屋に着きましたぞ?>

 

<うへー、気持ち悪ぃー>

 

<まったく、霞や桔梗殿と張り合うからこういう目に合うのです>

 

<すまん、ありがとうねねー>

 

<ふん、別にねねは自分の部屋に戻るついでに寄ってやっただけなのです!ついでなのです!>

 

<そうかそうかー、この可愛いやつめー>

 

<可愛ッ!?と、とにかく、ねねはもう失礼しま―――ふみゅあぅ!?>

 

<おいおいーまさか何もしないで帰っちゃうつもりかよー>

 

<な、何もしないっていったい何を―――ひゃう、か、一刀殿ぉ・・・>

 

<こんな夜中にオレの部屋に来たってことはそういうことなんだろー?ホント可愛いやつだなー>

 

<こ、こんな夜中って・・・ねねは一刀殿を部屋まで送って―――ゃ、そこはぁ・・・>

 

<そんなこと言って、ホントは期待してたんだろー?体は正直だもんなー。ほら、こんなに―――>

 

<そ、それ以上は駄目ですぅ・・・お、怒りますぞぉ・・・ゃ、ゃぁ・・・>

 

 

<この前、オレのこと好きって言ってくれたじゃないかー、オレすごく嬉しかったんだからなー。だから、お互い好き者同士、その証を

 

体現してから、皆に報告しようぜー>

 

 

<ゃぁ・・・か、一刀殿ぉ・・・ふみゃぅ・・・なら・・・せめて・・・優しく・・・・・・>

 

 

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

 

 

 

あわわわわわわわわわわわわどこかで見たことあるような夢オチの展開なのですぅぅぅ!!

 

しかしもしこれが事実だとしたら・・・!

 

いや、待つです音々音。

 

何もいつも一刀殿が悪者とは限らないのでは?

 

例えば逆の展開もあるのでは・・・!?

 

 

 

 

 

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

 

 

<おい、ねね、お前呑み過ぎだぞ?>

 

<ひっく、にゃにおいっれるのれすか!?ねねはれんれんよってなろいないのれす!>

 

<おいおい呂律が回ってないとか相当―――て廊下で寝ちゃダメだってば!ちゃんと自分の部屋で寝なきゃ!>

 

<ひっく、にぇむたくにゃったらにぇる、これはしぇいぶつとしれとうれんなのれす!>

 

 

<ああもう!これじゃあ部屋までもたないな・・・よしわかった、そこオレの部屋だから、せめて布団の中で寝てくれ。じゃないと風邪

 

ひいちゃう。な?それならいいだろ?>

 

 

<ひっく・・・かるろろののへや・・・わかったのれす!>

 

 

 

 

 

 

 

<ほら、オレの部屋に着いたぞ。ささ、遠慮なく使ってくれ。心配しなくてもちゃんと毎日洗ってもらってるからさ。オレは床で寝るし

 

―――てわぁ!?>

 

 

<なぜねねはゆかでねてはいけないろに、かるろろのはねれもいいのれすか!?>

 

<いや、床は床でも部屋の中だし。それにさすがにオレと一緒に寝ちゃ色々マズいだろ?>

 

<・・・いろいろうわさがたつれす!>

 

<な?だからオレを押し倒すのはやめて、早くどい―――むぐぐぐぐぐ!?>

 

<ん、ちゅぅぅっ、んむ、ん、れろ、ちゅ・・・んちゅぅぅぅ・・・っちゅぱ・・・にゃら、うわさをしんじつにするまでなのれす!>

 

<ぷはっ、ちょ、音々音さん!?それはマジ洒落にならないんですけど!?>

 

<らいすきれすかるろろの~>

 

 

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

 

 

 

こ、こここここここここれは何と大胆不敵な!!

 

ですが、ねねは何が起きたか記憶がないのです・・・

 

仮に記憶が飛ぶほどの酒を呑んでいたとすれば・・・!

 

それなら辻褄が合うので―――いやいやいやいや発想を変えるです!

 

とりあえず酒から離れるです!

