No.782723

艦隊 真・恋姫無双 60話目

いたさん

お待たせしました。

2015-06-10 02:24:42 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1285   閲覧ユーザー数:1094

【 久々の皆さん の件 】

 

〖 益州 周辺 にて 〗

 

華佗「フゥ──ッ! 今回は、かなりの遠出になったな! 卑弥呼……疲れてはないか!?」

 

卑弥呼「ガハハハハッ! 漢女道で鍛え上げた、この鋼の肉体! 未だに疲れなどないぞ!?」

 

華佗「そうか……疲れているなら、軽い按摩でも行うと思ったが、大丈夫そうだ! 流石は卑弥呼だよ!」

 

卑弥呼「─────!」 

 

華佗「よしっ! この俺も──待っている患者のため! 挫けず南蛮に向かわなければなッ!! おっと! 君たちは、大丈夫か!? この未開の地に入るのは初めてなんだろう? 決して無理などしないでくれ!!」

 

ーーー

 

球磨「大丈夫クマよ! このくらいの事で音を上げる球磨じゃないクマ!」

 

多摩「木天蓼……沢山採取して置くにゃ! この煙を吸うと……ニャンか疲れが吹っ飛ぶにゃ~! ニャッハハハハハハーッ!!」

 

球磨「だ、だめクマァー!! 吸いすぎは毒だクマ!!!」

 

ーーー

 

夕立「うん! 大丈夫っぽい!! こんな山歩きより辛い事なんか……もぉっと、もおぉぉっとあったもん! それに比べれば、こんなの散歩と一緒だっぽいっ!! だから、たくさん頑張って、提督さんに褒められたぁーいッ!!」

 

川内「だけどさぁ……夜戦ができないのは寂しいな。 偶に、動物相手に夜戦するけど、歯応えが無いんだよ。 なんかこう~緊張感が足りないというか……。 あっ! 勿論、その動物は美味しく頂いてるからね!!」

 

ーーー

 

扶桑「ハァ……ハァ……! そ、空が、あんなに青いのに……! 火力強化で採用された主砲や副砲の巨大さが……仇になってしまったようね……」

 

山城「ジッと見ていると……この誇らしいと思っていた艤装が……憎たらしくなってくるわ! あぁ……やはり不幸のままで……終わるのかしら……」

 

扶桑「山城……諦めないで。 諦めたら……伊勢や日向を、永遠に超える事は不可能なの。 だから、お願い……諦めないで私を支えて欲しい! 一緒に改二となり、伊勢、日向を上回る……航空戦艦になりましょう!!」

 

山城「はっ……はいっ! 姉さま!!」

 

ーーー

 

卑弥呼「な、何と言う事だ! せっかく……だーりんが誘ってくれたと言うのにぃ、自分の健全な肉体を……誇示するだけで終わらせるとはぁ──ッ!! こ、これでは、貂蝉の漢女道的手腕……窘める事など到底言えんわぁ!!」

 

ーーー

 

こちらは、遠征組。

 

資材確保、レベルアップの為の修行等を目的に、華佗たちに付いて苦難を乗り越える艦娘たちである! 

 

今回の目的地は『南蛮』!

 

ここに住まう悪龍を退治し、龍の球を得ようと向かっていたのだ!

 

背丈以上に伸びている草を分け入り、容赦せず照り続く……灼熱の太陽の光にも耐えて、向かっていく遠征組の者たち!

 

しかし、返事の元気さと違い……足元が覚束ない者が数人見えるため、華佗が小休憩を提案する!

 

華佗「一度……休息を取ろう! 無理に進めば、誰かが脱落する。 そうなれば、全員……その者の行動に合わすから、他の者が体調を崩して、次の脱落者を更に生み出す事になるからな!!」

 

華佗は、そう言って……日を遮る場所を見つけ、座る場所の準備を始める。 

 

正直……華佗の提案には賛成だった艦娘たちは、頬を緩めながら支度を始める。 簡単な食事や補給物資の準備、艤装の手入れなどをだ。

 

★☆☆

 

扶桑「華佗さん……一つ……尋ねても宜しいでしょうか?」

 

華佗が休憩場所を設置していると、後ろより扶桑を先頭に艦娘が並ぶ。

 

華佗「俺に応えられる話なら、何でも構わないよ」

 

扶桑「では、お聞きします! 私は……不思議に思っていたのですが……貴方は何故……提督と共に洛陽へ向かわなかったのですか?」

 

華佗「………………」

 

扶桑「……皇帝陛下と言えども患者ですよ? 貴方が診察を行えば……完治する可能性も……」

 

扶桑の言葉に、華佗は静かに答えた。 

 

華佗「一刀たちが出発した後に診断したよ。 しかし……残念だが、既に手の施しようがなく、俺の力でも……延命治療が精一杯だったんだ!」

 

扶桑「えぇぇぇ─────ッ!?」

 

華佗の答えに、質問した扶桑が驚きの声を上げる! 

 

他の艦娘たちも、大なり小なりあったが……驚きの表情を示す!

 

ーーー

 

山城「そんな! 提督が出発したのは……数十日前! 私は、提督が出発した三日後に、貴方に付いて遠征に出たのよ! たった数日で、成都から洛陽まで往復、しかも皇帝の診察まで──できるわけないじゃない!!」

 

川内「いや、分からないよ! 華佗に……私たちのような艦娘が居れば簡単じゃないかな? 夜の闇を颯爽と駆け抜ける──私みたいな存在がね!!」

 

多摩「多摩も暗闇なら得意にゃ!」

 

球磨「だけど……あの時は全員居たクマ。 提督から指令が出ているのなら分かるけど、民間人を乗せての長距離遠征は……普通禁止されているクマ!」

 

夕立「う~ん? 何か忘れている……っぽい!? あっ! もしかして、あの変なオジサン──ムグッムグッッ!!」

 

川内「ば、ばかぁ!! その言葉は禁句だ!!!」

 

ーーー

 

川内が夕立の口を抑えるが……既に遅く……艦娘たちの背後より、目を光らせた卑弥呼が、腕を組んで現れた!!

 

ーーー

 

卑弥呼「だぁああぁぁれぇが……変なオジサンじゃとぉおッ!? この華麗なる美女を捕まえてぇ!! 百歩譲っても成熟した熟女と語れぇいいい!!」

 

夕立「キャァァァァーッ!! 出たぁ! 出たぁぁっ!! 全力で砲撃するっぽーい! 砲撃準備、開始ぃ!!! 」

 

卑弥呼「んんっっ────はぁっ! はぁっ! はぁっ!」

 

夕立は軽い混乱状態になり、12.7cm連装砲を卑弥呼に向ける!!

 

しかし、卑弥呼は片手で自分の口に掌を押し付け、勢いよく夕立に向けて離し数回繰り返す! 早い話が、投げキッスを数回繰り返したのだ!

 

夕立「準備できたぁ! 今、砲撃開始ぃいいいッ!!」

 

卑弥呼「漢女道四十八の奥義、漢女の指弾接吻(投げキッス)!」

 

夕立「えい! えい! えーいっ!!  ……あれ? あれぇ!? あわわわわぁぁぁ!? ほ、砲撃できない……? な、なんでぇ──!?」

 

卑弥呼「うぬの攻撃は……既に無力化したわぁ!」

 

夕立「───あぁっ! 妖精さんたちぃいッ!! ど、どうしたのっぽい!? 全員……倒れているっぽい!!! しっかりしてぇぇぇ!!」

 

軽く混乱していたとはいえ、艦娘中上位の武勲艦の夕立は、何時もの演習通りに操作した筈の艤装が、全然作動せず更に混乱する。 

 

夕立が艤装を外して確認して見れば……隙間には、艤装を細かく操作してくれる妖精さんが……全員倒れていた!