 

そうです、例えば酔ったは酔ったでも場の雰囲気に酔ったとすればどうです・・・!?

 

 

 

 

 

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

 

 

<ねね、今夜は月がきれいだね>

 

<そうですなぁ>

 

<・・・げふん、ホント、好きな子とこうやって肩を寄せ合いながら月を眺めるなんて、オレの人生振り返っても考えられなかったよ>

 

<一刀殿・・・>

 

<・・・大好きだよ、ねね>

 

<ねねも、お慕いしておりますぞ>

 

<それで・・・その・・・なんだ・・・せっかくこうやって二人の時間が作れたんだ。だから―――>

 

<ん、ちゅ、ちゅぅぅぅ・・・っ、皆まで言わなくとも良いのです。ねねも一人の女。一刀殿が思っていることはねねも同じなのです>

 

<ねね・・・>

 

<一刀殿・・・>

 

 

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ!?

 

思わずボーっとしてしまっていたです!

 

今のは半分妄想も入っていたので無しにするです!

 

心の内に大事にしまっておくことにするです!

 

と、とにかくマズいです!

 

何らかの原因で一刀殿か、或はねねが早まってしまい、結果、筆頭軍師が天の御遣いと肉た

 

―――不祥事を起こしてしまったなどということが世間に知られれば国が傾きかねないのです!

 

いや、待つです。

 

落ち着くです音々音。

 

冷静になるです。

 

問題の結果起こる事象について考えるのはまだ早いです!

 

まだ大きな問題が残っているです・・・

 

そもそも、どこまでいったのですか?

 

やること全部済ませた!?

 

ま、ままままままさか一刀殿の子だ―――いやいやいやいくらなんでもそのような最終段階まで!!

 

し、ししししかしそのような状況になったらやはり一刀殿も一人の男。

 

最後までいってしまったのでは!?

 

いや、この場合一刀殿だけでなく当然ねねもイっ―――げふん、な、なななならば、今ねねのお腹の中には一刀殿の――――――ッ!?

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ボンっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【益州、成都・城下町】

 

 

「どうしたのですか、ねね。そのように気持ち悪いくらい真剣な顔をして私に相談など。しかも驕ってくれる?今夜は月でも落ちてくる

 

のでしょうか・・・?」

 

 

「き、気持ち悪いとは失礼な!こっちは本当に真剣に悩んでいるというのに!」

 

 

 

まったく、いくら恋殿以外で一番古い付き合いだからといってなぜなななんかに相談しようと思ったのでしょうか・・・

 

しかも昼食を驕ってまで・・・

 

やはり、桔梗とかの方が良かったような気がするです。

 

 

 

「まぁ、差し詰め私が恋様を除いて一番古い付き合いだからとかそのような理由なのでしょうけど」

 

 

 

くっ、妙なところで勘の鋭い奴なのです。

 

 

 

「で、何なのですか悩みとは。言っておきますけど、筆頭軍師様の悩みを果たして私程度の一武将が答えられるようなものなのですか?」

 

「ふ、ふん。心配しなくともななでも答えられるような内容だからななに相談しているのです!でなければ相談などしないのです!」

 

「だといいのですけどね。あとあまりにくだらない内容でしたら思いきりため息をついて見せますからね」

 

 

 

チッ、ななのやつ、完全に舐めきっているのです・・・

 

見ていろです・・・ねねが一刀殿と結ばれてしまったなどと言ってしまえばどうなることやら・・・!

 

くっくっく、ななの絶望に打ちのめされる表情が目に浮かぶです・・・!

 

・・・・・・・・・っと、相談に乗ってもらうのでした。

 

危うく趣旨を取り違えるところでしたぞ。

 

 

 

「ふん、だったら心して聞くがいいです!ねねはなんと・・・さ、さく、昨夜・・・か、かかかず、かず、一刀ど、殿と・・・・・・」

 

「何顔を真っ赤にして引っ張っているのですか。さっさと言ってしまってくださいよ。私も暇ではないのですから」

 

 

 

こいつ、人の気も知らないで・・・!

 

 

 

「ねねは一刀殿と閨を共にし、こ、子種を授かるところまで行ってしまったのですぅうううううううう!!!!!!」

 

 

 

い、言ってしまったです!!!

 

これで国が傾くことは避けられないのです!!!

 

下手をすればねねと一刀殿は駆け落ち状態に・・・!

 

申し訳ありませんです恋殿・・・ねねは悪い子なのです・・・!

 

いや、まだやれることはあるはずです・・・できるだけ穏便に事を収める何かが・・・

 

そうです、そのためにねねはななに相談をしているのです!

 

ですが、この衝撃の事実を聞いてしまったななが果たして使い物になるかどうか・・・

 

下手をすれば刺激が強すぎて倒れてしまうのでは?

 

現にななから一向に反応が返って―――

 

 

 

「はぁ~~~~~~~~~」

 

「な、なななななななんですとーーー!!??」

 

 

 

最大限の憐みの表情で大きなため息をつく、ですとーーーーーー!!??

 

馬鹿な!有り得ないのです!!

 

 

 

「お、驚かないのですか!?」

 

「・・・・・・・・・はぁ~~~~~~~~~~~~」

 

 

 

なんだか腹が立ってきたのです。

 

 

 

「わ、わかったです。なな、お前ねねの話を信じていませんな?言っておくですが、今ねねが話したことは全部―――」

 

 

「はぁ、良いですかねね。この際ですか無駄な引っ張りなどは一切なしにしますけど、ねねの考えていることはすべて妄想が生んだ妄言

 

なのですよ」

 

 

 

やっぱり信じてないだけじゃないですか!

 

まぁ、あまりに受け入れがたいことだったために、現実逃避したくなったという気持ちも分からないでもないで―――

 

 

 

「ちなみにねねの言った妄言が受け入れがたいから現実逃避したくなっての発言ではありませんからね」

 

 

 

なっ!?なな、お前まさか読心術をも身につけているですか!?

 

 

 

「私は全てを見ていたのですよ。もちろん、なぜねねが裸で一刀殿の布団の中にいたのかというところまでちゃんと理由も知っています」

 

 

「ねねは一刀殿と閨を共にしたとしか言っていないのに、ななはねねが素っ裸で一刀殿の布団の中にいたという状況を知っているという

 

のですか!?ということは、ねねが知らないそこに至るまでの経緯も!?」

 

 

 

なんということですか!?

 

はっ、まさかねねのことを尾行していたわけではありませんな!?

 

 

 

「もちろんですよ。折角ですし、お話ししましょうか?」

 

「・・・・・・・・・何が望みですか?」

 

「いえ、大したことではありません。ただ今度一刀様の非番の日と私の非番の日を合わせて頂くだけで結構です」

 

 

 

くっ、人の足元を見やがるヤツなのです・・・

 

 

 

「無言、ということは、肯定と捉えてよろしいのですね?」

 

「何のことやら。ねねは何も聞いていないのです」

 

 

 

・・・次一刀殿と非番の日が重なっていて、かつ、入れ替えやすいものといえば・・・・・・・・・霞ですな。

 

 

 

「良いでしょう。ではお話ししましょう。私の知る限りの真実を・・・」

 

 

 

【第六十八回 番外編:陳宮一線を越える(前編) 終】

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

第六十八回終了しましたがいかがだったでしょうか?

 

今回のお話、まぁひたすらちんきゅーが自身の妄想を話し続けているというシュール過ぎるものになってしまいましたが、

 

全ては最近本編であまり活躍できないことによる反動と言ってよいでしょう。音々音派でない方々には申し訳ない限りです 汗

 

さて、今回はちょい短めで申し訳ありませんでしたが、

 

次回はななが真相を語りますのでもうしばらく息抜きにお付き合いいただきたく。

 

 

それではまた次回お会いしましょう!

 

 

 

一刀君、いくらちんきゅーでも漱石は知らないと思うんだ。

 

 


 
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