 

卑弥呼「心配いらん! 気絶しておるだけだ!」 

 

夕立「───────!?」

 

卑弥呼はニヤリと笑い……説明する。

 

卑弥呼「伝説ではな、蛙の王子に掛かりし強固な変化系魔術結界を、恋人であった漢女が、この奥義で一撃粉砕し、王子を無事に人間に戻したと伝わりし奥義よ! 儂の魅力を加味すれば……更なる威力を得られるが……これくらいで勘弁してやろう!!」 

 

夕立「うわあぁぁぁぁん! よ、良かったーっぽい!!」

 

ーーー

 

川内「やるねぇ……それなら、次に私が挑ませて貰うよぉ!」

 

ーーー

 

扶桑「山城! この卑弥呼さんを倒せば───私たちの改造は間違いナシよ! 一緒に次の段階に昇りましょう!!」

 

山城「わかりました! 必ず倒します!! そして、もう二度と『不幸姉妹』なんて呼ばせないわッ!!!」

 

ーーー

 

球磨「球磨型ネームシップの意地を見せるクマ!!」

 

多摩「妹たちの方が、何かと目立つからにゃ!! ここで頑張って、姉の威厳を見せて、改造できるように活躍するにゃ!!」

 

ーーー

 

華佗「おいおい………まだ先が長いんだ! こんな所で体力消耗したら、後が大変なんだぞ!?」

 

ーーー

 

華佗は、卑弥呼に戯れる艦娘たちを見て、注意の声を上げた。 南蛮の地は、現在の地より数日掛かるのだ。

 

しかし、華佗の声に応える者は誰も居らず……卑弥呼に散々な目に合わされるのであった。

 

 

◆◇◆

 

【 華佗と扶桑 の件 】

 

〖 益州 周辺 にて 〗

 

華佗「……結局、休憩場所が宿地場所になったな。 予定の日数より遅くなるが、一刀に頼まれた事もあるし、戦力が多い方が助かる。 必ず悪龍を倒して……龍の球を得なければな……」

 

華佗は、簡素な天幕を張り、この場所で一夜を過ごす事に決めた。 

 

ーーー

ーー★

 

今、天幕には……艦娘たちが魘され(うなされ)ながら寝ている。 

 

卑弥呼相手に演習を始めた結果だが……それはもう散々。

 

幾ら、艦娘が多数で攻め掛かっても、卑弥呼は一人で対処して弾く、避ける、巻き込んで反撃を封じると……熟練の技術を見せ付ける。

 

艦娘たちの基本戦闘は、陣形を組んで砲撃。 

 

対艦隊戦に特化しているので、小回りで動き廻る敵に対処は難しい!

 

それでも、味方に当たらぬように砲撃を仕掛けたり、卑弥呼を取り押さえようと左右に分かれて挟撃したりと、頭を働かせた。

 

ーーー

ーーー

 

卑弥呼「そんな事では、空母水鬼どころか……鬼系や姫系でも一撃で終わりだ! 北郷……提督を、後悔と悲哀のドツボに叩き込むつもりかぁ!!」

 

川内「そんな事……させないッ!!『グイッ!』───うわぁあああっ!!」

 

球磨「あわわわッ! き、来ちゃだめクマ『ゴチンッ』痛ぁーッ!!」

 

ーー

 

多摩「そこにゃ! ………にゃ!?」

 

夕立「夕立、砲撃するっぽい!! あ、あれっ? 居ないっぽい!?」

 

卑弥呼「フハハハハハッ! どこを見ているのだ!!」

 

多摩「みぎゃぁああああッ! 後ろにいるにゃ!!」

 

夕立「う、嘘ぉぉぉぉ………っぽい!!」

 

ーー

 

扶桑「私たち……自慢の火力がッ!!」

 

山城「15.2cm単装砲の砲撃が、跳ね返されるッ!?」

 

卑弥呼「漢女道四十八の奥義の一つ……『鋼の餅肌』よ! 漢女である儂は、好いたおのこの趣向好みに、筋肉の固さを変化させる事ができるのだぁ!! これも……日頃の鍛錬と肌の手入れの賜物と……思い知るが良いわッ!」

 

山城「まだぁ、まだよぉ! 主砲、よく狙って、てぇーっ!!」

 

卑弥呼「ぬっふぅうううんッ!!!」バァンッ!

 

山城「そ、そんなぁ……! わ、私の35.6cm連装砲の砲撃まで……大胸筋で受け止めて跳ね返すなんてぇ……!!」

 

扶桑「なんて人なの───あっ!?」

 

山城「あぁあああ……! こんな相手と戦う私は……やはり不幸だわ!」

 

卑弥呼「むぅ! ───い、いかん!!」

 

扶桑「山城! 貴女の砲弾がぁ──危ないぃぃぃ!!」ドンッ!

 

山城「あうっ! ね、姉さまにまで跳ね飛ばされ───えっ!?」

 

 

\★☆★/  \★☆★/ 

 

 

扶桑「────キャアァアアァァァッ!!」

 

山城「姉さまぁあああッッッ!!」

 

ーーー

 

結局……卑弥呼一人に……艦娘たちは中破に近い状態にさせられたのだ。 

 

特に山城は、卑弥呼に跳ね返された自分の砲弾が、庇ってくれた扶桑を傷付けた事に……ショックが大きかった。

 

今でも……寝ている天幕から『姉さまぁああー! 逃げてぇえええ!!』と絶叫が響き渡っている。 

 

扶桑姉妹は、艦娘中で特に仲が良い姉妹ゆえに、当然の反応だろう。

 

……当事者の卑弥呼も心配して、外から見守っていた。

 

ーーー

ーーー

 

艦娘たちが収容されている天幕の傍より、少し離れて場所に華佗が座っていた。 時刻は、昼を過ぎ……後少しで夕刻になる頃。

 

華佗「………できる限りの治療はした。 しかし、俺の五斗米道が……どこまで効き目が出てくれるのか……!」

 

華佗は、人間に対しての名医である。 

 

幾ら艦娘が、若い女性の姿をしているとしても、その治療の効果はどれだけのものかは未知数。 勿論、今回初診察である!

 

────ザッ!

 

??「───大丈夫ですよ……私でさえ……こうして元気になりましたから」 

 

華佗「……無事に……目が覚めたか! 良かった……!」

 

華佗の傍に近付いたのは扶桑。 

 

山城を庇い、砲弾の破裂で倒れて運ばれた艦娘であった。

 

扶桑「これこそ……怪我の功名……ですね? 華佗さんの医術を、我が身をもって知る事ができました!」

 

華佗「だけど、全部が俺の腕じゃない! 患者の生きる意志、病に屈しない想いが、治療の効果を高めてくれるからだ! 幾ら腕が良くても、根本たる『生きよう』と思う欲が強くないと、助かる者は居ないのさ!」 

 

扶桑「………………」

 

華佗「それに、君は……元々大きな怪我をしていない。 君の判断が爆発の衝撃を弱めて、気絶と軽い打ち身ぐらいで助かったんだよ!」

 

扶桑は、華佗の言葉に……寂しく微笑む。

 

扶桑「あの時……山城の傍へと飛び込んだ後、とっさに爆発する方向へ私の艤装を向けて遮断物にしたんです。 私たち姉妹の艤装は、火力重視で他の娘より巨大な砲だったから、楯代わりに使えば……って」

 

華佗「装備の有効利用……的確な状況判断じゃないか!」

 

扶桑「とんでもない! 私の主砲、副砲にも……砲弾や火薬が入っているんですよ! もし、引火など起こしたら──ここ全体が吹き飛んでいました!」

 

扶桑は、謙遜とも卑下とも付かぬ……言葉を発す。 

 

しかし……華佗の言葉は……最後まで扶桑を賞賛した!

 

華佗「卑弥呼がね、装備を外してくれた後に言っていたよ。 楯にした部分には砲弾……か? 爆発する物は無かった……と。 つまり、君は……砲弾の有無を重さで判断して、最小限の被害に抑えたんじゃないのかい?」

 

扶桑「……………」

 

華佗「自分の装備の中身を重さで把握、装備の有効性、自分の安全と味方への被害を防ぐ心配り。 さすがに『艦娘』と言われる武人だけある!」

 

扶桑「そ、そんな……そんな事!」

 

華佗「………どうして、そんなに自分を卑下するんだ? 君の行動は立派だった。 一刀も見ていたら、間違いなく褒めていただろう。 それなのに、君は何故……自分を褒めてあげないんだい?」

 

別の意味で咎められた扶桑は、戸惑いを隠せず、日頃の思いを打ち明けた。

 

扶桑「私……この艤装……本当は好きじゃなかったんです。 火力を重視するあまり、全体的なバランス……均等が悪くって。 その為に……妹の山城にまで迷惑ばかり……。 でも、私たちの艤装は、コレに決まっていて……」

 

華佗「人の身体も同じさ。 生まれ付いての物に、アレが悪いコレが悪い……って言っても仕方ない。 ならば、どうするか? 今の自分の長所を生かすべきじゃないのかな? 色々と試行錯誤して……極めるんだ!」

 

扶桑「────!」

 

華佗「俺は……五斗米道(ゴットヴェイドォー)に属していたから、医術を始めたわけじゃない! 病に苦しむ人々を……何とか救いたい! その一心で突き進んで行ったら……名医なぞ言われるようになった……だけだ!」

 

扶桑「………だから、先ほどから悩んでいたんですね? 私たち艦娘を救うのに、どうすれば治療できるのかと?」

 

華佗「俺ばかりじゃない。 一刀も考えているんだ……更に激しくなる戦いに備えて、君たちの強化と……治療方法も!」

 

扶桑「わ、私たちには───」

 

華佗「君たち専属の医者を……連れて来るんだろう? 卑弥呼が言っていたよ。 だけど……もし、その医者が倒れた時……どうするんだ?」

 

扶桑「そ、それは……」 

 

華佗「倒れた君たちが居たら、俺だって直ぐに駆けつけて、君たちを元気にしたいと思うぜ? アイツなら、一刀なら……余計……そう思うだろう! なにしろ──俺と同じ、熱き情熱を持つ男だ!!」

 

扶桑「………提督………も」

 

華佗「アイツと付き合いは短い。 だけど……恩を忘れず、絆を裏切らず、必ず筋を通す! ───そうじゃないか?」

 

扶桑「そうですね……そんな人です!」

 

華佗「だから、俺も一刀の信頼に応えるさ! 五斗米道(ゴットヴェイドォー)の名に掛けて!! だから、君も自信を持て! 妹さんと……更なる高みに上がるんだろ?」 

 

扶桑「山城と……共に!!」

 

華佗「なら、姉が胸を張らなければ、妹が自信を持てないぞ! 自分を信じて行動に起こせ! もし、心配事があれば、俺が相談に乗るからな!」 

 

扶桑「は、はい! ありがとうございます!!」

 

華佗「………だから、強くなって……一刀を助けてやってくれ!!」

 

扶桑「───はいっ!!」

 

華佗の笑顔を見て、扶桑は思う。 

 

この人は根っからの医者なのだと。 

 

自分の身体どころか、心まで救ってくれたんだ……と。

 

 

◆◇◆

 

【 山城 キレる の件 】

 

〖 益州 周辺 にて 〗

 

扶桑「そう言えば……華佗さんは、一刀提督を凄く信頼されていますけど、何か特別な事があったのですか?」

 

華佗「あぁ! 初対面で一刀と挨拶を交わした時……俺の言った五斗米道の発音を、一発で正しく言ってくれたんだ! 本拠地の漢中でさえ、正しく発音できる者は、俺以外……居ないんだ!!」

 

扶桑「五斗米道(ゴットヴェイドォー)……ですよね?」 

 

華佗「────────!?!?」

 

扶桑「このくらいなら……皆も簡単に……」

 

華佗「君も発音できるのかぁ!? た、頼む! もう一度、もう一度言ってくれ───ッ!!」

 

扶桑「キャア……キャアァァァァ!!」

 

───────ザッ!

 

山城「ね、姉さまぁあああ!! あ、あぁあああ……姉さま……御無事でぇええええ!! むっ! 華佗ぁあああッ! 姉さまに、私の姉さまに……何をしているのぉおおお!? そこを直ぐに……退きなさいーッ!」

 

卑弥呼「だ、だぁりん!? わ、儂という者があるのにぃ、艦娘へ手を出すとはぁああああッ!!!!」

 

ーーー

 

華佗「違う、俺は───!!」

 

扶桑「山城! 止めなさいッ!!」

 

ーーー

 

山城「このぉ──変態医者がッ!! 砲戦、急いで用意してッ!!!」

 

卑弥呼「だぁりぃぃぃん! そんな小娘より儂をッッッ!!」

 

山城「副砲、よく狙って、てぇーっ!」ドンッ!

 

ーー

 

扶桑「駄目! 山城ぉおおおッ!!」

 

華佗「卑弥呼ぉ! 危ないぃいいいッ!!」

 

ーー

 

卑弥呼「ぬぅぅわぁあああッ────!」カッ!

 

\\\☆★☆★☆///

 

ーーー

 

華佗「卑弥呼ぉおおお───ッ!!」

 

ーーー

 

多摩「ムニャムニャ…………どうするにゃ?」

 

球磨「無理に止めると、此方が大破するクマ! 静観が一番クマ!」

 

ーーー

 

夕立「何だか……五月蝿い……っぽい?」

 

川内「う~ん……夜戦なら止めれるかも知れないけど……昼間じゃねぇ~」

 

ーーー

ーーー

ーー★

 

華佗「だ、大丈夫かぁ!? 卑弥呼!!」

 

扶桑「あぁぁぁ───ッ!!」

 

ーーー

 

山城「ふふふっ……邪魔者は消えたわ! 今度こそ……はっ!?」

 

卑弥呼「むっ……はぁあああッ!! これくらいの砲撃で倒される儂ではないわぁ!! だぁりんを倒したければ……儂を越えてからにせぇいいいいッ!」

 

山城「姉さまと私の……邪魔をするなぁああああッ!!!」

 

ーーー

 

扶桑「山城──いい加減に止めなさい!!」

 

華佗「卑弥呼! 争うのは止めてくれ!」

 

ーーー

ーーー

 

多摩「卑弥呼って……何者にゃ?」

 

球磨「貂蝉も……クマ」

 

夕立「………人間じゃない……っぽい?」

 

川内「もう、駄目じゃないか! 貂蝉や卑弥呼に失礼だよ!」

 

球磨「───なっ!?」

 

多摩「川内が……正論!?」

 

川内「まったく……二人を人間扱いするなんてぇ!! どう考えたって化け物じゃないッ!!」

 

夕立「うん………平常運転だっぽい!」

 

ーーー

 

こうして、遠征組は……このような事を体験しつつ、着実に実力を上げていった。 特に……山城は……遠征を終わる頃に、改二へと改造できる実力を付けたという。

 

 

ーーーーーー

ーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき……ありがとうございます!

 

今回忙しい事もありましたが……話が浮かばなくて困りました。

 

おかげで、一回作品を全部書き直しハメになり、こうして遅くなりました。

 

まぁ……身体の具合も悪かったんですけどね……。

 

トシかな………

 

次回は、土日に上げるつもりですが……まだ未定となります。

 

また、よろしければ読んで下さい。

 

 


 
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